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効果の高い個人最適化機能も搭載

ソニーの新ネックスピーカー「SRS-NS7」を体験、ブラビアXRと接続し3Dサラウンドが楽しめる

2021年10月21日 10時30分更新

部屋全体に音が満たされるような感覚、個人最適化も効果大

 実機でドルビーアトモスの音響を試すことができたが、期待を大きく上回る再現に驚かされた。ドルビーが用意しているデモ映像のうちヘリコプターの音は、単に耳元より外側に音が広がるだけでなく部屋全体で音が鳴っているような感覚が得られる。ネックスピーカーということで通常であれば音自体は耳のやや後方から聞こえる(標準状態での通話では背後に人の声が定位するように聞こえる場合もある)が、部屋の左上、右上から音が降り注いでくるように聴こえ、スピーカーを使った一般的なサラウンドシステムを使っていると錯覚するような広さと音の移動感が感じられた。

 また、LEAFのデモでは、森林のざわめき、空からの雨、葉っぱが自分を中心に回る音の動きが非常によく分かる。低域はサブウーファーほど重たくはないが、パッシブラジエーターの振動だけとはいえ振動の迫力もあるので、アクション映画などでは良さそうだ。この振動がちょっと気になるという場合は、テレビの設定で低域を少し抑えるといいとのこと。

 映画『グレイテストショーマン』のクライマックスとなる歌唱シーンでは、2ch再生と3Dサラウンドのそれぞれに持ち味があると思った。2ch再生ではボーカルの部分がはっきり認識でき、歌詞の内容がよく分かる。一方、3Dサウンドでは映像内のシーンに立ち合っているような没入感がある半面、空間の広がりと引き換えに音楽自体の密度感が分散してしまう印象もあった。ソニーの説明では、3Dサラウンド対応は大きな特徴だが、ステレオ再生でもクオリティの高い再生ができるよう配慮した設計にしているそうだ。

 YouTubeなどで配信されている。2chの音楽ソースとしてTHE FIRST TAKEで公開されているYOASOBIの楽曲や森山直太朗のライブ音源なども試聴した。こちらではアップミックスの効果を知ることができた。こちらもグレイテストショーマンを観た感想と近く、アップミックスではライブ感や空間に立ち会っている感覚が感じられ、ステレオ再生では直接音を近い位置で聴くように音の細かい部分までしっかり確認することができた。

肩の部分(耳の下側)にスピーカーが置かれるので、標準状態では独特の定位感。3Dサラウンドにすると不思議なことに前方や情報から音が鳴っている感覚になる。

 ブラビアXRと組み合わせるだけでなく、ウォークマンなどと組み合わせた音楽再生でも開放感が高く、情報量の豊富な満足度の高い再生が得られる。映画以外の用途にも積極的に活用したい。

 最後に個人最適化について。人間の耳は複雑な形状をしており、耳たぶなどでの反射によって音の特性が変わる。写真を元にこれを推定し、個人の聴感特性に合った補正を加えるものだ。ソニー製のヘッドホンでは一部の機種ですでに利用できるが、ネックスピーカーではその効果の度合いが大きいと思った。耳と比較的近い位置にあり直接音を中心に聴きつつもヘッドホンよりは離れているため、空間再現の変化を感じ取りやすい。

 個人最適化の効果をひとことで言うと、クリアで音の抜けが非常に良くなる。写真撮影してアップロードするだけの手軽さでここまで音が変わるのかと正直驚かされた。3Dサラウンドや個人最適化などSRS-NS7の機能を最大限に発揮させるには、ブラビアXRとの組み合わせが必須になるが、この効果はいまテレビを買えない人にとっても何らかの方法で提供してもらえないかと心の底から思えるほどだ。

 逆に年末にブラビアXRの購入を検討している人は、量販店のポイントバックなどで買えるSRS-NS7は魅力的な選択肢になるかもしれない。

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