FOLIOの技術力とSBIグループの金融サービス事業の知見・ノウハウを活用した金融商品を提供
SBIグループ、FOLIOを子会社化し新商品開発を柱に新たな攻勢へ
SBIホールディングスの100%子会社で、金融サービス事業の中間持株会社であるSBIファイナンシャルサービシーズは2021年8月31日、テーマ投資や4RAPを提供するFOLIOの親会社であるFOLIOホールディングスの株式を第三者割当増資等により取得し、連結子会社化したことを発表した。
FOLIOは、厳選された複数銘柄で構成された投資テーマに1万円台から投資できる「テーマ投資」及び資産運用をすべて自動で行う「おまかせ投資」などのBtoC事業並びにラップ運用などの一任運用基盤システム、サービスを提供する「4RAP」などのBtoB事業を行っている。
FOLIOホールディングスの子会社化により、FOLIOの技術力とSBIグループの持つ金融サービス事業の知見・ノウハウを活用した新たな金融商品を提供することを検討しているという。2021年度内を目途に、SBI証券がFOLIOの4RAPをシステム基盤として導入し、少額から購入可能なファンドラップ「SBIラップ(仮称)」を新たに提供することを予定している。
今回の協業により、SBIグループが提携強化を推進している金融機関・事業法人などへのFOLIOの商品・サービス展開も検討しているという。また、SBIグループは、SBI証券及び住信SBIネット銀行を通じて既に提供しているロボアドバイザー「WealthNavi(ウェルスナビ)」の販売にも引き続き注力するとしている。
数多の提携先に対して金融商品またはシステム提供が柔軟に行える
地方銀行を中心に多数の金融機関と提携するSBIグループにとって、本提携では2つの収益源を獲得したと言えます。
1.金融商品の収益源
SBI証券で提供する「SBIラップ(仮称)」は、自社販売に加え、金融仲介を通じて他の金融機関で投資家へ販売し、収益性のさらなる向上が目指せます。
2.システム提供の収益源
FOLIOの4RAPを他の金融機関に提供してシステム利用料を得られます。 提携先の要望に応じて、商品を提供するのかシステムを提供するのか。SBIとともに柔軟で、幅広なビジネス展開が期待できます。
類似する「WealthNavi」の営業にも引き続き注力するとSBIグループは述べていますが、仕組みが類似しているだけで、その中で構成している投資群が異なっています。投資家のニーズにより応えることができるようになったので、むしろよい効果をもたらすでしょう(ASCII FinTech記者 久我 吉史)
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