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【連載】溢れる魅力!海のライオン・オタリア

2021年12月10日 10時00分更新

 みなさん、こんにちは!

 横浜・八景島シーパラダイスの飼育員がお届けする「生きもの日記」。

 第9回は「ふれあいラグーン」で鰭脚類やペンギンを担当する西川弥緒がお伝えします。

 前回の記事はこちら。

【連載】変わった形は進化の結果!? マンボウの秘密

※過去の連載記事はこちら:横浜・八景島シーパラダイスの飼育員生きもの日記

 今回は「オタリア」の魅力をたっぷりお伝えしたいと思います。

 伝えたいことが多くとても長くなりますが、読んだあとにはきっと皆さんのオタリアへの興味が深まっていると思いますので、ぜひ最後まで読んでいただけるとうれしいです。

 オタリアと聞いてもどんな動物か思い浮かぶ方はそう多くないかと思います。

 オタリアはアシカの仲間です。アシカ科の動物は英名でSea lion、つまり「海のライオン」と名付けられているのですが、中でもオタリアはその由来となった種類です。

 ふれあいラグーンではレオ(オス)とカシス(メス)の2頭のオタリアが暮らしています。

左:カシス、右:レオ

 レオは18才、カシスは10才、どちらも大人のオタリアですが、写真の通りオスとメスで特徴が異なります。

 大人のオスの最大の特徴は、首周りが太く立派なたてがみが生えていることです。このたてがみが海のライオンと呼ばれる由来となりました。

毛が乾くと特にたてがみが目立つレオ

 オタリアは一夫多妻制で繁殖期になるとハーレムを作り、強いオスほどメスにモテモテになります。

 たてがみは体を大きく強そうに見せるため、そしてオス同士の戦いで急所である首元を守るために生えています。

 一方メスにはオスのようなたてがみはなく、若干体色が明るいです。皆さんがよく知るカリフォルニアアシカに似ていると言われることがありますが、鼻先が少しつぶれているような愛らしいお顔をしています。

レオに比べて首元がスリムなカシス

 体の大きさもオスとメスで異なり、身長157cmの私と比べるとこのサイズ感。

レオはしっかり首が伸びるとおよそ200cm

カシスは直立しておよそ130cm

 体重もレオは220kg、カシスは85kgと倍以上の体格差があります。

 また、オスには立派な牙があり、自然界ではペンギンを食べるオタリアもいます。

特にオスには大きな牙があります

 歯が黒いので、お子さんから「虫歯?」と聞かれることがありますが、アシカ科の動物は口内に黒い色素を出す細菌が棲んでいるため、このように歯が黒くなるようです。

 レオとカシスはともにシーパラ生まれで、レオは生まれた時からずっとシーパラで、カシスは昨年の7月までは当社が運営する「仙台うみの杜水族館」で暮らしていました。

 レオは何事にも動じない落ち着いた性格で、パフォーマンスやお客さまとのふれあいで活躍しています。

 パフォーマンス中、突然大きな巨体が目の前を颯爽と走っていく姿は圧巻です。

お客さまのベンチの目の前を走るレオ

 愛嬌のある表情も注目を集め、パフォーマンス後はたくさんのお客さまから「レオくーん!」と声をかけてもらいます。

 こんな風に声をかけてもらえる時は、お客さまにレオの魅力が伝わったと思えるうれしい瞬間です。

ニコっと微笑むレオ

あっかんべーも得意! 赤ちゃんの頃は母乳を吸って育つため、吸いやすいように舌先が分かれています

 今は年末年始に向けて習字のトレーニングの真っ最中。

 毎年恒例となっていますが、さらにパワーアップしたパフォーマンスを披露するため、毎日練習に励んでいます。

2021年お正月のレオと作品

 スタッフの意図をレオに伝えるため試行錯誤していますが、うまく伝わらないことも。

 そんな時レオはまさに「?」という表情をしたり、考えていろんな行動を見せてくれたりします。

 レオにうまく伝えられなくてごめんねと思うことがたくさんありますが、お互いに相手の意図を汲み取ろうとする、トレーニングもコミュニケーションの一環です。

 カシスは仙台うみの杜水族館でオープン当初から活躍していましたが、次の世代へと命を繋げるため、昨年の7月にシーパラへやってきました。

 カシスがやって来てからは2頭仲良く暮らしており、パフォーマンスでも可愛らしい仕草を見せてくれました。

鼻を合わせてコミュニケーションをとる2頭

パフォーマンス中にお客さまへアピールするカシス

 繁殖にむけてエコー検査の受診トレーニングも行なっています。

 仙台にいた時からたくさんのことができたので、すぐにエコー検査のための姿勢をとることも出来るようになったのですが、右向きは得意だけれど左向きはちょっと苦手。

 そんな得意不得意もトレーニングの中で知ることができました。

検査がしやすいようにお腹を見せてくれるカシス

 いつかカシスに元気な赤ちゃんが生まれて、仲良しオタリアファミリーの姿をご覧いただけますように、ぜひ温かく見守ってください。

 オタリアたちの魅力は皆さんに伝わったでしょうか?

 これを機に私と同じくらいオタリアが大好きになってもらえたら嬉しいです。

 そして、ぜひふれあいラグーンにレオとカシスの可愛らしさ、かっこよさ、溢れる魅力を体感しに来てください!


横浜・八景島シーパラダイス
公式ウェブサイト:http://www.seaparadise.co.jp

12月25日まで、生きものたちによるスペシャルイベント「シーパラダイスクリスマス」を開催中!
12月24日・25日限定の特別イベントも。

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 https://www.keikyu.co.jp/visit/otoku/seapara_kippu.html

文/西川弥緒

神奈川県出身。2016年入社。「ふれあいラグーン」で主にアシカやアザラシなどの鰭脚類、ペンギンを担当。好きな芸人は「和牛」と「コットン」。

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