「Galaxy Z Fold3 5G」は、サムスン電子の折りたたみスマートフォン「Galaxy Z Fold」シリーズの3代目となるモデル。IPX8の防水性能を備えるなど課題となっていた強度の問題をクリアしつつ、ディスプレー内蔵型のフロントカメラなど、同社の新しい技術をふんだんに取り入れて、先進性と実用性が高められている。実機を借りたので、その実力をチェックしてみよう。
強度面での安心感が増したボディー
まずは本体について。今回借りたau版のスペックシートから確認すると、開いた状態ではディスプレーサイズが6.2型で、約128×158×6.4mm、閉じた状態ではディスプレーサイズは7.6型で約67×158×14.4mmと、従来機種と大きくは変わらないサイズ感となる。それでいて重量は約272gと、Galaxy Z Fold2 5G(282g)より10gも軽くなった。
ただ、折り畳んだ状態で手にすると300g近いだけに、200g前後のスマートフォンを使っている筆者でさえ重さを感じてしまうのが正直なところ。シャツのポケットなどに入れるのは厳しいのはもちろん、厚さと長さがあるためズボンのポケットに入れても大きさを感じるので、やはりかばんに入れて持ち歩くのが無難だろう。
一方、Galaxy Z Foldシリーズで最も気になるのはやはり強度面だ。初代Galaxy Foldは強度面で不安があり利用する際には慎重さが求められたが、Galaxy Z Fold2 5Gでヒンジ部分を中心に強度が大幅に改善。Galaxy Z Fold3 5Gもそれを継承しつつ、ガラスやフレームの素材改良などによってより強度は高められているようで、外で持ち歩いても不安を抱くことはなくなっている。
それに加えてGalaxy Z Fold3 5Gには、新たにIPX8の防水性能も備わっている。強度面で不安を抱いて折りたたみスマートフォンを敬遠していた人も、これで安心して利用できるようになったといえるのではないだろうか。
なおディスプレー以外の背面部分は、さらさらした触感で指紋が付きにくく、高級感がある印象。一方で、Galaxyシリーズのハイエンドモデルとなると気になるのはカメラ部分の出っ張りだが、Galaxy S21シリーズに比べればカメラ性能が抑えられていることもあり、出っ張りもそれほど大きくない。とはいえまったく出っ張りがないワケではなく、それなりに高さがあるので多少の注意は必要だろう。
ノッチレスでより大画面が生きる仕様に
Galaxy Z Fold3 5Gの最大のポイントは、やはり大画面のディスプレーを折り畳んで持ち運びやすくできること。Galaxy Z Fold3 5Gは開いた状態で7.6型のディスプレーを利用できるが、後述するフロントカメラをディスプレーの下に内蔵したことでノッチがなくなり、画面がより広くなったことから動画やゲームなどコンテンツ系アプリでは大画面をフルに生かせるようになった。
チップセットにもクアルコム製の「Snapdragon 888」を搭載し、メモリーは12GB、ストレージは256GBと非常に高いスペックを備えていることから、高性能を必要とするゲームも快適だ。実際「PUBG Mobile」のグラフィック設定は、クオリティは「FHD」でフレーム設定は「ウルトラ」まで上げることが可能だし、「原神」もデフォルトのグラフィック設定は「中」と、最近のAndroidのハイエンドモデルと同等の設定が可能だった。
それでいて、ほかのスマートフォンよりはるかに大きな画面でゲームプレイができ、対戦ゲームなどで視野が広がることは大きなメリットといえる。ただディスプレーサイズや比率の違いもあって、画面上のパッドやボタンの配置がやや変わることから、16:9や21:9比率のスマートフォンでゲームになじんでいる人は、操作に少々慣れが必要かもしれない。
もちろん通常のアプリを大画面で利用することも可能で、メールやウェブブラウザー、オフィススイート系アプリなどは非常に見やすくなる。画面右端からタスクバーを呼び出し、アプリアイコンを上下または左右にドラッグすることで画面を最大3分割し、3つのアプリを同時に使うことは可能だが、Galaxy Z Fold3 5Gではそれに加えてアイコンを中央にドラッグすることでアプリをポップアップ表示することも可能となっている。
そこで画面分割とポップアップを利用することにより、最大8つのアプリを同時に利用することも可能だ。ただGalaxy Z Fold3 5Gの画面はそこまで広い訳ではないので、分割とポップアップを併用するとさすがに画面が狭く使いにくくなってしまうが、有効活用すればこれまでのスマートフォンではやりづらかった複数アプリによる多様な活用ができることは確かだ。
ちなみにGalaxy Z Fold3 5Gの大きなポイントとして、新たにSペンに対応したことも挙げられる。ただしディスプレー強度の関係から専用のSペンが必要で、残念ながら今回Sペンをお借りできなかったことから詳細を確認することはできない。ただ以前の取材でSペンによる操作を体験した時は、かなり快適な書き心地だったことは付け加えておく。
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