年初のCES2021で「Project Hazel」として公開され、コミュニティーを形成し、ベータテストを繰り返していた、電動マスク「Razer Zephyr」が、10月21日に米国で開幕したRazer Con 2021にて、正式に発売となった。
製品としては「Wearable Air Purifier」つまり、身に着ける空気清浄機で、フィルターと電動ファンによって浄化した空気を呼吸する装置である。
透明のシールドと、シリコンを使ったフェイス・シール、電動ファンと高機能フィルターで構成される製品で、Razerらしく、イルミネーションも鮮やかだ。
ボディは透明プラスティックとシリコン
電動ファンで強制吸排気する
Zephyr(ゼファー)の本体は、硬質の透明なプラスティックで、内側の顔に当たる部分には柔らかく、変形可能なシリコンのパッドが付く。ボディの後部にはループになった伸縮ゴムバンドと、こちらもシリコンのパッドがあり、頭部の後ろで固定するカタチだ。
空気は「N95フィルター」を通して、電動ファンが吸引して、マスク内に取り入れる。フィルターの性能は「99%BFE」で、BFE(Bacterial Filtration Efficiency)=バクテリアろ過効率の略で、3μの細菌を含む粒子の除去率だ。それが99%通り抜けないということになる。
排気は口元の下部からで、ここにもN95フィルターが入っていて、自分からも外部にバクテリアや細菌を出さない仕組みだ。フィルターは3日間使用できる性能で、別売で30日分(10セット)が約30ドル(約3300円)だから、1日当たり110円となる。
ファンはもちろんOFFにできるが、回転数は4200RPMと6200RPMの切り替え式で、本体にあるスイッチや、スマホアプリで変更できる。イルミネーションはおなじみRazer Chromaによるもので、左右のファンの周りと、内側に設置されている。
もちろん、スマホアプリで色と変化の仕方は変更可能で、好きな色で点灯したままにするとか、徐々に色が変わる等にするなど設定ができる。
フィルター装着はマグネット式
満充電で8時間駆動
使い方としては、まず、ファン2カ所と口の下の部分の給排気口のカバーを外す。マグネット式なので、外すだけだ。そこにN95フィルターをハメて、カバーをパチンとつければOK。
充電は、本体下部にあるタイプCのコネクターからで、ACアダプターは付属しないが、タイプA-Cのケーブルは付属するので、それを繋げばいい。充電を始めると、内側のLEDが赤く点灯し、それが緑になったら満充電である。マニュアルでは最高で3時間で充電が終わるとある。
向かって左のファンの下部に唯一のスイッチがあり、2秒間押すと起動し、ファンが回転する。電源OFFも長押しで、クリックではファンの回転数が切り替わる。バッテリー駆動時間は最高8時間となっており、ファンの回転数で変わるようだ。
スマホ(AndroidまたはiPhone)の専用アプリがあるので、インストールし、Bluetoothでコネクトすると、スマホからもコントロールできるようになる。バッテリー残量も%で表示されるし、前述のようにライティングを自分好みにできるので、共用したいアプリである。
短時間だが、実機を試用した。まず装着感がいい。シリコンパッドが適度に柔らかく、顔面にやさしくフィットしてくれる。重量は実測204グラムで、おじさんの場合は顔がデカいので、本体の左右部分がほっぺたに当たるが、平面なのであまり気にはならなかった。
ファンが強制的に吸気してくれるので息苦しさはなく、吸気・排気ともに抵抗なくできるのはさすがだ。逆に、ファンを止めると抵抗感があるので、きちんと気密に作られているのが良くわかる。
正面がクリアになっているのは、欧米での「マウス・コミュニケーション」のためと思われる(感情表現とかですね)。声はちょっとくぐもるが、大声を出す必要はない。
おじさんとしては、マイクとスピーカーを内蔵して拡声してくれるとか、ダースベーダーの声になるとか、Razer的(?)な遊び心も欲しかったところだ。
☆
価格は、本体とフィルター3セット(9日ぶん)で99.99ドル(約1万1000円)、フィルターパック(10セット30日ぶん)で29.99ドル(約3300円)、本体とフィルターパック3個を組み合わせたスターターパック(99日ぶん)は149.99ドル(約1万6500円)で、10月21日より米国Razer.comにて発売となった。
外箱にも、マニュアルにも日本語の説明があるので、きっと日本でも発売になるに違いない。期待大なのだ。
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