ASUS JAPANは、13.3型有機ELディスプレーを採用したデタッチャブル型の2in1PC「ASUS Vivobook 13 Slate OLED」を11月25日に販売開始した。
本製品はCPUに「Pentium Silver N6000」を採用。標準でキーボードカバー、スタンドカバーが付属しており、デジタイザーペン「ASUS Pen」を購入すれば、2in1PCとしてフル活用できる。
またDolby Vision対応の有機ELディスプレーに加え、Dolby Atmos対応のクアッドスピーカーを搭載しており、AVコンテンツを高品質で鑑賞できるのも売りだ。使い勝手に注目してレビューしていこう。
メモリーとストレージの異な2モデルを用意
「ASUS Vivobook 13 Slate OLED」には下記の2モデルが用意されている。
・T3300KA-LQ049W(直販価格10万9800円)
Windows 11 Home 64bit / Pentium Silver N6000 / RAM8GB / SSD256GB(PCIe Gen3 x4接続)
・T3300KA-LQ046W(直販価格9万4800円)
Windows 11 Home 64bit(Sモード) / Pentium Silver N6000 / RAM4GB / eMMC128GB
CPUは、4コア4スレッド、1.10~3.30GHz動作の「インテルPentium Silver N6000プロセッサー」で同一。OSは下位モデルがSモード版だが、Sモードを解除すればいいだけなので問題ない。両モデルの大きな違いはメモリー容量と、ストレージ容量および種別。下位モデルはeMMCである点には注意してほしい。
これ以外のスペックはすべて共通。ディスプレーは13.3型フルHD OLED(1920×1080ドット、光沢、550nit、DCI-P3 100%、HDR対応、Pantone認証、テュフラインランド認証、タッチ対応、ペン対応)。スピーカーはDolby Atmos対応のクアッドスピーカーを搭載。カメラはフロントに491万画素(F2.0)、リアに1258万画素(F2.4)を装備している。
インターフェースは、USB 3.2 Gen2 Type-C×2、microSDXCメモリーカードスロット×1、3.5mmコンボジャック×1、キーボードカバー用端子×1を用意。ワイヤレス通信機能はWi-Fi 6(11ax)、Bluetooth 5.1をサポートする。
本体サイズ/重量は下記の通り。バッテリーは50Whを内蔵しており、バッテリー駆動時間は上位モデルが約12.9時間、下位モデルが約13.6時間と謳われている。
本体 : 309.9×190×8.25mm/約785g
本体+スタンドカバー : 310×190×12.05mm/約1066g
本体+スタンドカバー+キーボードカバー :310×198×17.55mm/約1385g
推奨デジタイザーペンは「ASUS Pen SA201H」(直販価格8778円)で、別売だがゲットすることをおススメする。
ピュアタブレットスタイルの軽さがいい! 縦置きもできる2in1PC
「ASUS Vivobook 13 Slate OLED」は、ノートパソコン、スタンド(横)、スタンド(縦)、タブレットの4つのスタイルで利用できる。
本製品でユニークなのが、スタンドカバーとキーボードカバーによりデタッチャブルの2in1PCを実現しているところだ。「キックスタンド」のようなヒンジ機構とスタンドが含まれないぶん、ピュアタブレットスタイルでの軽量化を実現している。
キーボードは、キーピッチが実測19mm前後、キーストロークが実測1.4mm前後。「\」、「\」、「無変換」、「変換」キーがほかのキーに密着しており、「\」キーは幅が狭められているが、それ以外の文字キーは等幅に揃えられおり、配置も素直だ。バックライトは内蔵していない。
カメラはフロントに491万画素(F2.0)、リアに1258万画素(F2.4)が搭載されている。スマートフォンを作っているASUSの製品だけに、室内灯下でも明るく、自然な発色で撮影できた。
ディスプレーの画質については、カラーキャリブレーション機器「i1Display Pro」と色度図作成ソフト「ColorAC」で実測したところ、DCI-P3カバー率は100.0%、DCI-P3比は113.8%という値が出た。
実際、HDRコンテンツを再生すると、有機ELディスプレーならではの鮮やかな映像を楽しめる。画質については文句なしだ。
マシンの速度を計測したら
同クラスマシンよりワンランク上のパフォーマンスだった
最後にパフォーマンスをチェックしよう。まずCPU性能については、「CINEBENCH R23」のCPU(Multi Core)は1915pts、「同R20」は740pts、「同R15」は331cbという値となった。
「インテルPentium Gold 6500Yプロセッサー」(2コア4スレッド、1.10~3.40GHz)を搭載する「Surface Go 3」がR23は1345pts、R20は546pts、R15は245cbだったので、「ASUS Vivobook 13 Slate OLED」はその約1.42倍、約1.36倍、約1.35倍のパフォーマンスを発揮したことになる。
3Dグラフィックス性能については、「3DMark」のFire Strikeは1028、Wild Lifeは2784を記録した。同じく「Surface Go 3」がFire Strikeは818、Wild Lifeは2256だったので、「ASUS Vivobook 13 Slate OLED」はその約1.27倍、約1.23倍のパフォーマンスを発揮したことになる。
ストレージ速度はシーケンシャルリード(SEQ1M Q8T1)で271MB/s、シーケンシャルライト(SEQ1M Q8T1)で174MB/sを記録した。可能なら、ストレージはeMMCより、SSDを選びたいところだ。
バッテリーベンチマークは、キーボードカバーを装着し、ディスプレー輝度40%の状態で「PCMark 10 Modern Office Battery Life」を実行したところ、10時間51分と長時間動作した。
なおキーボードカバーをはずすと、カタログスペックでバッテリー駆動時間が約2.6時間長くなるという。コンテンツ鑑賞などでキーボードカバーが不要なら、できるだけはずしておいたほうがいい。
映画やミュージックビデオを高品質で楽しみたい方に
「ASUS Vivobook 13 Slate OLED」縦置き可能なスタンドカバーとキーボードカバーにより、さまざまなスタイルで利用でき、またDolby Vision対応の有機ELディスプレー、Dolby Atmos対応のクアッドスピーカーを搭載している。そして、OLEDのディスプレーは非常に明るくて美しいPCだ。
ブラウジングやオフィスアプリなど比較的低負荷な用途にプラスして、映画やミュージックビデオをハイクオリティーに楽しみたいという方に魅力的な製品なのである。
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