140Wのアダプターに新たなUSB-C-MagSafe 3ケーブルという充電方法が気になる
2021年版の新型MacBook Proが発表された。M1 ProとM1 Maxという統合グラフィックスのアップルシリコンを搭載したパワフルな製品だという。大容量のバッテリーを内蔵し、MagSafe 3として復活したマグネットで吸着する専用電源端子での高速充電もサポートした。
ただ、びっくりしたのはそこではない。なんと、140WのUSB-C電源アダプターが提供され、USB-C-MagSafe 3ケーブルを使っての高速充電だという。
普通に考えると、5月に発表されたUSB PD EPRに対応する最初のアダプターだが、そのことに関して製品ページにはいっさいの言及がない。両端Type-Cのケーブルを使ってThunderbolt 4ポートでの電源供給はできる。仕様を守る限りは100Wが上限だ。
だが、MagSafe 3ポートでの充電は、専用のケーブルを使う。その間のプロトコルがなんなのかがわからない。
USB PD EPR(USB PD Extended Power Range)は、USB-IFによるケーブルとコネクターの規格で、両端がType-Cのケーブルを使わなければならない。それがUSB-IFによって策定された仕様だ。Appleも同IFのメンバーだ。それによって、これまで100Wまでの給電だったUSB PDで、48V/5A、つまり240Wまでの給電を可能とする。ケーブルもeMarkerに対応を書き込んだ専用のものが必要となる。専用ケーブルは50Vの電圧に耐えられるものでなければならない。これまでのケーブルの最大電圧は20Vまでに制限されていた。Thunderbolt 4ケーブルは100Wまでしか対応しない。それも仕様だ。
はたして、新しいUSB-C-MagSafe 3ケーブルは、どのようなプロトコルで新しいMacBook Proに電源を供給するのだろう。「USB-C-MagSafe 3ケーブルはケーブルのように見えるが、ケーブルではなく周辺機器であり、USB Type-CのAltモードを使って、新型MacBook Proだけにより高い電力を提供するためのケーブル形状のアダプターだ」的なことになるのだろうか。ふたをあけたらまっとうな製品だったということを祈りたい。
魔法の使い方が間違っている。
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