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2040年の社会とEVはどうなる? 「国際学生“社会的EV”デザインコンテスト2022」が開催

2022年02月05日 12時00分更新

みんなで考える我々の社会とEVの未来

 2022年1月20日、「国際学生“社会的EV”デザインコンテスト2022」の開催を知らせるオンライン記者会見が実施された。これは、一般社団法人電気自動車普及協会(APEV)が主催する学生向けのコンテストだ。

2040年を想定し、社会デザインと、そのときのEVをデザインするというのが「国際学生“社会的EV”デザインコンテスト2022」のコンセプトだ

 一般社団法人電気自動車普及協会(APEV)とは、元ベネッセ会長(現・名誉顧問)であった福武總一郎氏の肝いりにて2010年に設立した電気普及協議会を前身とする、EV普及を目的にEV事業化などの情報を発信する団体だ。コンバージョンEVのガイドラインなどを作り発表している。

 その協会の活動のひとつが、このコンテストだ。これまでは「国際学生EVデザインコンテスト」の名称で、2013年の第1回から、2年ごとに過去4回が開催されてきた。例年、春頃までにエントリーがあり、1次審査、2次審査を経て、秋や初冬となる東京モーターショーの時期にあわせて最終審査&発表が行なわれてきた。本来であれば、2021年に第5回コンテストが実施されるところが、コロナ禍の影響で延期。改めて、3年ぶりとなる2022年に開催することが発表されたのだ。

1月20日にオンラインにて「国際学生“社会的EV”デザインコンテスト2022」の発表記者会見が実施された。会見最後には参加者全員での記念撮影が行なわれた

 ちなみに過去4回は純粋なるデザインのコンテストであったが、今回からは大きく変更することになった。それは「2035年のガソリン車販売禁止」や「2050年カーボンニュートラル」が話題になる中で、クルマと社会との関係は、この先、大きく変わることが予測される。そこで「社会そのもののデザインの構築、すなわち"社会デザイン"の理想的な姿を考える中から、EVのモビリティーとしてのあるべき姿を、参加者と協賛企業様・我々APEVが一体となりテーマのより良い解決策を導き出したい」というのだ。

2019年に実施されたコンテストの最優秀賞。HAL東京による「COCOON EV-SCHOOL」。車両の上部が分離してモニターとなり、子供たちの学校になるというコンセプトだ

 具体的には「2040年の社会デザイン(課題発掘)+コンセプト(解決策)+デザイン(説明としてのビジュアル)」を評価することになった。エントリーする学生には「2040年の社会背景の考察をまとめる」「考察からコンセプト(ストーリー)を組み立てる」「コンセプトがイメージできるビジュアルを添付する」の3点が求められる。

 また今回は「人材育成」にも力を入れており、期間中のワークショップや企業へのインターンシップも予定する。

 審査委員は、委員長の藤原 洋氏を筆頭に、安藤忠雄氏、井原慶子さん、ジャン・ファン氏、竹岡 圭さん、松本博子さん、パトリック・ル・ケモン氏、脇田 玲氏、田嶋伸博氏の9名。カーデザイナーだけでなく、建築家、アーティスト、自動車メーカーの取締役、ジャーナリストなど多彩な面々が揃っている。

 コンテストの日程としては、2月よりエントリーが開始され、6月に一次審査、7月にワークショップ、8月に二次審査、9月にワークショップ、10月に最終審査と表彰があり、11月以降に一般展示が予定されている。また、コンテストの公式ウェブサイトでは、過去大会の作品を見ることもできる。

2017年の最優秀賞。中国の広州美術学院の「EV ZERO」。都市交通を平面の2次元ではなく、立体的な3次元で構築するアイデアだ

 学生たちが考える、未来の社会とEVは、どのようなものになるのか。10月の結果発表を期待しよう。

筆者紹介:鈴木ケンイチ

 

 1966年9月15日生まれ。茨城県出身。国学院大学卒。大学卒業後に一般誌/女性誌/PR誌/書籍を制作する編集プロダクションに勤務。28歳で独立。徐々に自動車関連のフィールドへ。2003年にJAF公式戦ワンメイクレース(マツダ・ロードスター・パーティレース)に参戦。新車紹介から人物取材、メカニカルなレポートまで幅広く対応。見えにくい、エンジニアリングやコンセプト、魅力などを“分かりやすく”“深く”説明することをモットーにする。

 最近は新技術や環境関係に注目。年間3~4回の海外モーターショー取材を実施。毎月1回のSA/PAの食べ歩き取材を10年ほど継続中。日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員 自動車技術会会員 環境社会検定試験(ECO検定)。


 
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