ASCII編集部の貝塚によるSORACOM体験記をお送りする。第3回はソラコム IoTストアで購入できる「IoT体験キット」で、自宅のドアの開閉を可視化してみる。
IoTデバイスで可視化するのが楽しくなってきた
ソラコムの直販サイト「SORACOM(ソラコム)IoTストア」で購入できるIoTデバイスとSORACOMのサービスを試用する本連載。初回、第2回では、CO2センサーを用いて、室内や車内のCO2の濃度や気温、湿度を可視化してみた。
これまで目に見えなかったものがグラフ化され、ひと目でわかるようになったことが想像以上に面白く、“可視化欲”に取り憑かれた私は、他の面白いセンサーも試してみたいと考えた。
そこで選んだのが、「IoT体験キット〜磁気センサー〜」である。
内容としては、通信機能を持った磁気センサーと、開閉を検知するためのマグネットのパーツをセットにしたもの。簡単な組み立てで、ドアの開閉を検知する環境を構築することが可能だ。
内容物としては、本体、マグネットのパーツに加えて、センサーを駆動させるための単四乾電池×2本、本体とパーツを接続するためのリード線、センサーを固定するためのネジ、設定方法のサイトにアクセスするためのリーフレットが同梱されている。インターネットの接続環境さえあれば、このキットを買うだけで、他には何も必要ない。
センサーには電源ボタンがなく、電池を入れるとオンに、電池を外すとオフになる。
CO2センサーは、組み立てらしい組み立てが必要なかったため、届いたキットに細いリード線が複数入っているのを見て、一瞬「大丈夫かな……?」という感想を抱いたが、その心配は無用だった。
なぜなら、半田付けをせずにリード線同士を接続するためのツールが同梱されているなど、電子工作に慣れていない人でも、ツールレスで組み立てられる工夫がされているからだ。
組み立て時間は、10分から、じっくりと丁寧にやっても20分といったところだろうか。子供の頃に夢中で遊んだミニ四駆の組み立てを思い出すようで、なんだか楽しい。いや、パーツの切り離しやシール貼りがあるミニ四駆の組み立てよりも、ずっと簡単だ。
リード線の端をねじりながら被膜を引っこ抜く作業も、小学生の頃によく理科の実験でやったものだ。中身を切らずに、被膜だけに切れ込みを入れるのが難しかったように記憶しているが、本キットでは、あらかじめちょうどいいポイントに切れ込みが入っていて、ねじりながら引っ張るだけでいい。
組み上げたら、ソラコムのユーザーコンソールに登録し、ドアに設置するだけで利用できる。磁気センサー本体を壁に設置し、マグネットのパーツをドアに取り付けることで、磁界の変化で開/閉を読み取り、ソラコムのユーザーコンソールからドアの開閉状態を確認できるようになるという仕組みだ。
マグネットのパーツはネジ止めもできるようになっているが、両面テープでの設置も可能なので、壁に穴を開けられない賃貸住宅でも設置OK。原状回復も容易だ。
どこに取り付けると面白いか、考えるのも楽しい
ハード的にはとてもシンプルな「IoT体験キット~磁気センサー~」だが、ソフトウェアの設定においても、リーフレットからQRコードでソラコム公式のレシピサイトを参照できる。体験キットというだけあり、誰でもIoTを楽しめる工夫が盛り込まれている。
さて、問題はどこに設置すると楽しいかという点である。アイディア次第では、いろいろな使い方ができるはずだ。離れた土地にある拠点、たとえば、別荘などに設置して、誰かが立ち入っていないか監視するのにも使えると思うし、企業内なら各会議室に設置しておき、どの会議室がどれくらい使われているかのログを取得することで、バラつきを無くすようにアナウンスをする材料とすることもできるだろう。
自宅での使用においてはどうだろう。玄関ドアに設置して、一日に何回家に出入りしているのかを記録するだけでも面白そうだが、トイレのドアに設置して、健康管理に役立てるのも面白そうだ。どのような使い方をすると面白そうか、少し考えてみたい。
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