週刊アスキー

  • Facebookアイコン
  • Twitterアイコン
  • RSSフィード

大容量HDDを活用する方法も伝授

大容量HDDはWD Blueの8TBモデルがオススメ! 理由はCMR記録方式による信頼性

2021年12月15日 16時00分更新

お待たせしました。お待たせしすぎたかもしれません

 世の中的にはSSDへ大きく舵を切っているが、データ保存用に低価格で大容量のストレージとなると、まだまだHDDが断然優位に立っている。

 ストレージメーカーのWestern Digitalでは、HDDのシリーズとして一般向けの「WD Blue」とNAS向けの「WD Red」、監視システム系の「WD Purple」、ゲームユーザー向け「WD_BLACK」など、用途に合わせたHDDが用意されている。

 今回、これまで「WD Red」などのハイエンドシリーズにのみ用意されていた8TBモデルが、ついに一般向けの「WD Blue」シリーズに登場した。これまで6TBモデル止まりだっただけに、より容量に余裕のあるストレージを利用可能となったのだ。

WD Blueシリーズから8TBモデル「WD80EAZZ」が登場。回転数は5640rpm

 これは、かなりの朗報である。自作やデスクトップマシンに内蔵してデータの保存場所を確保しようとした場合、増設できるのはせいぜい1つか2つ。1基の容量が少ないと、多くのデータを保存できず、一杯になったら再度交換するか、別途外付けドライブを用意してそこへ逃がすしかない。

 また、ノートPCの場合は3.5インチドライブを内蔵できないため、最初から外付けドライブとして利用することになる。そうなると複数接続することはほぼないので、やはり1基で大容量であることに越したことはない。極力大容量のモデルを購入することがHDD選びのポイントとなる。

 とはいえ、ちょっと心配な点もある。大容量となると万が一故障したとき、大量のデータを一気に失うリスクがあるのではないかということ。特にHDDはSSDとは違い複数のプラッター(円盤)が高速回転し、その間をヘッドが動いて磁気で情報を読み書きする。そのため強い衝撃を与えると破損する可能性は否めず、極端な話、読み書きの頻度が高くなっていけば、おのずと故障するリスクも上がってくる。

 そのため、読み書き頻度を考慮して信頼性を確保した用途別のシリーズを用意しているわけである。その中で「WD Blue」シリーズは一般向けで、PCなどでの利用を想定したもの。NASや常時監視など24時間365日働いているものに比べれば、そこまで頻繁には読み書きしない用途向きだ。

記録方式は従来のCMRを採用、SMRとの違いは?

 ただ、ちょっとマニアックな話になるが、今回の8TBモデルは最近よく使われるSMR記録方式ではなく、「WD Red」シリーズの上位モデルでより信頼性の高い「WD Red Plus」シリーズでも採用されている、従来タイプのCMR記録方式が用いられている。

 そもそも、SMRとCMRがなんなのかをざっくりと解説しよう。HDDは、磁性体の塗られた金属の円盤「プラッター」に、磁気ヘッドにより磁化させることでデータを書き込む。データはセクターという単位で同心円状に並んだトラックという領域に保管することになるが、その記録方法の違いである。

 SMR(Shingled Magnetic Recording)は、記録密度を上げて安価に大容量化を目指した方式で、トラックを一部重ね複数のトラックをブロックとして一気に書き込む最近の主流だ。一方CMR(Conventional Magnetic Recording)は以前から利用されてきた正統派な方式で、トラックは重なることなく、しっかり隙間を設けて複数のセクターをまとめて書き込む。

SMR(画像右)は、トラックを重ねて複数のトラックをブロックとして一気に書き込む方式。記録密度を上げて安価に大容量化を目指せる技術だ(画像はWestern Digitalのウェブサイトから抜粋)

 ここで両者に違いがあるのが、部分的に書き換える場合だ。CMRでは単純に特定のデータのみを書き換えられるのだが、SMRの場合はトラックが重なっているぶん、特定のデータのみを書き換えられず、隣接に書き込まれているデータまで消してしまうのだ。

SMRの場合はトラックが重なっているぶん、特定のデータのみを書き換えられず、隣接に書き込まれているデータごと書き換えることになる。つまり、万が一データが破損した場合は、隣接するデータも消えてしまうわけだ(画像はWestern Digitalのブログから抜粋)

 このため、SMR記録方式ではキャッシュメモリーを備え、そこへ一時的にブロック単位で移動し、書き換える状態に一度整形してから、もとに戻すという一手間がかかる。この作法は、SSDでも似たようなことをやっているが、この過程がランダムライト性能として吉と出ることも凶と出ることもある。

 これがCMRの場合だと、そうした過程がなく、安定した書き込みが行なわれることもあり、ユーザーの中にはCMRのほうが高い安心感を抱いている人も多いのである。

 WD Blueシリーズでは500GBと1TBではCMRだったものの、2TB、3TB、4TB、6TBではSMRが採用されてきた。今回の8TBでCMRが復活したことで、大容量でより信頼性と安心感の高い一般向けのHDDが生まれたわけだ。

この記事をシェアしよう

週刊アスキーの最新情報を購読しよう