サーバやデスクトップPC分野を席巻しているAMDだが、ノートPCの分野にも強い存在感を示しつつある。単にモバイル向けのRyzen 5000シリーズ、およびRadeon RX 6000Mシリーズを提供しただけではなく、最新AMD製CPU/GPUを組み合わせたノートPCはどうあるべきか、というフレームワーク「AMD ADVANTAGE」も定義し、本格的にライバルの牙城を切り崩しにかかる姿勢を見せている。
AMD ADVANTAGEについて簡単に解説しておくと、AMD製のCPUとGPUを搭載しているだけではなく、高品質な液晶(高リフレッシュレートやFreeSync Premium対応IPSパネルなど)、ストレージはNVMe SSDを使った読み書きレスポンスの追求、さらに動作中の体感温度(WASDキー周辺の表面温度)など多岐にわたる条件が設定されている。これらを満たしていればAMD ADVANTAGEとなるので、当然AMD ADVANTAGE準拠のノートPCは高品質ノートの証と言える。
今回はASUSによるAMD ADVANTAGE準拠の15インチゲーミングノート「ROG Strix G15 Advantage Edition G513QY(以降Strix G15と略)」に触れる機会に恵まれた。外観などの雰囲気はジサトラハッチ氏によるレビューも参照して頂くとして、今回は性能について筆者なりの観点からレビューしてみたい。AMDづくしのハイエンドノートPCはどこまで使えるのだろうか?
「ROG Strix G15 Advantage Edition」の主なスペック | |
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ディスプレー | 15.6インチ(2560×1440ドット、165Hz、FreeSync Premium) |
CPU | AMD「Ryzen 9 5900HX」(8コア/16スレッド、3.3~4.6GHz) |
GPU | AMD「Radeon RX 6800M」(12GB) |
メモリー | 16GB(DDR4-3200) |
ストレージ | 1TB SSD(PCI Express 3.0x4) |
通信機能 | IEEE802.11a/b/g/n/ac/ax、Bluetooth 5.1 |
インターフェース | HDMI出力、USB 3.2 Gen2 Type-C、USB 3.2 Gen1 Type-A×3、ギガビットLANほか |
公称駆動時間 | 約11.8時間 |
サイズ/重量 | 354.9(W)×259.9(D)×27.2(H)mm/約2.4kg |
OS | Microsoft「Windows 10 Home」(64ビット) |
AMDづくしなハードウェア構成をじっくり観察
Strix G15の最大の目玉は、冒頭で述べた通りCPUもGPUもAMDの現行かつ最新、さらにフラッグシップのものが採用されているという点だ。CPUはモバイル向けRyzenではフラッグシップにあたる「Ryzen 9 5900X」を採用。デスクトップ向けのRyzen 9 5900Xよりも若干コア数が少ない8コアだが、内部設計的には最後発のRyzen 5000Gシリーズ(いわゆる“Cezanne”世代)の流れをくんだCPUだ。
そしてGPUはモバイル向けRadeonとしてはフラッグシップとなる「Radeon RX 6800M」を採用。CU数やVRAM構成を考えるとデスクトップ向けのRadeon RX 6700 XTと同じ規模のものをモバイル向けにしたもの、といえる。DXR(DirectX Raytracing)やVRS(Variable Rate Shading)といったDirectX 12 Ultimateの要素を全て網羅している。
加えてディスプレーは解像度WQHD(2560×1440)、リフレッシュレート165HzのFreeSync Premium対応液晶を搭載。ゲーム画面をよりビビッドに、より滑らかに表示させるために必要な要素を全て備えたと言ってよいだろう(AMD ADVANTAGE準拠ノートPCに共通している要素ではあるが……)。
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