耳をふさがないイヤホン。ambieが今までにないコンセプトの製品を発表したのは2017年の冬だった。イヤカフ型という独特の装着方法で耳穴に入れず、本体の小型スピーカーから音を出す仕組み。
市場で主流のインイヤー型のイヤホンは耳穴にふたをする仕組み。一方ambieは音楽を聴きながら周囲の音も耳に入ってくるので、何かを「しながら」の作業が快適にできる点が特徴となっている。発売から4年が経ち、当初の有線モデルからワイヤレス化するなど進化を遂げてきたが、この夏ついにケーブルが完全にない、完全ワイヤレス型のモデルが登場した。それが「AM-TW01」だ。
4.2gと軽量な本体とワイヤレスの軽快さ。音楽に没頭するのとは異なる、生活の中に音楽がなじむ、この製品でしかできない世界が広がった。
aptX AdaptiveやIPX5など機能面も十分
ambie AM-TW01の特徴は上記に述べたポイントに集約されている。少し仕様について述べておくと、印象的なのはケースの小ささだ。本体だけでなく充電ケースも約25gと軽く、さらに21.2mmと薄型になっている。最近の完全ワイヤレスはバッテリー駆動時間を長くアピールする代わりに、充電ケースが大型化する傾向がある。結果、ポケットがポッコリと膨らんでしまう機種も多いが、このサイズであれば胸ポケットなどに入れても違和感がなさそうだ。
クアルコムのチップ(QCC3040)を採用し、SBC、AAC、aptX Adaptiveコーデックに対応する。連続再生時間は約6時間で、本体はIPX5の防水性を持っている。MEMSマイクを内蔵しており、通話も可能だ。マイクはcVc8.0対応のノイズキャンセル性能を持つ。
装着方法は従来同様のイヤカフ式。耳の縁の部分にはめて使う。丸みを帯びた球状の部品は上が小さく、下が大きい。上側が耳穴の近くに来るようにした状態で、耳の上方からスライドして身に着けるのがスムーズだ。最初は少し手間取るところだが、装着してしまえば軽く快適だし、長時間着けていても痛くならないようにやわらかなシリコン製カバーで覆われている。また、一度身に着ければ、頻繁に取り外す必要もない。
ボタン操作で選曲や着信に応えることができる。
自分の人生にBGMが付けば華やかになる?
冒頭でも書いた通り、現在のイヤホンでは耳栓のようなイヤーチップを使用する密閉型が主流となっている。遮音性が高く音楽に集中できる反面、周囲の音に気付きにくくなるし、長時間の使用では圧迫感につながる場合もある。
一方で、ambieの製品は、音楽を聴きながら周囲の音を聴いたり、他人と会話することができる点が特徴になっている。イヤホンを使用することでパーソナルの世界にこもるのではなく、シームレスに仕事や日常生活のシーンになじむのが特徴だ。
AM-TW01はこのambieのコンセプトをさらに進め、完全なケーブルレスを実現した。結果、「音を耳に着ける」というウェブサイトの表現が示すように、道具というよりはアクセサリー感覚で使えるデザイン性の高さも魅力になっている。
こうした「ながら作業」に適したイヤホンは在宅ワークが中心になって、よりニーズが高まった印象がある。1日中イヤホンを着けていることも少なくないし、宅配便など急なら来客などでは周囲の音が聞こえることが大きなメリットになる。Bluetooth方式であれば、部屋の中を移動しながらの使用も可能なので、料理や掃除をしながらの利用など活用できるシーンはより広がりそうだ。
音質に関しては低音がどうしても抜けて軽くなってしまうが、聞こえ方としては自然。逆に散歩のお伴に使う際には、自分がいまいる風景にBGMが付き、映画のシーンの一部になったような独特の感覚が味わえる。これはなかなかいい気分だ。
実売1万5000円程度と完全ワイヤレスイヤホンとしては、それほど高くない価格で、ほかにはない付加価値を提供するAM-TW01。機能面でも、完全ワイヤレス機に求められる基本線が押さえていて不満はない。特にとても小さく薄型のケースが気に入っていて、スマホだけ持って軽く散歩や買い物といったシチュエーションでも邪魔にならないのがいい。音質も悪くはありませんが、軽快さがウリの製品なので、細部に神経質になるよりも生活のシーンになじませながら、おおらかに使いたい機種だと思う。
有線モデルの学割キャンペーン
ちなみに、ambieでは夏休みの延長やオンライン授業の導入などを考慮して、有線モデル「AM-01」の学割キャンペーンを再開したそうだ(9月7日まで)。学生であれば誰でもAM-01ホワイトを通常価格の20%OFFで購入できるもので、5月にも実施している。
オンライン授業で1日中イヤホンをつけっぱなしにした結果、「耳が痛くなる」「耳が疲れる」というストレスを抱えているお子さんや学生さんは注目だ。
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