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4K/120Hz対応HDMIを3ポート備えたディスプレーや4K対応キャプチャーをアイ・オー・データ機器が発表!

2021年11月06日 09時00分更新

文● ジサトラハッチ 編集●ASCII

 アイ・オー・データ機器は11月5日、ゲーム関連の新製品発表会を秋葉原UDX内の「eXeField Akiba」にて実施。PlayStation 5(PS5)向けの4K対応キャプチャーユニット「GV-USB3/HDDS」と、HDMI入力で4K/120Hz対応のディスプレー「LCD-GCU32IHXAB」を発表した。

 本イベントでは、始めに同社の上席執行役員 事業本部 本部長 加藤光兼氏がゲーミグ市場のこれまでの取り組みを説明した。同社は、直近7年GigaCrysta(ギガクリスタ)ブランドにて主に液晶ディスプレーを中心に展開し、多くファンを獲得したという。しかしながら、今一度アイ・オー・データ機器だからできるユーザーに提供できる価値は何かと、考えてきたという。

上席執行役員 事業本部 本部長 加藤光兼氏

GigaCrysta製品の出荷台数

 加藤氏曰く、国内は今までコンソール(コンシューマーゲーム)機が中心だったが、eスポーツの盛り上がりにより、ゲーミングPCの需要が拡大。クロスプラットフォームが増えたことで、より幅広い層にゲーミングデバイスが提供できる環境が構築しつつあると感じているとのこと。

現在のゲーム環境

 また、eスポーツの関心は10代後半から30代前半が圧倒的に多い。この傾向により、従来のゲーミングデバイス購入層は40代だったが、今後ますますゲーミングデバイスのマーケットが拡大すると期待しているとのこと。

ゲーム人口とeスポーツを楽しむ人口

 それを踏まえ、ユーザーは今後どんどんコンシューマーゲーム機でも、PCでもゲームを遊ぶという人が増え、それに合わせて製品開発していく。日本のメーカーだからこそ、国内のユーザーが望むニーズとトレンドに即した製品を展開していきたいと語った。

4K記録対応のゲーミングキャプチャー

「GV-USB3/HDDS」は、PS5にて4K/60p、2K/120p HDRでパススルーでき、4K/30p、2K/120pで録画できるHDMIキャプチャーユニット。リリースは11月中旬、12月の中旬出荷予定で、想定売価は2万7700円(税別)。

 従来のキャプチャーユニットでは、PS5で4K/120fps&HDRで出力しても、2K/60fps&SDRと低解像度、低フレームレートの劣化した映像でしか録画できなかったという。一方でゲーム機で録画する場合は、ゲーム機に負荷が掛かるなどの問題がある。120fpsで録画可能な現行のハイエンドなキャプチャーユニットも市場にあるが、3~5万円台と高価だったという。

 しかし、本機はOS標準ドライバーで動作するためドライバー不要で簡単に4K/30p、2K/120pの高解像度、高フレームレートで録画でき、3万円以下のコスパを実現。HDR 10にも対応し、HDR映像の録画もできる。HDRやH.265に対応する録画ソフト「HD Mix Capture」と、有料配信ソフト「XSplit」(4K、120fps非対応)の2ヵ月クーポンも添付する。

HDMI 2.1×3を備える31.5インチディスプレー

「LCD-GCU32IHXAB」は、31.5インチ4K/144Hz対応のゲーミングディスプレー。12月上旬頃リリース予定、12月下旬出荷予定、想定売価は15万9500円(税別)。

実際にPS5の映像が4K/120Hz&HDRで表示できていた

 同社はこれまでGigaCrystaブランドの製品として、2017年に144Hzディスプレーをリリース、その後240Hz対応、34インチのウルトラワイドと、毎年ハイエンドな製品を発表してきたと紹介。

 現在はPS5や高解像度&高リフレッシュレートに対応するビデオカードの登場により、HDMIのみで4K/120Hzに対応する製品が求められているため、本製品を開発したとしている。

 本機の入力端子は、HDMI×3とDisplayPortを1ポート備える。HDMIは3ポートすべて2.1対応で4K/120Hzまで、DiosplayPortでは4K/144Hzまで対応する。

 また、応答速度はオーバードライブ機能を備え、GtoG 1msに対応。それに加え、内部遅延を最小限に抑える「スルーモード」も備える。さらに、DisplayHDR 400やNVIDIA G-SYNC Compatible認定を得ている。上下左右178度の広視野角で、3辺フレームレスのパネルを採用。DCI-P3カバー率90%、暗部の視認性を高める「Night Clear Vision」機能、USBハブも搭載。本体操作用のリモコンも同梱する。

 さらに、同社は今後eスポーツの最前線で使われるゲーミングディスプレーを商品化し、GigaCrystaブランドをeスポーツ界を牽引する存在にしたいとアピール。そして、24.5インチの1920×1080ドット&360Hz対応ゲーミングディスプレーを開発中であると発表した。

会場には360Hz対応のディスプレーが参考出展していたが、開発中のためデザインも変わることがあるとのこと

 それに加え、会場にはゲーミング用無線LANルーターも参考出展。本体が前後どちらにも取れる対称的なデザインで、LANケーブルは底面のスリットから伸びる形で、ポートやボタン類が外から見えないスタイリッシュな形状となっていた。

参考出展の無線LANルーターのモック

天面はマグネットで取り付けた蓋になっていて、その下にWPSボタンが隠されていた。廃棄は上部から行なうという

本体の下部にスリットがあり、スタンドを取り外してLANケーブルを取り付けて、このスリットからケーブルを伸ばす仕組み。このスリットは逆側にもある。電源を入れると、下部からLEDの光が漏れる仕様を考えているという

 イベントの最後には、株式会社 NTTe-Sports 代表取締役 副社長 影澤潤一氏、株式会社アイ・オー・データ機器 事業本部 販売促進部 副部長の西田谷 直弘氏、ラジオDJのやまだひさし氏が登壇。eスポーツへの取り組みに関するトークセッションが行われた。

株式会社アイ・オー・データ機器 事業本部 販売促進部 副部長 西田谷 直弘氏

株式会社 NTTe-Sports 代表取締役 副社長 影澤潤一氏

ラジオDJ やまだひさし氏

 アイ・オー・データ機器は2014年にGigaCrystaのディスプレーを東京ゲームショウにて初出展。当初は、エンターテイメントモニターとしていたが、その後、ファイナルファンタジーXIVの推奨認定をもらえることになったりしながらeスポーツ事業につながっていったとのこと。

 その後、2017年に実施したアイオーデータフェアにて、ゲーミングキャプチャー「GV-HDREC」を使い、ゲームの録画だけでなく、録画映像を「試合の記録用」として利用し、「対戦の考察」をしてみようとアピールしたところ好評を得たとのこと。

 西田谷氏は、ますますeスポーツが盛り上がっていくなか、ゲーム用というカテゴリーに留まらず、PCをはじめとした総合周辺機器メーカーとして広がりのある提案により、裾野を広げいきたいと語った。

 eスポーツをどう捉えいているか、という質問にやまだ氏は、当初はよく分からなかったが、競技としていろんなゲームで対戦し、挑んでいくものだと分かってからは、凄く楽しみな分野。最近はステイホームだったので、びっくりするほど色んな人達がゲームを始めているので、楽しみだなぁ~と語った。

 eXeField Akibaに参加する年齢層のメインは?という質問に影澤氏は、中学生、高校生の10代から我々のような40~50代の人まで幅が広い。最近はようやく出社し始めた30代が帰宅時に寄ってみたという人も増えて来ていると回答。

 さらに西田谷氏は、今後ユーザーのニーズを地続きとして捉え、商品を生み出していく。これまでもビデオテープのデジタル化のデバイスにHDMIの入力を付けて、ゲーミングキャプチャーにしつつ、昨今のテレワーク事情用に配信機能を付けてウェブ会議用のキャプチャーへと展開するなどの戦略を行なっている。

 そのため、ゲーミングディスプレーにしても普段使いも意識した製品を投入。ゲーミングキャプチャーにしても、質の高い映像配信や録画も実行でき、ワンランク上のオンラインコミュニケーションにつなげていくなど、個人のワークスタイルをより便利にしていくラインアップを用意したいと語った。

 同社は11月6日(土)19時より、発売したばかりの『コール オブ デューティ ヴァンガード』を4Kで体験する、松嶋初音さんがPS5へのSSD取り付けに挑戦という番組を配信。さらに、翌11月7日(日)には、16時から34インチのウルトラワイドディスプレー「LCD-GCWQ341XDB」で『ファイナルファンタジーXIV』を体験という番組を、第2部として19時から視聴者交えての『Apex Legends』のカスタムマッチを開催すると告知。

 さらに、各対象店舗にて11月5日から3日間、GigaCrystaシリーズがお得に買えるキャンペーンを実施しているとアピールした。

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