2022年の1月14日~1月31日、西新宿でのスマートシティプロジェクトを体験できる「西新宿Smart City WEEK 2022」が開催された。新型コロナウイルス(オミクロン)の感染拡大により、コンテンツ内容も一部変更されたが、実証実験エリアで利用できるジョルダン乗換案内の「西新宿モード」の体験記をお伝えする。
ジョルダン乗換案内の拡張で「スマートシティモード」を実現
今回体験したのは累計3900万ダウンロードを誇るジョルダンの乗換案内アプリに試験的に搭載された「スマートシティモード」だ。このスマートシティモードを使うと、フォーカスしたエリアのルート検索、オススメスポットの一覧表示、オンラインでの注文・決済なども可能になるという。
さて、地図を見やすい大きめのタブレットに、ジュルダンの乗換案内アプリをあらかじめダウンロード。位置情報と通知設定をオンに設定し、いざ西新宿へ出発。自宅の沿線である副都心線で新宿三丁目駅に着いたら、丸ノ内線に乗り換えて西新宿駅へ向かう。西新宿エリアに入ると、位置情報を元に通知が行なわれるので、そのまま「西新宿モード」を起動してみる。
西新宿モードの上部は通常の地図アプリと同じく目的地への検索が用意されているが、中央部にカレンダー形式のイベント一覧、飲食店、ギャラリーがタブ表示されている。イベントをクリックすると内容が確認でき、「ここへ行く」ボタンを押すと、そのまま目的地への乗換画面が表示される。
飲食店やギャラリーのタブも基本は同じ。今回、飲食店は30店舗以上、ギャラリーは東京オペラシティギャラリーやSOMPO美術館など6施設が登録されていた。また、アプリの最下部には各機能へのバナーがカルーセル表示される。たとえばコラボ店舗の混雑状況を確認したり、オンラインで注文することが可能になっている。写真がポップアップする地図表示もできて便利だ。
既存アプリの機能拡張に好印象 ジョルテカレンダーとも連携
さて、実際に使ってみた感想だが、リアルタイムなまちの情報がまとまっていてけっこう便利だ。西新宿の中心は地下道も複雑だし、多くの店が高層ビルに入っているため、「街の様子」をなかなか伺いにくい。逆に高層ビル群地域から外れた中野側の5・6丁目、大久保側の7丁目は道がかなり入り組んでおり、店が見つかりにくいのが弱点だ。その点、西新宿モードを使えば、住んでいる人も、勤めている人も、初訪問の人も、新しい西新宿の発見につながると思う。
なにしろ、乗換案内の機能拡張でスマートシティモードを実現している点は、めちゃくちゃ評価できる。街おこしや地域活性化のために独自アプリを作る自治体やIT企業は多いが、単一機能のスマホアプリはユーザーにとっての利便性が低い。正直すぐに削除されてしまうご当地アプリより、普段利用しているアプリの機能を拡張した方がユーザーメリットは大きい。
実証実験の割には参加店舗も多く、アプリの表示が派手だったこともあって、今回使った限りでは軽快な動作とは言いがたかったが、これは今後のバージョンアップで解消していきそう。今後はクーポンアプリや電子決済アプリと連携し、ユーザーの利用価値をさらに上げてもらいたいと思う。ちなみにアプリは3月末まで利用可能の予定だ。
今回、ジョルダン乗換案内は位置情報を元にした「移動軸」をカバーしているが、「予定軸」をカバーするアプリとして「ジョルテカレンダー」も用意されている。こちらは西新宿の情報をカレンダー形式で整理して閲覧でき、乗換案内とも連携して、イベントや施設の経路検索が可能になっている。
さて、西新宿Smart City WEEK 2022の会期は終了したが、今後も西新宿ではスマートシティのさまざまな実証実験が実施される予定なので、ぜひ参加してみよう。
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