Intel VMDを有効にするとNVMe SSDの速度が5%アップ
Z690マザーでNVMe SSDが認識しない!? 「Intel VMD」で変わるOSインストールの手順
BIOSでIntel VMDが無効になっていれば問題なし
有効の場合はWindowsがNVMe SSDを認識しない
第12世代Coreプロセッサーとともに登場したLGA1700向けのチップセットIntel 600シリーズでは、「Intel VMD(インテル ボリューム・マネジメント・デバイス)」技術が新たに導入されている。
システムストレージのパフォーマンスを最大5%向上させるとともに、PCIe NVMeストレージの互換性問題を緩和するというユーザーにメリットのある新技術なのだが、この技術がちょっとくせ者になっている。
BIOSのデフォルト設定でIntel VMDが無効(Disabled)になっているならまったく問題なく、その存在に気がつくこともないのだが、一部の「Intel Z690チップセット」マザーボードでは、デフォルトで有効(Enabled)に設定されていることもある。
このIntel VMDが有効になっている状態では、Windowsが内蔵しているNVMeデバイスドライバーで、NVMe(PCIe) SSDが認識されなくなってしまうのだ。そのため、“Windows 10/11のインストール”実行時に、Intel VMDのドライバーを手動で導入する必要がある。
ドライバーはマザーボードの付属メディアにWindows 10/11インストール用のドライバーが含まれているので、光学ドライブを使って直接読み込むか、USBメモリーにコピーして導入する必要が必須になっている。
メーカーごとにデフォルト設定は異なるようなので、まずはBIOSでIntel VMDに関する項目を探して確認。有効の場合は無効にするか、有効のままドライバーを組み込んでWindowsをインストールしよう。
恐怖のブルーorブラックスクリーンの発生も!
もう1点、Intel VMDで把握しておきたい点がある。OSインストール時のストレージドライバーの組み込みと聞いて、ピンとくる人も多いだろうが、現状のWindows 10/11側ではIntel VMDの有効、無効の切り替えができない。そのため、Intel VMD無効の状態でインストールされたWindowsは、有効化した環境下で起動することができないのだ。
プラットフォーム変更時は、ほとんどの人がOSをクリーンインストールすると思うが、Intel 400や500シリーズを搭載したマザーボードで使っていたNVMe SSDを、Intel VMD有効化のIntel 600シリーズ搭載マザーボードに差して起動すると、OSを起動できず「BSOD」ことブルースクリーン(Windows 11ではブラック画面に変化)が発生することがある。逆も同じで、Intel VMDを有効化してインストールしたWindows 10/11は、無効の環境化では起動できない。
Windows側でIntel VMDの有効・無効を行なえるように、Windowsアップデートを準備しているようなので、デフォルトで有効になっている製品は、BIOSでIntel VMDを無効にしてOSをインストールするのが吉だろう。最新BIOSからIntel VMDをデフォルトで無効にするというメーカーもあるので、Windowsアップデートでの対応を待ってから、Intel VMDへの移行を検討するのが賢い選択だろう。
週刊アスキーの最新情報を購読しよう
本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります