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おしえてDX!これを聞けば社内でDXが正しくはじまる DXってほんとに必要? 協同組合もIT企業もバッサリ斬る! | NoMaps Conference 2021

気持ちいい業務はデジタルになっている コープさっぽろ長谷川氏がメルカリで感じたDXのカギ

2022年02月03日 12時00分更新

「どうなっているんだ」と言う前に、自分がデジタルで楽に仕事をするのがいい

DXの取り組みにまつわる疑問に鋭く回答

 続いて、コロナ禍での業務の変化においてもクローズアップされた、FAXやメールの扱いをどうすればいいのか、という点について議論が行われた。例えば、コロナ禍ではワクチン接種の書類をシステムに入力するのが非常に面倒という問題が大きく話題に上った。

 これに対して田中氏は、「どうなっているんだ、と言う前に、自分がデジタルで楽に仕事をする、というのがいいと思う」と指摘。田中氏の所属するさくらインターネットでも、以前は役員会などで100ページほどの印刷資料を使ったりしていたそうだが、いまは全社的に変わっているという。その経験を踏まえ、「上がデジタルで”普通に楽だよね”という仕事のやり方にしつつ、全社を変えていくのがいい」と述べた。

 また長谷川氏は、「はじめから100点を狙わない」と指摘。大きな会社になると、どうしてもわずかな部分で反対する人が出てくるが、そういった部分はまず置いておき、できるところからDXを進めるだけでも、大きな改善になるという。実際に、流通業界ではいまだに古いシステムが使われているが、それを使いつつも、Googleスプレッドシートで情報を共有するなど、今あるデジタルツールを活用するだけでも大きな業務改善につながると実感しているそうだ。そして、「将来、(DXによって)仕事のやり方が一気に切り替わり、旧来のやり方が淘汰されるタイミングが必ず来るので、そうなるようにできるところから(DXを)進めていくことが重要」だと述べた。

 また、社内のDX化を早めるための近道はどうすればいいのか、という問いについて田中氏は、「DXを進めるのは、単純にエンジニアを雇いましょう、ということ」と回答。また、「小さい山でもいいので上ってみるのが重要。小さい山を次々にこなしていき、最後に大きな山に登るという目標につなげていけば進んでいくと思う」とも述べ、簡単なところからDXを進めていくことが重要だと指摘した。

 同様に長谷川氏は、「DX化を進めて早める近道は、気持ちよく合理的な業務にかえること、それにデジタルツールを使いますよということなので、業務改革、業務改善だ」と回答。その上で、「最終的なDXのゴールを理解しているチームと、社内の仕組みをDXでどう変えていくのか、そのプロセスを考えるチーム、その2つがタッグを組んでやっていく必要がある」と述べた。

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