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「人のつながり」を維持したのはマッチングアプリとSNS

キャンパスもサークルも禁止された学生たちがコロナ禍で「出会った」方法とは?

2021年11月02日 09時00分更新

コロナ禍でいかに出会うか?

 緊急事態宣言がようやく全面解除されたが、今年は人との交流において制限の多い年となっている。コロナ禍で、我々の人との交流はどうなったのだろうか。ソニー損保「安心ってなんだ?研究所」の「つながりと安心」に関する調査(2021年9月)を見てみよう。

 大切なつながりと感じるSNSには、世代によって違いがあった。団塊世代からバブル世代は「実名を出している」という理由でFacebookが最多に。一方、ミレニアル世代・Z世代は「同じ趣味でつながれる」という理由でTwitterの支持が高かった。特にZ世代では38.3%と約4割もの支持を得ている。

 コロナ前後を比較したコミュニケーションツールの利用頻度について、団塊世代では、46.6%が「LINE・メール」を利用する頻度が増えたと回答。つまり約半数が、コロナ前と比べてデジタルツールを使ってのコミュニケーションを増やしていた。

 またZ世代はテレビ電話・電話・SNS・LINEなどすべてのツールの利用頻度が増加しており、コロナ禍において積極的にコミュニケーションを取っていたことがわかった。

 直接会いづらい時期が続き、ネットコミュニケーションが増えたことは記憶に新しい。LINEでビデオ通話、Zoom飲み会などを実施して、家族や友人と交流したという人は多いだろう。

 コロナ禍を経て「よかった」と感じるコミュニケーションの変化について、ミレニアル世代・Z世代では約3割が「オンラインコンサート・ライブで気軽にエンタメを楽しめるようになった」と回答。Z世代の26%が実際にオンラインコンサートに参加している。またロスジェネ世代では、26.7%が「習い事や勉強がオンラインで気軽にできるようになった」と回答している。

ソニー損保「安心ってなんだ?研究所」プロジェクトのニュースリリースより

出会いはデジタルで

 Z世代では、35.0%がコロナ禍で“新しい”人とのつながりがあったと回答している。また「マッチングアプリ」を活用しての出会いについて、ロスジェネ世代より若い世代は、約半数が「ありだと思う」と回答。コロナ禍が追い風となり、広い年代でマッチングアプリが許容されるようになったというわけだ。

 同時に、SNSを活用して新しい“人とのつながり”を持った経験について、Z世代は46.7%が「ある」と回答している。

 大学生もほとんどキャンパスに行くことができないため、同じ大学での出会いがなかったという。サークル活動が制限・禁止され、講義もオンラインだったこともあり、学内に友だちができなかったという学生もいる。SNSを利用しないと学内の友人もできず、マッチングアプリを使わないと恋愛につながる出会いがなかったという声がある。

 人と出会いたいとか、つながりたいというのは、人の根源的欲求の1つだ。たとえコロナ禍でも、我々はデジタルツールやネットツールを使って新しく出会ったり、つながることができる。リアルに会えるようになっても、便利に使えるこのようなツールや手段は定着していくのかもしれない。

著者紹介:高橋暁子
 ITジャーナリスト、成蹊大学客員教授。書籍、雑誌、Webメディアなどの記事の執筆、監修、講演などを 手がける。SNSや情報リテラシー教育に詳しい。『ソーシャルメディア中毒』(幻冬舎)、『Twitter広告運用ガイド』(翔泳社)、『できるゼロからはじめるLINE超入門』(インプレス)など著作多数。テレビ、ラジオ、新聞、雑誌などメディア出演も多い。公式サイトはhttp://akiakatsuki.com/、Twitterアカウントは@akiakatsuki

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