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魅力その5 街の人たちのサイドストーリー
これは好き嫌いが分かれるポイントだと思うが、筆者的には推しなので紹介させていただく。
本作では街の人たちと会話して、さまざまな情報を聞くことができる。しかしその9割(体感)は聞かなくてもストーリー進行に支障なく、いわば世界観を補強するフレーバーテキストのようなもの。まぁこれはほかのRPGでもよくある定番のシステムと言えるだろう。
しかし、「軌跡」シリーズはその熱量がハンパじゃない。
主人公の拠点があるカルバード共和国の首都イーディス・旧市街において、話せるNPCの数はおよそ20数名(変動あり)。それぞれに独自のサイドストーリーがあって、作中の時間経過とともに会話内容が変化しつつお話が進行していくため、それらを追っていくのがとても楽しいのだ。
このようにそれぞれの“人生”を垣間見られるNPCが数多くいるのが特徴。首都だけでも旧市街のほかに4、5ヵ所の街区があり、ストーリー上で訪れるほかの街を含めれば登場NPCの人数は優に100を超えるだろう。
本編だけではなく、そちらも追っていくことで、より世界のことを深く知ることができる。すべてを追うのは少々大変かもしれないが、これほど「意味のあるNPC会話」のボリュームがあるRPGを、筆者はほかに知らない。
メインストーリーが王道かつ予想外な展開を見せてアツくなれるのが「軌跡」シリーズの特徴だが、こうした小さなサイドストーリーを無数に散りばめているのも「ストーリーRPG」というジャンルの理由だと考えている。
感想まとめ
序盤をプレイしたところ、まず戦闘システムが「オーバーホール」されて一新し、いい意味で驚いた。シームレスにアクションで敵を倒していけるのは、想像以上に気持ちいいハズだ。
ストーリーは第1章の時点で予想もつかない展開が起こるなど、非常に楽しい。何を書いてもネタバレになるので感動した部分については書けないが、泣ける結末が待ち受けているとだけ言っておこう。
今回紹介した要素のほかにも「映画鑑賞」や「コネクトイベント」などのコンテンツが用意されている。そちらも豊富にイベントが用意されているので、息抜きにはちょうどいい。
舞台と登場キャラクターが一新されたため、シリーズ初見のプレイヤーが入りやすいのは間違いない。設定関連も説明が入るし、置いてけぼりにならないよう丁寧に作られていることがわかる。少なくとも「シリーズの途中から入るのはちょっと……」とためらう理由はどこにもないと断言しておきたい。
いっぽうで、ファンなら「おっ」と思えるキャラクターやセリフなども多く用意されている。時系列的には前作『創の軌跡』から約1年経過しているので、過去作から再登場する人物の成長も確認できた。シリーズを通しての敵である結社《身喰らう蛇》の新キャラクターの動向も気になるところで、どんな流れで登場するのかワクワクが止まらない。
そして、やはり「軌跡」シリーズ最大の魅力は連綿と続いていく物語の「流れ」にこそあると思うので、これから先も続くであろう「Next軌跡」のためにも、じっくりと記憶に擦り込むように本作を楽しみたいと思う。本作で初めて触れる人も、これを機にシリーズにハマってもらえれば、いちファンとしてこれほどうれしいことはない。
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