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約1万5000円の激安キーボード一体型PC「AbacusBasic」に込められた開発者の想い

2022年02月03日 10時00分更新

 わずか99ポンド(約1万5000円)でWindows 10の動く低価格「AbacusBasic」なPCをイギリスのPentaform Computersが開発中です。しかし、AbacusBasicは大手メーカーのPCに価格で挑む製品ではありません。世界中すべての人々にPCを届けたいという精神で開発された製品なのです。

Pentaform ComputersのポータブルPC「AbacusBasic」

 キーボード一体型の本体の中にはPCの機能がすべて詰め込まれています。CPUはインテルのAtom x5-Z8350 Cherry Trail、メモリは2/4/16GB、ストレージはeMMCで16GBから128GB、microSDカードで512GBまでの拡張も可能。外部ポートはHDMI 2.0、3.5mmヘッドフォンジャック、USB 3.0×1、USB 2.0×2、USB Type-C(18W充電対応)。通信は有線LANと無線LAN、Bluetooth 4.2を搭載します。

キーボードも搭載した一体型のPCだ

 スペックがかなり低いことから、一般用途向けではないことがわかるでしょう。AbacusBasicはたとえば新興国の学生や学校でPCを購入できない層もターゲットにしています。同じように新興国向けに展開されているRaspberry Piを使ったPCと比べると、Windows 10を搭載しているのでWindows系のアプリもある程度使えるのが大きな強みになります。そして本体が小型なことから、大きい机がなくても使うこともできるのです。

ネイティブでWindows 10が動く

 キーボードの右側はマウス操作可能なタッチパネル。左側はバッテリーモジュールで、装着すればバッテリー駆動も可能。電源が取れる場合は取り外して使うこともできます。AbacusBasicは確かに低スペックなPCですが、本体に装着するバッテリーの容量はわずか280mAh。一般的なノートPCの1/10程度の電力でも十分動くといいます。低電力で動くことから地球環境にもやさしく、そして電力供給に難点のある新興国でも安心して使えるというわけです。さらには搭載するバッテリーが少なくて済むということは、バッテリー廃棄物を減らすことも可能です。

本体左のバッテリーモジュールは取り外し可能

 本体はリサイクル素材で作られています。ハウジングの厚さは3.5mmでリサイクルABSにより高い強度を持ちます。環境問題を考え、さらに世界中のデジタルデバイド解消を狙ったAbacusBasic、先進国でも低所得者向けとして十分需要があるでしょう。製品化されたらぜひ使い勝手を試してみたいものです。

本体はリサイクル素材で丈夫なつくりだ

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