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ハイエンドになった「Pixel 6」、AIだけでない「Tensor」の性能が気になる

2021年10月21日 09時00分更新

 AI関連処理の性能を向上させた独自のチップセット「Tensor」を搭載した、グーグルの新しいスマートフォン「Pixel 6」「Pixel 6 Pro」がついに正式発表されました。最初にグーグルから情報公開がなされたのが2021年8月で、それ以降も製品発表前からアピールを積極化するなど、異例のプロモーションで注目されていたPixel 6シリーズですが、それだけ情報が多く出ていただけに、ハードやスペックなどはおおむね予想通りだったといえます。

Tensorで何をするかの答えは
「カメラ」と「音声」だった!

 ですがPixel 6シリーズで最も注目されたのはそうしたハード面よりも、AI処理に強いTensorを使って何を実現するのか? という点でした。今回の発表内容を見ますと、そのAIを活用したポイントとしてアピールされていたのは、大きく分けて「カメラ」と「音声」だったといえます。

 カメラに関連する機能では、通行人を消す「消しゴムマジック」や、背景をぼかしながらも被写体はしっかりとらえて、動きのあるシーンを美しく表現できる「モーションモード」、肌を適切な色彩で美しく表現する「リアルトーン」などが挙げられていました。ですがこれらは機能として見た場合、必ずしも目新しい訳ではなく、以前の夜景モードなどと比べるとややインパクトに欠けた印象を受けたというのが正直なところです。

 一方、音声に関する機能では、レコーダーアプリの文字変換に日本語が対応したことや、日本語にも対応したリアルタイム翻訳など、従来英語などでしか利用できなかった機能が日本語で使えるようになったことが関心を呼んでいます。とりわけ文字起こしや海外取材が多いライター勢にとって、音声関連機能の日本語対応は切望されていたものでもあり、一連の対応は非常にうれしいポイントと言えます。

 ただ、筆者の経験では同じグーグルの「音声文字変換&音検知通知」を使った場合、話す人が近くにいるなど環境を選ばないとうまく音声をテキスト化してくれなかった経験があります。そのことを考えると、Tensorの力で環境を選ばず文字起こしをしてくれるのか? という点はまだ未知数ですし、どこまで実用的かは実機での評価が必要でしょう。

 また今回の発表ではTensorのチップセットとしての性能について、前機種の「Pixel 5」に比べCPUのパフォーマンスが80%、GPUのパフォーマンスが370%向上したとされていますが、Pixel 5に搭載されていたのはあくまでミドルハイクラスの「Snapdragon 765G」。ハイエンド向けチップセットと比較してどうなのか? という点はまだ見えていません。

 とりわけスマートフォンゲームを楽しく快適にプレイしたい筆者としては、チップセット自体のパフォーマンスが非常に気になる所なだけに、音声関連の機能も含め、やはり実機で実際に評価してみたいですね。

筆者紹介───佐野正弘

 福島県出身、東北工業大学卒。エンジニアとしてデジタルコンテンツの開発を手がけた後、携帯電話・モバイル専門のライターに転身。現在では行政からカルチャーに至るまで、携帯電話に関連した幅広い分野の執筆を、IT・経済系メディアを中心に年400本以上手がけている。

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