週刊アスキー

  • Facebookアイコン
  • Xアイコン
  • RSSフィード

防水にも対応した「Galaxy Z Fold3 5G」は安心して使える折りたたみスマホに!

2021年10月07日 12時00分更新

ディスプレー内蔵型フロントカメラの実力は?

 カメラに関しては、背面のメインカメラはいずれも1200万画素の広角・超広角・望遠の3眼構成。Galaxy Z Fold2 5Gと比べ大きく変化している訳ではない。

メインカメラは前機種同様、広角・超広角・望遠の3眼構成で、いずれも1200万画素となる

超広角カメラで撮影した写真

同じ場所から広角カメラで撮影した写真

 それゆえ性能面は全般的にGalaxy S21シリーズに譲るのだが、撮影した写真はGalaxyらしい鮮やかな色合いで、コントラストの高い有機ELディスプレーでの表示と合わせると逆光下でもかなりくっきり映し出せている

強い逆光下で広角カメラで撮影した写真。パソコンなどで表示すると光の影響が強くぼやけてしまうが、本体のディスプレー上で見るとそこまで違和感はない

上記と同じ場所から望遠カメラで撮影した写真。望遠は光学2倍ズーム相当となる

 しかしながら短時間の動画を撮影してベストショットを切り出す「シングルテイク」や、マイク向きをコントロールできる「プロ動画」、メインカメラとフロントカメラの映像を同時に映し出す「ディレクターズビュー」など、最近のGalaxyシリーズでおなじみの機能はしっかり搭載されているようだ。

最近のGalaxyシリーズの特徴的機能「シングルテイク」もしっかり搭載されている

 また撮影中にディスプレーを折り曲げることで、ディスプレーの上側で映像を確認しながら、下側で撮影したり、画像を確認できたりするなど、Galaxy Z Foldシリーズならではの特性を生かした機能は今回もしっかり用意されている。特に本体を置いたままフロントカメラでの撮影ができることから、セルフィーの撮影には有効活用できるだろう。

 そのフロントカメラは、ディスプレーを開いた状態と閉じた状態のディスプレーそれぞれに用意されており、前者は約1000万画素、後者は約400万画素となる。開いた状態の方が画素数が低いのは、先にも触れた通りディスプレー内蔵型という特殊性ゆえだろう。

閉じた状態のフロントカメラは1000万画素。画質を求めるならこちらで撮影した方がよい

 実際開いた状態のフロントカメラ部分は、通常ディスプレーの一部として表示がなされており、撮影する時だけフロントカメラが現れる仕組みとなっている。ディスプレー内蔵型のカメラにすることで、従来機種にあったノッチがなくなり大画面をより生かせるようになったのはメリットなのだが、気になるのはフロントカメラ部分の表示と、撮影時の画質だ。

開いた状態のフロントカメラは400万画素。ディスプレー内蔵型で、撮影時にカメラが現れる仕組みだ

 というのも国内で販売されたスマートフォンの中にも、楽天モバイルの「Rakuten BIG」が同様にディスプレー内蔵型カメラを採用していたのだが、同機種はフロントカメラ部分の画素が荒くなるのに加え、フロントカメラで撮影した写真もややぼやけてしまうなど、必ずしも評価が高いとは言えなかった。

通常時のフロントカメラの表示はこのような感じ。Rakuten BIGと比べれば画素は細かく、実際に使っていてもじっくり見ない限り気にはならない印象だ

 ではGalaxy Z Fold3 5Gはどうかというと、フロントカメラ部分の表示画素はやはり荒くなるものの、Rakuten BIGよりは細かく、より目立ちにくくなっている。また実際にセルフィーを撮影してみても、被写体はかなりクリアでぼやけた印象はなくなっている。画質を求めるならやはり閉じた状態のフロントカメラで撮影した方がよいが、開いた状態でセルフィーを撮影しても悪くはない、というのが正直な所だ。

閉じた状態のフロントカメラで撮影した写真

開いた状態のフロントカメラで撮影した写真。ぼやけ具合は抑えらえているが、カメラの画素が低いので画質は落ちる

【まとめ】安心感は高まったが価格面のハードルはあまり下がらず

 それ以外の性能を確認すると、バッテリーは4400mAhの大容量で、25Wの急速充電に対応。開いた状態でゲームプレイなどをしているとさすがに消費は早いが、日常使いに困るレベルではないと考えられる。

 生体認証はフロントカメラによる顔認証と指紋認証に対応、指紋センサーは従来同様側面の電源キーに内蔵されている。それに加えて新たにFeliCaが追加され、「おサイフケータイ」の利用も可能になったことから、コロナ禍でも安心して利用できるのはメリットだ。

従来機種同様、側面の電源キーに指紋センサーを搭載しているのでマスクをしていても安心だ

 通信はもちろん5Gに対応しているが、au版の対応周波数帯はn77、n78で(4GはB19非対応)、ドコモ版の対応周波数帯はn79も含まれる。両キャリアともSIMロックを解除した状態で販売するが、他キャリアのSIMで利用する場合は従来通り、周波数帯に注意して利用する必要があるだろう。

 まとめると、Galaxy Z Fold3はボディーの強度面での課題をかなりクリアし、折りたたみスマートフォンが日常使いできる水準に達したと感じさせる内容に仕上がっている。強度の面で購入をためらっていた人にも、安心してできるようになったといえるだろう。

 ただ一方で、価格はドコモ、auともに23万円台と、25万円台だったGalaxy Z Fold2と比べれば安くなったものの、20万を切らなかっただけに消費者目線で見ると厳しいことは変わっていない。ディスプレーサイズと性能が近い所である意味競合といえる、第6世代「iPad mini」の256GBモデルのApple Storeでの価格は約9.5万円、それに「iPhone 13」の512GBモデルを加えてようやくGalaxy Z Fold3と同程度の金額となるだけに、折りたたみという付加価値があるとはいえ低コスト化は引き続き課題といえそうだ。

「Galxy Z Fold3 5G」の主なスペック
メーカー サムスン電子
ディスプレー 7.6型有機EL(22.5:18)
6.2型有機EL(24.5:9)
画面解像度 1768×2208ドット
832×2268ドット
サイズ 約128×158×6.4mm
約67×158×14.4mm(最厚部16mm)
重量 約271g
CPU Snapdragon 888
2.84GHz+2.4GHz+1.8GHz
(オクタコア)
内蔵メモリー 12GB
内蔵ストレージ 256/512GB
OS Android 11
5G対応周波数 Sub 6/ミリ波
カメラ アウト:約1200万画素(標準)
+約1200万画素(超広角)
+約1200万画素(光学2倍)
/イン:約400万画素/カバーカメラ:1000万画素
バッテリー容量 4400mAh
防水/防塵 ○/○
生体認証 ○(指紋、顔)
カラバリ ファントムブラック、ファントムグリーン(auのみ)
この記事をシェアしよう

週刊アスキーの最新情報を購読しよう

本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります

この連載の記事