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いじめや犯罪などを心配して

小学生の親の6割はチャット内容をチェックする

2022年02月08日 09時00分更新

小6までに57%超が専用スマホを持つ

 子どもがLINEやSNS、オンラインゲームなどでのチャットでトラブルやいじめ、犯罪に巻き込まれる事件は日々報道されている。対して、家庭ではどのような対処をしているのだろうか。小学1年生から高校3年生までの子どもを持つ保護者を対象としたテラコヤプラス by Abemaの「子どものチャットなどに関するアンケート」(2022年1月)を見ていこう。

 子どものスマートフォンの専用・共用について聞いたところ、「子ども専用」という回答は54.2%だった。インターネット端末を利用する子どもの2人に1人が自分専用のスマホを所持している。

 子どもに専用のスマートフォンを与えた時期で最も多かったのがは、中学1年で23.5%、次いで多いのが小学1年生の13.8%、そして高校1年生の9.5%だった。また、小学校入学前から小学6年生までを合計すると57.2%に達する。自分専用のスマホを持っている子どもの5割以上が、小学生から所持しているというわけだ。子どものスマホ利用は低年齢化が進んでいるのだ。

 なお、子どもに専用スマートフォンを与えた理由は、「いつでも連絡がとれるようにするため」が53.6%、「居場所確認のため」が12.5%などとなっていた。共働き世帯の増加に伴い、スマホの所持率も上がっている面があるのだ。

 小学生のうちはキッズスマホやGPS端末などを持たせることもあるが、最近は、機能制限などを施したうえで初めからスマホを与えている例も多い。ある共稼ぎの家庭では小学1年生のときからスマホを持たせているが、「アプリはLINEだけ。LINEの友だちも我々親だけにしている」と言っていた。学年が上がるにつれて、徐々に入れるアプリを増やしていったそうだ。

小学生の保護者の6割がチャットをチェック

 インターネット接続端末を所持する子どもがチャットをしているか尋ねたところ、スマートフォンで66.3%、ゲーム機で28.0%など、多くの子どもがチャットをしていた。一方、子どもにチャットをさせていない保護者に理由を聞いたところ、「いじめへの発展を心配」という声が多く、「学校から禁止されている」という声も多かった。

保護者は子どものチャットなどをチェックしたことがあるか

 子どものチャット利用に関してルールがある家庭の割合は、61.0%であり、時間制限や言葉遣いに関してルールを決めていることが多かった。

 また、保護者は子どものチャットなどをチェックしてよいと考えるか聞いたところ、「子どもの許可がなくてもチェックしてよい」「子どもの許可があればチェックしてよい」が小学生ではそれぞれ39.2%と45.9%、中学生では21.7%、56.6%など、子どもが小さい間は保護者がしっかりと管理すべきと考える保護者が多いことがわかる。

 さらに、実際に子どものチャットをチェックしたことがあるか聞いたところ、小学生では「チェックしたことがある」が62.5%、「チェックしたかったが、パスワードなどでできなかった」が2.0%、「チェックしたかったがしなかった」が15.5%など、実際にチェックした保護者が6割を超えていた。

 子どもも年を経るにつれて、「親に知られたくない話もあるだろう」「本人の行動を信頼している」などとチェックする割合は減っている。一方で、犯罪被害に巻き込まれることを心配しているようだ。

 年齢の低い子どもはまだ文章力が低く、読解力もさほど高くないので、チャットでのコミュニケーションはそもそも難易度が高いのだ。そして警戒心も乏しいため、自由に使わせると犯罪被害に巻き込まれるリスクも高くなる。使い始めのうちに親子で話し合いながら使い方の練習をしていくとよさそうだ。

著者紹介:高橋暁子
 ITジャーナリスト、成蹊大学客員教授。書籍、雑誌、Webメディアなどの記事の執筆、監修、講演などを 手がける。SNSや情報リテラシー教育に詳しい。『ソーシャルメディア中毒』(幻冬舎)、『Twitter広告運用ガイド』(翔泳社)、『できるゼロからはじめるLINE超入門』(インプレス)など著作多数。テレビ、ラジオ、新聞、雑誌などメディア出演も多い。公式サイトはhttp://akiakatsuki.com/、Twitterアカウントは@akiakatsuki

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