純情のアフィリア電脳部＜はみ出し版＞

第30回

ピュアオーディオ入門！ DENON＆DALIのエントリーモデルの実力を探る

2021年09月10日 18時00分更新

文● ASCII　写真●髙橋智

予算にプラスアルファで買うならレコードプレーヤー？

──ということで、ここからがある意味このウェブ版の本題なんだけど約12万円の基本のピュアオーディオセット、想像以上によかったと思うんですよ。

ユミ　正直、想像よりずっとよかったです。本誌の時のがすごかったから、正直「あぁ…」みたいな感じになるかと思ってたんですけど、これはこれですごくいいです。

──ただ、ひとつ問題があって、約12万ってちょっとキリが悪いじゃないですか。

アンナ　たしかに中途半端。

──ということで、「予算15万としたら、さらになにができる！」というオーディオ沼的発想をみなさんにも体験していただきたいなと。

ユミ　それでさっきのレコードプレイヤーともう一つのスピーカーってことですね。でも、このレコードプレイヤーを追加したら15万じゃ収まらない気がするんですけど。

──細かいことは気にせず、まずはレコードを聴いてもらいましょうか！

アンナ　逃げた！

──ということで、レコードってどう？

セラ　壮大！

──純情のアフィリアになってからのレコードがないから同じ曲で比較してるわけじゃないけど、CDとはまた違う味があるっていうのを感じてくれたらうれしいなっていうのを思っています。

セラ　こんなはっきり聞こえるんだってビックリ！

──いいコメント。そう、実はレコードって解像度も高いんだよね。

セラ　それは最近技術が上がってきてレコードの音がよくなったんじゃなくて、元々レコードがいいってことなんですか？

──そう。CDだとデジタルデータにするときに高音とか人間に聞こえない高音域をカットしてるんだけど、レコードはアナログだからそういった帯域のカットとは違う概念にあるみたいな。

デノン　CDの場合、高音は20Hzからカットしていて人間に聴こえる周波数帯だけに収めてるんですよ。

ユミ　つまり、レコードのほうが本物ってこと？

──CDが偽物ってことじゃないんだけど、あくまで元々のマスターデータの持っている音の帯域とは違うよってことだね。ちなみに言葉は聞いたことがあるかもしれないけどデジタルでも「ハイレゾ」って言われるものだと、CDの時にカットしていた帯域まで含んだデータになっているものもある感じ。

セラ　レコードのマイナス面ってないんですか？

デノン　マイナスかどうかというと単純には難しいんですけれど、同じレコードをたくさん聴いているとやはり針の傷で傷んできてしまうんですね。そうした状態の維持に気を使うところはあるかもしれません。ちなみに過去の名盤の、初期のころにプレスされたもので状態がいいものはプレミアムがついたりしてしまうので、そういったコレクション性も少しハードルを感じる方もいるかもしれません。逆にいえばそうした「常に変化する」部分やコレクション性も楽しみの一つなんですけど。

セラ　レコードならではの楽しみ方があるってことかぁ。

デノン　まさにそれですね！

追加予算ならやっぱりスピーカーのグレードアップ？

──それではお次は、予算を追加してスピーカーをアップグレードしたパターンいきましょう。こっちはちゃんと15万円に収まります。

ユミ　いや、そんなにドヤ顔されても……。

──スピーカーをDALIの「SPEKTOR 1」から同じDALIの「OBERON 1」にチェンジして聴きますよ！

ユミ　すんごいクリアになった。これは違いますね！

セラ　すごーい！変わった！さっきよりリバーブ感も上がった気がする。

ユミ　全体がクリアになったからかな？

アンナ　歌声のところから違う気がした。

ユミ　奥行きが出た感じもする。

──「SPEKTOR 1」に比べるとサイズが大きいぶん、もう少し低音も出るからそこが奥行きにつながる感じかな。

アンナ　ウチこのスピーカーめっちゃ好きかもしれん！

セラ　声の質感とかもすごくグレードが上がった。

ユミ　ブレスとかそういう感じがすごいリアルな感じに聴こえる。

セラ　いいとこ取り感がある。

アンナ　めっちゃ音楽って感じ。

ユミ　私的には「歌」の曲を聴くのにいいなって感じてる。

アンナ　ひとつ前のスピーカーも声とか聴きやすいなって思ったんですけど、こっちは歌声はもちろんなんだけど楽器とかのいろんな音が聴きやすいなって思いました。

──ちなみに「ジュンジョウ・ガイドストーン」のCDがあるから、これでいろいろ聴いてみます？

セラ　「spiral star」は聴いてみたいかも。

ユミ　「桃源郷」の落ちサビの、自分とベールちゃんと歌ってるところとか……、落ちサビがある曲を聴いてみたい。

アンナ　「転校ガール」を聴いてみたいね。

ユミ　「転校ガール」いい！ウチらの3サビ前とかそういうところ。

アンナ　あと、おしゃれに「everlasting friends」とか聴いてみたい。

──一人一曲とすると？

ユミ　「転校ガール」で。

セラ　迷うけどやっぱり「SPRInG FacTiON」で。

アンナ　どうしよっかなー。「マジカル☆エクスプレス☆ジャーニー」で、と思ったけどやっぱり「女神さまのポイントカード」にする！

デノン　一曲というと迷いますよね（笑）。ちなみに新しいオーディオ機器を買ったら自分のCDを全部聴き直したくなるのって、あるあるなんですよ。

アンナ　確かにわかる気がする。

デノン　聴こえ方が思いっきり変わったりしますからね。それと、今まで自分の好きなジャンルとかあると思うんですけど、そうじゃないものを聴くのもありかもしれません。クラシックとかジャズとか。でもそうやって聴く音楽の幅も広がったりして。オーディオって面白いんですよ。

──いいオーディオ買ったからジャズを聴き始めるって、まさにオーディオオタクあるですよね（笑）。僕もですけど。ということで、まずは「転校ガール」からいきましょうか。

3人　すごーい！

ユミ　全然違う曲みたい！ビックリした！

アンナ　思ったよりすごかったからちょっと……！

ユミ　ライブでも経験したことのないくらい感じの。ライブをやってる時とかって「転校ガール」って落ち着いた感じのバラードみたいな扱いでセトリに入れてたりするんですけど。

セラ　豪華さが増したというか。

ユミ　こんなに激しい曲だったんだって（笑）。

セラ　新しい音が次々に出てきてて。アコギも鳴ってるし、ストリングスも入ってるしティンパニーみたいな音も入ってるし。

ユミ　AメロのダッシュとかAメロと同じ感じかと思ったら音違うんだと思って。

セラ　2Aとかも凄い細かい音とか入ってて。

ユミ　だから、えっ凄っ！て思って。転校ガールの最後の時を超えのヒュッていう感じめちゃくちゃ凄い。違う曲だってなりました。興奮！

デノン　作られた方やスタッフさんの思いがそれだけ詰まってるっていうことですね！

アンナ　今までこんな風に聴こえたことなかった。

セラ　奥深い！

──じゃあ次、「SPRInG FacTiON」だね。

セラ　すごい！感動する！

アンナ　ピアノの音、こんなに綺麗に入ってたんだね。

ユミ　サビだけでも、こんなにこだわってるんだって思った。

セラ　ずっとこの曲のピアノの音が聴きたくて。自分たちの曲なのに感動しました（笑）。

──大サビのところとか、ものすごく凝ってるよね。

ユミ　「絶対、絶対」のフレーズのところもすごかったし、ピアノの音もオシャレだし、Aメロ前とかもこんなの入ってるんだみたいな。普段は全部一緒にして聴いちゃってるけど、こうやってちゃんと聴き込むとすごく楽しい！

──じゃあ、ラスト。「女神さまのポイントカード」いってみましょうか。

セラ　これもすごい！楽しい！

アンナ　可愛い曲だわ～（笑）

セラ　まるで生演奏みたい。

アンナ　ギターのチャカチャカって感じがすごいいい！

セラ　カッティングの音とかも聴こえてきて、ギターがこんな風に音入ってるんだって感動してます。

ユミ　自分たちの曲なんですけど、ピュアオーディオで聴くとこんなにすごいんだって、本当にビックリしてます。

デノン　このオーディオセットは、グレードアップしたスピーカーも含めて本当に音楽を楽しむって感じの音だと思います。とにかく自分の好きな曲を楽しみたいんだって方には、値段以上の価値を提供できると思っているので、みなさんのこの反応はうれしいですね。

【まとめ】ピュアオーディオのエントリーモデルってどうだった？

──ということで、本誌のぶんとあわせていろいろ体験してもらいましたけど、ウェブ版として試聴してもらった今回のエントリーモデルの製品、どうでした？

セラ　めちゃくちゃ感動してます。正直、スピーカー200万ですって言われると辛すぎたけど、この金額なら頑張れば買えなくはないなって。それからさっき言っていたジャズやクラシックも聴くようになるって話が面白いですね。実際、管楽器とかはイヤホンとかで聴くのと全然違ったからすごくわかる気がします。

ユミ　逆に両方聴いたからこそ、上のグレードのやつのスゴさを感じた気もするんですけど、これはこれで普段とはまったく違うというか、自分たちの楽曲にこんなにいろんな音が入ってて、それがたくさん、はっきりと聴こえることの面白さを十分以上に知れる製品だなって。

アンナ　先にすごいやつで聴いてから「入門モデルです」って話だったのでどうなのかなって思ってたんですけど、高いから、安いからじゃなくて一つ一つに魅力があるということに驚きました。曲の聴こえ方も違うから、新しいスピーカー買ったらもう一回CD聴き直したいって思えるって本当にそうなんだろうなぁって。音楽も面白いって思ったし、ピュアオーディオって面白いなって思いました。

ユミ　なんかすごいアンナらしくない、キレイなまとめ方。

アンナ　音楽には本気なんで。

──ほかは本気じゃないのかってツッコミ待ちな感じありますけど、ちなみにアップグレードするなら「レコードを追加」と「スピーカーをグレードアップ」、みんなならどっちを選ぶ？

アンナ　ウチは絶対スピーカー！この「OBERON」がすごい好き。

ユミ　迷うけど、レコード持ってないし、感動したしスピーカーのグレードアップかなぁ。

セラ　私もどっちかは迷うし、私自身はレコード持ってないんですけど、世界が広がりそうなのでレコードかもしれないです。音もすごくよかったし。

──今回の記事的には大変ありがたい、キレイな別れ方（笑）。でも、これがピュアオーディオの楽しさなんですよ。

デノン　実際、こんな感じでどこを頑張って奮発するか、みたいなものも含めてピュアオーディオを楽しんでいただけたらすごくうれしいですね。

──ということで、エントリーモデルとはいっても、実はスゴいっていうの伝わりましたかね？

3人　はい！

──じゃあ、オーディオ沼で待ってますね！

ユミ　なんかおかしな方向で終わろうとしているような。