ファーウェイ・ジャパンは7日、「完全ワイヤレスイヤホンを活用したリモート時代の効率的な働き方」をテーマにしたメディア向けイベントを開催しました。ゲストとして登壇したのは“プレゼンの神”と呼ばれる澤 円さん。昨年来の新型コロナウィルスの流行によって、我々の働き方に大きな変更を強いられました。澤さんは、それを「インターネット登場以来の衝撃」と言い表します。また、新しい働き方には「耳」が重要で、ワイヤレスイヤホンが大きな役割をはたすとも語っていました。
コロナが収束しても元の働き方に戻す必要はない
澤さんは、コロナが我々に与えた影響として「健康」や「恐怖心」のほかに「移動できないこと」を挙げます。移動すること自体が感染リスクになるので、実際、通勤せずに在宅勤務にして、会議や打ち合わせをオンラインで行なうようになった人は多いでしょう。
「今までは移動が前提でいろいろなものがデザインされていましたが、移動できない前提でデザインしなければならなくなりました。それは20数年前なら大きなダメージでしたが、今の我々には道があります。データと通信です。それによって、我々はビジネスを続けられました」(澤氏)
2020年はリモートワーク元年と言われます。会社に行かずに、自宅で仕事をして、多くの人が気づいたことがあると言います。
「在宅勤務ではデータを見ながら仕事をします。今までもデータを見てはいましたが、そこには常に人が介在していました。人の説明を見聞きしたり、人が配るプリントを見たり……。そこから人が抜けて、データが剥き出しになったのがリモートワークです」(澤氏)
ワクチン接種率が高くなり、感染者数もここ最近は減少傾向にあり、東京都などに発出されていた緊急事態宣言も解除されました。しかし、澤さんは「元の働き方に戻すべきではない」と言います。
「僕は『日本人は』という大きな主語は使いたくないのですが、日本は、元通りにするほうが得意、という傾向があります。それが力を発揮したのが3.11からの復興で、みんなが一丸となって元に戻しました。COVID-19についても、元通りにしようという圧力がどこかしらにあるように感じています。さらに、そこには同調圧力もあります。ビジネスパーソンと話をしていて、よく聞くのが『怒られないようにする』ということ。『怒られる』って、子どもっぽい表現に聞こえますが、ビジネスの場面でものすごく耳にします。『お客さんに怒られるから』『マネージャーに怒られるから』『株主に怒られるから』など。なので、『怒られないように元に戻す』という選択肢になりがちです。だけど、僕は、もうそういう時代ではないと思っています。世界にリセットがかかったと」(澤氏)
世界にリセットがかかったのは
インターネットの登場以来
澤さんいわく、世界にリセットがかかったのは25年ぶり。25年前の1995年に何があったかと言うと、1月に阪神・淡路大震災が発生し、3月に地下鉄サリン事件が起きた年ですが、日本でインターネット利用者が増えて「インターネット元年」とも呼ばれました。
「インターネットが登場した前後はまったく別世界です。COVID-19をそれと同じだと定義した人はまだいないと思いますが、僕はCOVID-19はインターネット登場以来の衝撃と捉えています」(澤氏)
インターネットの普及によって、我々のコミュニケーションは大きく変わりました。インターネットがない時代には対面で話すほかには、手紙、電話、ファックスを用いましたが、今はメール、チャット、SNSなどがメインです。コロナ以前は、会社に行って仕事をするのが当たり前でしたが、それが当たり前とは思わない日が来るかもしれません。
「25年前のコンピュータ雑誌で、FAXとメールではどちらが多くの情報を伝えられるのかを大真面目で比較する記事がありました。今ではバズる記事のネタですよね(笑)。なので、コロナ前後の働き方を比べることも、数年後には笑い話になるかもしれません。出勤しなくても仕事ができることに気づいてしまったわけですから、新しい働き方にアップデートしていかなければなりません」(澤氏)
澤さんは、デジタルの世界で生きていくのに何よりも大切なのは「マインドセット(考え方、物事の見方)のアップデート」だと言います。具体的には、どうすればいいのか?
「やめることを決めてください。新しい働き方によって、しなくてもよくなったことがあるはずですから、それをやめていきましょう。物も情報も方法論も、いろいろなものが過剰なんです。だから、それを減らすことが重要です。無駄なものを削ってシンプルにして、自分の時間に使っていこう。それが世界の潮流です」(澤氏)
やめることを見極める方法として、澤さんは「とりあえず」というキーワードを挙げました。
「とりあえずなら、やめる癖をつけましょう。『呼ばれたから、とりあえず行こう』『とりあえず会議には入れておこう』『とりあえずCCに入れて送っておこう』などは全部やめましょう。『何はさておき』『何はともあれ』ということだけをしてください。そうすれば、いいことが起きます。自分の時間が増えるんです。人生は1回しかなく、1日は24時間と決まっているので、時間は増えません。減り続けています。と考えると、可処分時間を増やすことはものすごく重要です」(澤さん)
耳だけでできる仕事には、ワイヤレスイヤホンが重宝
コロナが収束したとしても、リモートワークを続けることを提案する澤さん。そのリモートワークを効率的にするために重要なのが「ながらでやる」ことで「その時に一番使えるのが耳」と言います。
「オンラインのコンテンツには、目と耳の両方を使うものもありますが、耳だけで済む場合は、ほかのこともできます。たとえば、聞くだけで仕事になる会議なら、聴きながら家事をしたり、子どもをあやしたりすることもできます。録音して、あとで聞くこともできます」(澤さん)
リモートワークで多くの人が利用することになったのが、オンラインミーティングなどに使うイヤホン。自他ともに認めるガジェッターでもある澤さんが、ファーウェイの最新機種「HUAWEI FreeBuds 4」を実際に使って感想も話していました。
「まず、デザインがいいです。丸いものって、人間を楽しくさせるのですが、ケースが丸くて、イヤホンも丸くて、装着感も良かった。ノイズキャンセリング機能の性能が高くて、聞くにもいいが、マイクの性能がいいので、話すときにもいい。オンラインミーティングで使った際に、相手に聞くと『ものすごくよく聞こえる』と。僕は髪が長いので、イヤホンが髪で隠れるのですが、相手には『外付けのマイクで話しているかと思った』とまで言われました」(澤さん)
時間や場所に縛られず、これからは「軽やかに働くべきだ」という澤さん。
「軽やかにいろいろなところで仕事をして、結果だけを持って来る。それをもっと定着させていかなければなりません。困ったら、人に頼ればいい。デジタルの時代なので、すぐに誰かと繋がれる環境は整っています。それを使い倒せばいいのです」(澤さん)
最後に、澤さんが「もうひとつ大事なこと」と言っていたのが雑談。
「雑談はめちゃくちゃ大事です。オンラインでも『今ちょっといい?』と誘って、どんどん話しましょう。仕事の効率化によって増えた自分の時間で、社外の人と話してもいい。僕は『外の物差し』と言っていますが、違う考え方、違う単位を知ることは非常に大切です」(澤さん)
ファーウェイ主催のイベントでしたが、澤さんのお話は、ファーウェイのデバイスを使うかどうかは関係なく、多くの人に役立つ内容でした。なお会場には、HUAWEI FreeBuds 4などファーウェイのワイヤレスイヤホンが展示され、実際に音質を試すこともできました。
週刊アスキーの最新情報を購読しよう