ネット活用が若者の投票率を上げる
衆院選、18歳の半数以上が投票した!? Instagramには「#投票済証」タグも
投票したらプレゼントが欲しい!?
2021年10月31日に衆議院議員総選挙が実施され、投票率は戦後3番めに低い55.93%となった。投票率の低さは長年問題となっているが、では若者世代は投票に対してどのような関心を持っており、またどうすれば若者の投票率を上げられるのだろうか。日本財団による18歳意識調査第41回「国政選挙」(2021年9月)を見てみよう。
自分の選挙への関心や投票意欲が高まると思う施策について聞いたところ、「投票がスマートフォンやパソコンで行えるようになる」が64.1%で最多となった。続いて「投票に行くとプレゼント・記念品がもらえる」(50.2%)、「インターネットで政治や選挙に関する分かりやすい情報が増える」(49.5%)などとなった。
その他、「インターネット上の有名人・配信者・インフルエンサーが積極的に政治や選挙について発言する」(33.5%)、「政党や候補者がインターネットで議論を交わす」(30.6%)などの意見もあり、インターネット対応が若者の関心・投票意欲に直結していることがわかる。
投票の記念品といえば、投票済証だろう。自治体によっては、写真映えするものを配布しているところも。すべての自治体で配布しているわけではないが、Instagramで「#投票済証」は1000件以上投稿されており、準備することで投票率を上げる効果が期待できるかもしれない。
一方、政治・選挙に関する情報源は、テレビがネットニュースや新聞に2倍以上の差をつけて第1位となっており、若者はメディアを用途ごとに使い分けているようだ。
インターネット対応・活用が投票率アップのキモ
総務省の「第49回衆議院議員総選挙の18歳・19歳の投票状況(速報)」(2021年11月)によると、18歳が51.14%、19歳が35.04%、全体では43.01%となり、前回の2017年の衆院選投票率を上回っている。特に18歳においては半数以上が投票しており、じつは若者の選挙に対する意識はけして低くない。
若者はインターネットに親しんでおり、ネット上での情報を充実させることが選挙への関心・投票意欲向上に直結するだろう。また、投票済証などのSNSに投稿したくなるものを配布することでも効果が期待できそうだ。いずれはインターネット上で投票できるようにすれば、さらなる向上が期待できるのではないだろうか。
著者紹介:高橋暁子
ITジャーナリスト、成蹊大学客員教授。書籍、雑誌、Webメディアなどの記事の執筆、監修、講演などを 手がける。SNSや情報リテラシー教育に詳しい。『ソーシャルメディア中毒』(幻冬舎)、『Twitter広告運用ガイド』(翔泳社)、『できるゼロからはじめるLINE超入門』(インプレス)など著作多数。テレビ、ラジオ、新聞、雑誌などメディア出演も多い。公式サイトはhttp://akiakatsuki.com/、Twitterアカウントは@akiakatsuki
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