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最もBMWらしくないBMW 「118d」は最も賢いBMWだ!

2022年01月29日 15時00分更新

文● 栗原祥光(@yosh_kurihara) モデル●新 唯(@arata_yui_)編集●ASCII

ディーゼルならではのトルクのある走り

 それでは気になる走りをチェックしてみましょう。ディーゼルエンジンということで、ちょっとだけ身構える唯さん。ですが「アクセルオフから走り始める時に、ガラガラ音とフィーリングが気になりましたけれど、走りだしたら普通ですね」とのこと。「トルクがあるからか、発進時のエネルギーが凄いですね。高速巡行はエンジンの回転数が引くためか、想像以上に静か。燃費がいいということなので、長距離巡航とかに適しているクルマじゃないでしょうか」とニコニコです。「それに室内が静か。ディーゼルの音がずーっと車内に響くのかと思っていたのですが、そんなことはないですね」。

 「乗り心地やハンドリングは欧州車らしい硬質さを感じますね。特に乗り心地は硬めで、段差などは思ったよりもダイレクトに衝撃が伝わります。でも嫌いじゃないですし、気にならないかな」とのこと。そして「BMWというと、以前試乗したアルピナが素晴らしくて。あの乗り心地はよかったなぁ」と1300万円のB3と比べてくる唯さん。さすがに無理というものでしょと思いつつも、唯さんにとってB3が一つのベンチマークであり、それだけ好印象だったということ。そして値段が1/3にも関わらず、そのことを思い出せる118dの凄さ、恐るべしです。

 唯さんに満足いただいたところで、不肖に選手交代。ここではMINIクーパー クラブマンSとの比較を中心にお話したいと思います。エンジンパワーは必要にして十分すぎるところ。日常使いプラスちょっと頑張る程度なら不満はないでしょう。ただ唯さんもおっしゃるとおり、ところどころでディーゼルらしいなぁという振動や音は感じます。ですが、MINIに比べるとディーゼルらしい音や振動ははるかに少なく、走り始めたらディーゼルエンジンのネガティブなところを感じることは少ないのでは? 面白いのは乗り味がMINIの方がBMWらしいというところ。

 118dはBMW特有の「重厚感のある走り」よりも「軽快さ」に重きを置いた雰囲気で、その点では「ちょっと味が薄いなぁ」と思った次第。とはいえ、国産車に比べたら味は濃く、そして硬めの乗り味。その意味では「BMWらしい」ともいえるわけで、インテリアの雰囲気と併せて「気負いせずに、BMWをカジュアルに楽しめる1台」といえそう。唯一残念なのは、前走車追従のクルーズコントロールはあるのですが、3シリーズのような同一車線で渋滞時ハンズオフといった運転支援がないところ。これがあれば、燃費の良さ、静粛性と相まって、最強の快適高速クルーザーになれるだけに……。

 唯さんの様子をみると、ディーゼルに不満はないものの、やっぱりガソリンエンジンの方が……という雰囲気を感じたのですが、長距離移動がメインの不肖としては「ディーゼルという選択肢はアリだな」と心底思った次第。もしBMWを手に入れるとするならば、ディーゼルエンジン搭載車は賢い選択であると感じました。

 今まで街でディーゼルのBMWを見る度に「お前の駆けぬける歓びはコレなのか?」と思っていたことを恥じるとともに、BMWディーゼルという選択肢が加わりました。118dは十分に楽しく、何より実用的な1台でした。

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モデル紹介――新 唯(あらた ゆい)

 栃木県出身10月5日生まれ。2020年に小林唯叶としてモデルデビュー。2020年シーズンのSUPER GT「マッハ車検GAL」をはじめ、SUPER FORMULA、スーパー耐久シリーズのレースクイーンとして活躍。2021年4月の芸能事務所プラチナム・プロダクションへの移籍に伴い新唯に改名。現在ファッションモデルとしての活動のほか、マルチタレントを目指し演技の勉強中。

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