ヤバイほどのフィット感がクセになる!
超低レイテンシーでノンストレスのワイヤレスマウス「Razer DeathAdder V2 X HyperSpeed」実機レビュー
「Razer Synapse」でボタンや動作をカスタマイズ
おススメは「感度クラッチ」
Razerのゲーミングマウスを選ぶ理由のひとつに、ユーティリティ「Razer Synapse」によるカスタマイズ性がある。ボタン機能の設定はもちろんのこと、DPI、スリープ時間、ゲームやアプリごとのプロファイル作成、マクロなど、設定できる内容は多岐に渡る。
中でも強力なのが、ボタンのカスタマイズだ。変更できるボタンの数は、スクロールホイールの上下も合わせ、合計9つある。
なお、左ボタンが左クリック固定でカスタマイズができないように見えるが、これは、最低1か所で左クリックが必要となるため。例えば右ボタンを左クリックに割り当てれば、左ボタンへ他の機能を割り当てることができる。
割り当てられる機能は、キーボードの機能、感度、マクロ、プログラムの起動など非常に多い。設定はプロファイルとして保存可能で、特定のソフト専用の設定を作ることも簡単だ。この機能はゲームだけでなく、オフィスソフトなど仕事用としても活躍してくれるだろう。
個人的なお気に入りを紹介すると、「感度クラッチ」という機能。これは、ボタンを押している間だけその感度設定(DPI設定)に変更される、というものだ。
精密な操作が必要な場合、感度を落としてポインターの動作を遅くしたくなるが、通常の感度変更だと元に戻す必要がある。大した手間ではないのだが、頻繁に感度を変更するのであれば、毎回元に戻すのがわずらわしい。
その点「感度クラッチ」なら、感度が変わるのはボタンを押している間だけ。離せば元に戻るので、一時的に変えたいというときに重宝するわけだ。
感度の話でいえば、「感度ステージ」という設定があるのも面白い。これは複数の感度を設定しておけるもので、ボタンで切り替えることで、好みの感度に即変更できる。
ちなみに、変更すると現在どの感度なのかというポップアップが右下に表示される。ポインターの動きから判断することなく、感度ステージのDPI設定を確認できるというのがうれしい。
もちろん感度ステージをオフにすれば、感度変更なしの固定も可能。普段は固定で使い、遅くしたい時だけ「感度クラッチ」を使う、というのもいいだろう。
話をボタン設置に戻そう。Razerの定番機能のひとつに、キー操作を拡張できる「Razer Hypershift」というものがある。これは、Razer Hypershiftに割り当てたボタンを押しながらだと、別の機能を割り当てられるというもので、キーボードのFnキーのようなもの、といえばわかりやすいだろうか。
Razer Hypershiftをうまく使えば、ボタンに割り当てられる機能が2倍近くに増えるため、より多くの機能を呼び出せるようになるわけだ。あまり使わない感度変更ボタンをRazer Hypershift側に移動したり、マクロやショートカットキーなどを設定したりと、設定の幅が広がる。
なお、Razer Hypershiftはボタンを押しながら操作するという前提があるため、押しやすいボタンにしておくこと。例えばホイールの押しボタンだと押したまま別の操作が難しくなるため、向いていない。
スペックはダウンしているが機能や使いやすさは同等
ワイヤレスゲーミングマウスで失敗したくない人に
確かにDeathAdder V2 Proと比べてみると、スイッチの変更、センサー性能の低下など、スペック面で微妙に見劣りするのは気になるところだ。
しかし、軽快なボタンの押下感や、なにより譲れない絶妙なフィット感、そしてボタンのカスタマイズ性という使いやすさに直結する部分は変わらない。
むしろ、ボタン配置の見直しにより、使いやすさが高まったといっても過言ではないだろう。もちろん、2種類のワイヤレス方式への対応も見逃せないポイントだ。
ゲーミングマウスなのにライティング機能がないというのは少々寂しくもあるが、マウス本来の機能・性能に影響はない。
PCの利用時間は、そのままマウスの操作時間といっても過言ではないほど、常時使うデバイス。それだけに、ゲームを遊ぶ人はもちろんのこと、一般用途でも操作性に優れたマウスは重要だ。
ワイヤレスゲーミングマウス選びで失敗したくない、というのなら、ぜひ試してほしい。きっとこのフィット感と操作性の高さが気に入るはずだ。
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