週刊アスキー

  • Facebookアイコン
  • Twitterアイコン
  • RSSフィード

【連載/身近な世界~vol.1】中央公園に転がっている癒し

2021年12月09日 12時00分更新

 皆さん、こんにちは!

 毎週木曜日にお届けする「学生たちの日常」では、工学院大学に通う学生たちが過ごす、西新宿でのそれぞれの日常をお伝えします。

 今週は、私「ジェイ」(4年生/工学部・電気電子工学科)が、身近なものについて考えを巡らす、「世界の見方」をお届けしていきます。

前回の記事はこちらです。
【連載/~空き活‼(工学院学生の空きコマ活動)~vol.1】最近のティーンミュージックは「chill」がブーム

■※過去の連載記事はこちら:学生たちの日常

 突然ですが、皆さんは最近歩いた道、街の風景、食べた物など「身近な世界」のことを覚えていますでしょうか。というか見えていますでしょうか。

 近年のデジタル技術の進歩によって利便性がとても増している反面、私は徐々に「身近な世界」が見えなくなり、人間性を失っている様に感じます。

 というのも、

 人間性って良いも悪いも含めて、「心」という不思議なものを持っている事だと思うんです。まだ私がデジタルに浸かっていない時代は、身近な世界を目で見て、耳で聞いて、舌で味わって、肌で感じて、制限なく世界にふれることで色んな感情が生まれていたと思います。

 ですが、現在の私は講義の合間、一人でご飯を食べる時など暇さえあれば目的もなく携帯に触れていて、デジタルの世界という遠く離れたものばかりにふれる様になり、近くのものにふれる機会が明らかに減り、身近な幸せにすら気付けなくなっているなと、コロナ禍の就活においてデジタルデトックスを取り入れ、ほっと一息付く時間を設けることで気付きました。

 この記事を読んでいただいている人の中にはデジタルデトックスを知らない方もいると思うので、先にその説明から入りますね。

 デジタルデトックスとは、SNSやスマートフォンやコンピューターといったデジタル機器の使用を自発的に控えていくこと、またその期間の事をいうようです。

 身近な例ですと、一人での外食時。

 お店の内装、店員さんの佇まい、料理の見た目など、そこでしか感じる事のできないものが必ずあると思います。

 ですが、ずっと携帯を触ったり、動画を見たりして食事をしているとそういったことに気づけないだけでなく、物を食べた、という感覚だけが残るような気がするのです。

 「ご飯を食べる」ことに対して、感謝や楽しみが減り、本来はとても「幸せ」であることを認識できないと感じてしまいます。

 また、遠い世界の例ですと、誹謗中傷問題でしょうか。

 本来なら知らなくてもよい遠い世界の情報にふれ、誹謗中傷しないはずの人達の中にも、誹謗中傷している人たちを見てしまい、イライラして攻撃的な感情が生まれてきてしまうと思います。

 ここまで読んでいただいた方には、デジタルを否定しているようにも思う方がいると思いますが、私は決してデジタルを否定したい訳ではありません。利便性に頼りすぎて、元あったものをなくさずに両立しようということを述べたかったのでその部分はご了承いただきたいです。

 そこで、オフィス街という忙しいイメージを持つ西新宿だからこそ「身近な世界」にも目を向けることで人間性を取り戻し、日々の発見をお届けしていこうと思います!

 そして、このコラムを通して皆さんが少しでも西新宿で「身近な世界」にふれることで、今までずっと近くにあったけど気付けなかった幸せなどを発見していただけると幸いです!

 前置きが長くなりましたが、記念すべき第1回の「身近な世界」は新宿中央公園です!

 同じ西新宿という空間に存在しているけど、道路一本向こうはもう別世界のように感じます。多種多様な人々が集まる自然とそれを囲むオフィス街の社会人とビル達はまるで、今社会に求められている多様性に近いものを表しているようにも思えます。

 ここには、走り回っている子供たち、優雅に読書、おしゃべり、犬と散歩、夕日と都庁をバックにモデルの写真撮影、ダンス、スケボーをしている人などなど、本当にさまざまな人々がいるなーといつも思わされます。

 今日は夕方に来てみましたが、地元の人に聞いた話によると、朝6時ごろ、中央公園には二百人近くもの人が集まってラジオ体操を行なっているらしいです。大都会ではなかなかお目にかかれない光景じゃないですか?

 私も卒業までにはなんとかして参加しようと思っています!

 さまざまな人が集い、自由に、好きな時間を過ごせる場所。これこそが公園のあるべき姿なんじゃないかな~って思いました。

 今日はスマホには一切触れずに、ホットコーヒーを飲みながら公園に30分ほど滞在したのですが、肌寒さがあったものの、そのおかげで温かさがとても身に沁み、自然の中でおいしく味わうことができました。

 ぼーっとしていて気づいたのは、やはり「音」です。滝の流れる音、風で揺れる木々の音など、自然の音がこんなに心地いいことを体感しました。

 同時に、森の奥深くでしか感じられそうにないこの感じを、目の前にビルが多く立っている場所で体験できる貴重なスポットだと思います。

 みなさんも自然の音に耳を傾けてはいかがでしょうか。

 目の前のベンチに座っている男性を見ていたら、なんとも愛らしい「パグの仕草」を目撃しました。男性の膝の上に黒色のパグらしき犬が、忠犬ハチ公を思わせる同じあの姿勢で座っていました。私がよく街で見かけるのは、床に寝そべっていたり、ベンチ周辺でうろうろしている姿だったので、驚きとかわいさにやられました。しかも、男性がパグの前足をティッシュで拭いてあげる時に、前足を出している姿は最高に癒されました。

 スマホの画面の中だけにとらわれず、周りに意識を向けてみると、思わぬ新しい発見や幸せな瞬間って案外あるんだな、ということに気付けた瞬間です。

 これからも、デジタルデトックスなどを取り入れ、身近な発見、気付きを伝えて行けたらと思います。

■ジェイのお気に入りの漫画紹介

 「あひるの空」。学生を通して様々な立場の人たちの感情が描かれており、自分のことを振り返るだけでなく「自分以外の人の気持ちを考える」という、生きていく上でとても大切な機会を与えてくれる素晴らしい漫画だと思いますので、みなさんもぜひ一度手に取ってみてほしいです。自分自身この漫画は、バスケ中心ではなく、人間を中心として描かれた漫画だと思うので誰でも読めると思います。

 特に、これから何かに打ち込む子供たちには読書感想文の課題にしてでもぜひ読んでほしいなと思います。

文/ジェイ

1998年生まれ。鹿児島出身。1年ほどで東京に越してきたため、鹿児島弁は一つもわかりません(笑)。趣味は、バスケ🏀をすること、見ること。最近のブームは、読書、King Gnu、millennium parade、古着、ドライブなどなど。

この記事をシェアしよう

週刊アスキーの最新情報を購読しよう

本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります

この連載の記事