iPhone 13 Proの発売に合わせたかのように我が家へやってきた生後約5ヵ月の黒猫「みるっこ」。近所のとある駐車場近辺に棲息している猫が何匹もいて、少しずつ捕獲しては里親を探すという小さなプロジェクトの第1弾がうちにきたみるっこなのだ。
このみるっこ、仲の良い兄弟のキジトラがいるのだけど、先日たまたま近くを通りかかったので立ち寄ってみたら、片隅でくつろいでるのを発見。元気そうでなにより。iPhone 13 Proの3倍望遠で撮影。さっそく望遠カメラの活躍である。
無事保護されて里親が見つかるとよいですな。最初にみるっこが保護されたのは人なつこくて捕まえやすかったからだそうだが、最近その理由が判明した。どうやら近所のおうちにたびたびお邪魔してはリビングに上がり込んで餌を貰っていたらしいのだ。
「以前遊びに来てた黒猫を最近見なくて」「ああ、その子なら先日保護して無事里親さんのおうちに引き取られました」的な感じで、そりゃあ人になれてるわな、と。
さて、そんなこんなでうちにきて「みるっこ」と名づけられた黒猫。じっとしてないし、遊べ遊べとうるさいしで、片手で遊びながら片手で撮るとなるとデジタル一眼ではおっつかなかったりするので、撮るのはもっぱらiPhone 13 Pro。iPhoneならちゃんと猫の顔にピント合わせてくれるから「あとはiPhoneさんよろしく」で撮れるから良いのだ。良いタイミングで新製品が出たものである。
そして極めつけはiPhone13シリーズの新機能「シネマティックモード」。これが面白いのである。一般に「人物を自動認識してそこにピントを合わせ、前後をぼかすことで映画っぽい映像を撮る機能」と思われがちだが、実は猫にだってちゃんと認識してピントを合わせてくれるのである。しかも後ろ頭でもOK!
いやあこれは素晴らしい猫動画カメラだ。しかも飼い猫を動画で撮ると背景に写る家の中のあれやこれやが気になっちゃうけど、背景をいい感じにぼかしてくれるので、背景のベランダに干されてる洗濯物もぼけるからあまり気にならない(冒頭写真)。
さらに、この機能は静止画の「ポートレートモード」の動画版、みたいに言われることがあるけど、ポートレートモードと違うのは「前もぼかして」くれること。
これがいい。というわけで、じっとしてない上になかなか望む通りに動いてくれない(だから面白いんだけど)みるっこを相手にシネマティックモードで撮った動画をいくつかつないでみたのでごらんくだされ。
10月現在、シネマティックモードで撮った動画を編集できる(ぼける範囲を広くしたりピントが合う被写体を変えたり)のは付属のiMovieと写真アプリだけなので、iMovieを使っている。macOS版のiMovieやFinalCut Proもいずれ対応するそうだ。
シネマティックモードで録り、iMovieでつないでBGMを付けてみた。楽しく遊ぶ黒猫の姿をどうぞ
よく見るといい感じに背景がぼけてるし、ちゃんと猫にピントが合い続けてくれるしし、手ブレ補正もいい感じに効いてくれるしで、思ったよりカッコよくなった。ただいつものようにとってるだけなのに。「シネマティック」って聞くと映画っぽい映像を作る機能で映像に凝る人にしか関係ない、と思うかも知れないけど、むしろ普通に動画を撮ってもなんかそれっぽく仕上げてくれるという意味で、動画を撮る人誰もが楽しめる機能なのだ。
サイズは1920×1080ドットに固定だけど(つまりフルHD専用で4Kでは撮れない)、誰が使っても楽しめる機能なのでぜひおためしあれ。
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筆者紹介─荻窪圭
老舗のデジタル系ライターだが、最近はMacとデジカメがメイン。ウェブ媒体やカメラ雑誌などに連載を持ちつつ、毎月何かしらの新型デジカメをレビューをしている。趣味はネコと自転車と古道散歩。単行本は『ともかくもっとカッコイイ写真が撮りたい!』(MdN。共著)、『デジカメ撮影の知恵 (宝島社新書) (宝島社新書)』(宝島社新書)、『デジタル一眼レフカメラが上手くなる本』(翔泳社。共著)、『東京古道散歩』(中経文庫)、『古地図とめぐる東京歴史探訪』(ソフトバンク新書)、『古地図でめぐる今昔 東京さんぽガイド 』(玄光社MOOK)。Twitterアカウント @ogikubokei。ブログは http://ogikubokei.blogspot.com/
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