週刊アスキー

  • Facebookアイコン
  • Xアイコン
  • RSSフィード

防犯やペットの見回りに便利

左右360度見渡せる防水ネットワークカメラがわずか4280円!「ATOM Cam Swing」を試す

2021年12月31日 12時00分更新

 アトムテックが2021年12月に発売した「ATOM Cam Swing」は、上下180度、左右360度の首振り機能を搭載したネットワークカメラ。フルHD(1920×1080ドット)の録画解像度、IP65対応の防水・防塵機能、暗所に強いカラーナイトビジョン、双方向の同時音声通話、対象の自動検出・追尾が可能な自動追跡機能を備えながら、4280円(直販価格。以下同)と手ごろな価格になっているのが魅力だ。

 アトムテックのネットワークカメラはこれが3世代目。2020年に発売された初代モデル「ATOM Cam」は、フルHD録画の対応、高感度CMOSセンサーによる暗所への強さ、そして何より、2500円という安さで注目を集めた製品だ。ネットワークカメラが安くなってきていたとはいえ、5000円前後でも激安と言われていたところに、さらにその半額というのはインパクトが強かった。

 しかも、安かろう悪かろうではなく、画質も機能面もしっかりしていたのだから驚きだ。特に驚いたのが、14日間という保存期限はあるものの、12秒間のイベント動画を無料でクラウドへ保存できること。内蔵microSDへの録画だと、誰かにカメラを持ち去られてしまうと映像が何も残らないが、クラウドへの保存なら、カメラ本体がなくても映像を確認できるのが強い。

 第2世代の「ATOM Cam 2」は基本的に初代と似ているが、さらに暗所に強くなったことと、IP67防水・防塵に対応したこと、そして双方向通話に対応したのが特徴だ。特に暗所への対応は素晴らしく、初代では赤外線ライトを使ったナイトビジョンになってしまうほど暗くても、しっかりカラーで撮影できるようになった。価格は2980円へと値上がりしているものの、機能面を考えれば、むしろお買い得になったといってもいいだろう。

 第3世代となる「ATOM Cam Swing」は、第2世代となるATOM Cam 2をベースに、首振り機能を追加したものとなる。

左がATOM Cam(初代)で、右がATOM Cam 2(第2世代)、中央がATOM Cam Swing。カメラ部分はほぼ変わっていないが、首振り機構のため、雪だるまのような2段構造になっている

カメラ三脚に対応した新しいスタンドを採用

 ATOM Cam Swingは形状が大きく変わったが、もう1つ変わった部分がある。それがスタンド部。ATOM Cam 2までは磁石で貼り付き、自由な角度に動かせるスタンドが搭載されていたが、それがカメラ三脚に取り付けられるネジ穴へと変更されている。

多くのカメラで採用されている、1/4インチの三脚ネジ穴を装備。小型三脚と組み合わせられるようになった。本体サイズは53(W)×53(D)×122.5(H)mm、重量254gなので、安定感のある三脚を使えるのが嬉しい

 従来の磁石によるものでは、首振りの振動で動いてしまったり、剥がれてしまったりといったことが考えられるだけに、これは嬉しい変更だ。また、純粋に重心が高くなっているため、転倒防止という面でも安心感がある。

 電源用のmicro USBが底面にあるが、ここに挿すのは付属のL字型ケーブルのみと考えた方がいい。そうでなければ隙間から水が入ってしまう心配があるし、何より、三脚を取り付けるとき邪魔になってしまうからだ。

三脚ネジ穴のスグそばに、電源用のmicro USBを搭載。L字型コネクターとなっている付属のケーブルを接続できる

 もっと挿しやすい場所にあればいいのにと一瞬思ったが、これはケーブルの抜けを防ぐ目的もあるのだろう。なお、USB ACアダプターも付属しているが、これは普通の汎用品。手持ちのもので代用が可能だ。

 自動検出で撮影された動画は、12秒のイベント動画としてクラウドに保存されるが、microSDカードを入れておけば、常時録画も可能。最大32GBまで認識でき、残量がなくなれば古い動画を消して上書きするという仕様だ。勝手に録画が止まってしまうという心配はない。

microSDカードスロットは、カメラ側面に。防水仕様となるため、カバーが付いている

 ATOM Camシリーズに共通の特長なのだが、初期設定、特にWi-Fi設定が簡単というのがある。というのも、専用アプリを使ってWi-Fi接続情報を含むQRコードを生成し、それをカメラにかざすだけで設定できるからだ。なお、接続はIEEE802.11 b/g/n、つまり、2.4GHz帯となる点には注意しておこう。

アプリでデバイスの追加を選び、SSIDなどのWi-Fi接続情報を入力してQRコードを作成。これをカメラにかざせばセットアップできる

 ちなみにセットアップの詳しい手順は、アプリでステップごとに案内してくれるので迷うことはない。

首振り操作はボタンとスワイプの両方に対応

 ATOM Cam Swingで追加となった首振り操作だが、これはリアルタイム視聴画面から操作できる。この画面では下部に上下左右操作用のボタンが表示されるので、ここをタッチすることで滑らかに動かせる。

画面下部に上下左右のボタンがあり、これに触れると好みの角度へと変更できる。範囲は上下180度、左右360度だ

 面白いのが、ボタンだけでなく映像画面のスワイプでも動かせること。スワイプでザックリと動かし、ボタンで微調整する、というのがやりやすく感じた。また、ピンチでデジタルズームも可能なので、首振りで気になった部分があった場合、素早く拡大して確認できるというのも便利だ。

 見たい場所が複数あるけど毎回操作するのは面倒だ、という人に便利なのが、「クルーズ」機能。これは、事前に設定したウェイポイントを10秒ずつ順に表示していくもの。曲がり角や部屋の入り口の監視など、複数の角度で撮影したい場合に役立ってくれる。

ウェイポイントは、実際に映像を見ながら設定できるのでやりやすい。気になる場所を登録していく

クルーズ機能を使うには、視聴画面で「その他」をタッチ。一番左の「クルーズ」をオンにすると、ウェイポイントを次々撮影してくれる

 便利な撮影はクルーズだけでなく、モーションを検出した対象を自動で追いかける「自動追尾」、一定時間ごとに写真撮影を行う「タイムラプス」などもここから選択できる。

 暗所に強いということもあり、ナイトビジョン設定についても少し触れておきたい。用語として、ナイトビジョン、カラーナイトビジョンの2種類が出てくるため少々ややこしいが、ナイトビジョンは内蔵の赤外線LEDを照射しての撮影、カラーナイトビジョンはフレームレートを20fpsから15fpsへと落として高感度撮影を行う、という違いがある。

 わかりやすく言えば、「結構暗くてもカラーで撮影できるし、真っ暗でも赤外線LEDで照らしてモノクロ撮影できるよ」ということだ。デフォルトでは赤外線を使うナイトビジョンへの切り替えは自動となっているが、手動で切り替えることもできる。

モノクロでいいのでノイズ感を減らしたい、といった時は、赤外線を使ったナイトビジョンに切り替えるといいだろう

 自動切り替えも「暗い」と「非常に暗い」の2段階でタイミングを設定でき、可能な限りカラー撮影したいという場合は「非常に暗い」を選んでおこう。

目的なしに買ってもかなり遊べるネットワークカメラ

 通信はWi-Fiとなるため、電源さえ確保できればどこにでも設置できるという手軽さが最大の魅力。ペットや子供、認知症の家族の見守り、屋外の防犯・監視といった目的でネットワークカメラの導入を考えている、という人であれば、かなり便利に使うことができるだろう。

 特に、首振り機能のあるATOM Cam Swingなら、ペットの自動追尾撮影、複数箇所の監視で重宝するはずだ。

 ちなみに、ATOM Cam Swingが登場した後も、ATOM Cam 2は併売で残っている。アプリからは4台までカメラを制御できるので、場所や用途に合わせてATOM Cam SwingとATOM Cam 2を使い分けるとよさそうだ。

アプリでは、最大4台のATOM Camシリーズを扱える。ATOM Cam 2は電源を切っていたが、歴代シリーズすべて1つのアプリで制御できるのも嬉しい

 なお、個人的には一時的に監視したいもの……ノートPCのバッテリーベンチや、長時間かかるベンチマークソフトの様子を確認するといった用途でATOM Camシリーズを利用している。ベンチ用の隣の部屋まで状況を確認しに行き、また戻って仕事を再開する、といった手間がかからないのが地味に便利なのだ。

■関連サイト

この記事をシェアしよう

週刊アスキーの最新情報を購読しよう

本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります