天気も良かったし、手元にはキヤノンの「EOS R3」があるし、ってことで久しぶりに外猫に会いにでかけたのである。この連載も最近はうちの黒猫と保護猫シェルター猫ばかりだったしね。猫を撮るぞってんで持っていったのが「RF24-70mm F2.8 L IS USM」の標準ズームと「RF70-200mm F4 L IS USM」という望遠ズーム。このクラスのボディーに似合うのはちょっといいレンズだ。
出かけたのは年に数回通っている都内某所や某所。今日は晴れてるので、猫が日向ぼっこに出てるといいなと路地に入ると、猫と戯れてるらしき人影が。このあたりで道ばたでしゃがんで何かしてる人がいたら、だいたい猫と戯れてるのである。それを見守ってるあやしげなおっちゃんもいて、話を聞くといろいろと教えてくれる。毎日誰が世話をしているとか、この辺の猫は誰が詳しいよとか、人なつこいのはどの猫だとか。
黒猫の親子がいて、親はなかなか出てきてくれないけど、あそこにいる子の方は人なつこいんだという。指差す方をみると赤い車の横に黒猫が。カメラのセッティングは電子シャッター+猫優先、じゃなくて動物優先AF。FVモードにして絞り開放、シャッタースピードはその場で柔軟に変えつつ、ISOオート。電子シャッターはシャッター音を消せるので猫を撮るのにもいいのだ。昔に比べて電子シャッターの性能が上がっているので気軽に使えるようになった。
目が合ったので指を差し出すと、とことこと近づいてきてくんくんと匂いを嗅いでくれる。指を差し出したときにどう反応するかはひとつの目安だ。匂いを嗅いでくれたら大丈夫。
ただし、このあといきなり指を嚙んだり、しゅっと爪が飛んできたりする猫もいるので要注意。よく一緒にいるという親猫は警戒心が強いという。でもなんか気配を感じて車の下を覗くと、いた。
で、そろそろ移動しようかなと思ってると、車の影からのそっとキジトラ登場。
そして日向に出ていきなり目の前にごろん、である。
続いて別の場所へ。猫に出会える確率が高い公園があるのだ。運がいいと猫の世話をしてるおばあさまと出会って世間話できたりもする。前回は若い頃の身の上話をされてちょっと面白かったんだけど、この日は誰もおらず、猫も平和に木の下で寛ぎ中。冒頭写真がそれ。目にピントを合わせ(って猫瞳検出機能が自動的に合わせてくれるんだけど)、後ろ足を前ボケにいれて撮ってみた。
ふと顔を上げると、奥の路地にチャトラが。顔を見ると耳がカットされてない(つまり去勢されてない)。このあたりの猫はたいてい去勢済みなので、この猫は捕獲できなかったか最近やってきたか。去勢するには捕獲する必要があり、警戒心が強くて捕獲できないと、また子猫を産んじゃうのである。うちにやってきた黒猫ミルもそんな猫なのだ。
さて、そっと近づいてしゃがんでファインダーを覗いて撮る。この写真だと尻尾が2本あるように見える。尻尾が二又に分かれているといえば「猫又」だ。かの徒然草にも「猫またというものがあって、人を食うなどという」なんて書いてあり、江戸時代になると年老いて尾が二つに分かれた猫で、人を化かすなんて話になる。
帰途、こちらへ歩いてくる猫に偶然出会う。まあわたしに寄ってきたわけじゃなくて、たまたま歩いてきたところに出くわしたのだが、こういうときこそEOS R3の本領発揮ってことで、歩いてくるところを連写。こっちへ歩いてくる猫の瞳にちゃんとピントを合わせ続けてくれるのがいいのだ。
ひさびさの猫散歩。このあたり、古い住宅地で全体に雑然としてて猫が生き延びる隙間がまだ残ってる感じなのがいい。出会う猫の多くが去勢済なので、いずれは減っていっていなくなるだろうけど、それまではちょくちょく会いに来ようと思うのである。
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筆者紹介─荻窪圭
老舗のデジタル系ライターだが、最近はMacとデジカメがメイン。ウェブ媒体やカメラ雑誌などに連載を持ちつつ、毎月何かしらの新型デジカメをレビューをしている。趣味はネコと自転車と古道散歩。単行本は『ともかくもっとカッコイイ写真が撮りたい!』(MdN。共著)、『デジカメ撮影の知恵 (宝島社新書) (宝島社新書)』(宝島社新書)、『デジタル一眼レフカメラが上手くなる本』(翔泳社。共著)、『東京古道散歩』(中経文庫)、『古地図とめぐる東京歴史探訪』(ソフトバンク新書)、『古地図でめぐる今昔 東京さんぽガイド 』(玄光社MOOK)。Twitterアカウント @ogikubokei。ブログは http://ogikubokei.blogspot.com/
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