週刊アスキー

  • Facebookアイコン
  • Xアイコン
  • RSSフィード

Intel VMDを有効にするとNVMe SSDの速度が5%アップ

Z690マザーでNVMe SSDが認識しない!? 「Intel VMD」で変わるOSインストールの手順

2021年11月04日 22時00分更新

BIOSでIntel VMDが無効になっていれば問題なし
有効の場合はWindowsがNVMe SSDを認識しない

 第12世代Coreプロセッサーとともに登場したLGA1700向けのチップセットIntel 600シリーズでは、「Intel VMD(インテル ボリューム・マネジメント・デバイス)」技術が新たに導入されている。

 システムストレージのパフォーマンスを最大5%向上させるとともに、PCIe NVMeストレージの互換性問題を緩和するというユーザーにメリットのある新技術なのだが、この技術がちょっとくせ者になっている。

 BIOSのデフォルト設定でIntel VMDが無効(Disabled)になっているならまったく問題なく、その存在に気がつくこともないのだが、一部の「Intel Z690チップセット」マザーボードでは、デフォルトで有効(Enabled)に設定されていることもある。

 このIntel VMDが有効になっている状態では、Windowsが内蔵しているNVMeデバイスドライバーで、NVMe(PCIe) SSDが認識されなくなってしまうのだ。そのため、“Windows 10/11のインストール”実行時に、Intel VMDのドライバーを手動で導入する必要がある。

 ドライバーはマザーボードの付属メディアにWindows 10/11インストール用のドライバーが含まれているので、光学ドライブを使って直接読み込むか、USBメモリーにコピーして導入する必要が必須になっている。

 メーカーごとにデフォルト設定は異なるようなので、まずはBIOSでIntel VMDに関する項目を探して確認。有効の場合は無効にするか、有効のままドライバーを組み込んでWindowsをインストールしよう。

OSインストール先のストレージが、なにも認識されないのは、かなり慌てる。実際慌てましたよ、悩みましたよもう……

Windows11のデバイス マネージャー。Intel VMD有効時(右)は、従来(左)の「標準NVMe Express コントローラー」ではなく、「Intel RST VMD Controller」と「Intel RST VMD Managed Controller」が組み込まれる

今回試したGIGABYTE「Z690 AORUS MASTER」のBIOS画面(F1)。Intel VMDに関する設定項目の「VMD setup menu」は「Settings」「IO Ports」にある

デフォルトで有効になっている。無効にするか、ドライバーを組み込むか判断しよう。なお、最新のBIOSからは、デフォルトは無効にするとのことだ

ASRock「Z690 PG Riptide」のBIOSバージョン「3.01」の画面。「Advanced」「Storage Configuration」の「VMD Configuration」から変更でき、デフォルトで無効になっている

恐怖のブルーorブラックスクリーンの発生も!

 もう1点、Intel VMDで把握しておきたい点がある。OSインストール時のストレージドライバーの組み込みと聞いて、ピンとくる人も多いだろうが、現状のWindows 10/11側ではIntel VMDの有効、無効の切り替えができない。そのため、Intel VMD無効の状態でインストールされたWindowsは、有効化した環境下で起動することができないのだ。

 プラットフォーム変更時は、ほとんどの人がOSをクリーンインストールすると思うが、Intel 400や500シリーズを搭載したマザーボードで使っていたNVMe SSDを、Intel VMD有効化のIntel 600シリーズ搭載マザーボードに差して起動すると、OSを起動できず「BSOD」ことブルースクリーン(Windows 11ではブラック画面に変化)が発生することがある。逆も同じで、Intel VMDを有効化してインストールしたWindows 10/11は、無効の環境化では起動できない。

 Windows側でIntel VMDの有効・無効を行なえるように、Windowsアップデートを準備しているようなので、デフォルトで有効になっている製品は、BIOSでIntel VMDを無効にしてOSをインストールするのが吉だろう。最新BIOSからIntel VMDをデフォルトで無効にするというメーカーもあるので、Windowsアップデートでの対応を待ってから、Intel VMDへの移行を検討するのが賢い選択だろう。

Intel VMDを有効化した環境で、無効状態で導入したOSを起動しようとすると、見たくないBSODが……

自動再起動は、これまた見たくない復旧画面に。当然、スタートアップ修復を実行しても修復できず

Intel VMDをOS導入時と同じ無効に変更することで、再びOSは起動するようになるが、OS破損の可能性はゼロではない

この記事をシェアしよう

週刊アスキーの最新情報を購読しよう

本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります