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イマドキのAV環境を考慮したオーディオ機器

HDMI端子を持ったステレオ再生専用アンプ、敢えてAVアンプにしないオンキヨーの「TX-8390」

2021年09月05日 15時00分更新

 HDMI端子を持ち、テレビとの接続やChromecastやAmazon FireTV Stickなどとの接続やネットワーク再生機能が可能だが、ステレオ再生に特化したオーディオ機器。そんなコンセプトで開発されたのがオンキヨーの「TX-8390」だ。8月30日からGREEN FUNDINGでクラウドファンディングを開始している。期間は10月31日まで。

 これまでオーディオとAVは別の領域として区別されることが多かった。しかし、ストリーミング再生が主流になりつつある現在では、テレビを中心に映像も音楽も楽しみたいというニーズが高まる傾向がある。多機能化が進むテレビは、NetflixやAmazon Primeビデオとった映像配信だけでなく、音楽ストリーミングも楽しめるハブになっている。

 TX-8390は6系統のHDMI入力(4K/HDR対応、出力は2系統)を持ち、最大出力200W+200W(定格135W+135W)が可能。高性能なクアッドコアプロセッサーを装備しており、ストレスなく動作する点も特徴だ。アナログ信号を扱うDAC基板とネットワーク回路も持つデジタル基板を対角配置で離したり、8層基板の採用によるGND強化など、ノイズの悪影響を低減する試みも設けている。

 4系統のアナログ入力、フォノ入力、フロントと背面にUSB端子、2系統の光デジタル入力、同軸デジタル入力などを備えており、サブウーファープリアウトも搭載する。すでに所有しているアナログプレーヤーやCDプレーヤーなどとの連携もしやすい構成となっている。

 ネットワーク再生も可能で、Amazon Music、Spotify、Deezer、radiko.jp、TuneInなどのほか、NASなどに保存したMQAやDSD音源の再生も可能。なお、Amazon Music HDへの対応は後日としている。AirPlay2、Chromecast built-in、Bluetooh、Roon tested、Works with Sonos、Echoスピーカーなどと連携するWorks with Alexaなど、ネットワーク経由の機器連携もかなり豊富になっている。

 内部もリッチで巻き線をデジタルとアナログ用に独立にした大型トランス(10000Fのニチコン製カスタムコンデンサー使用)や東芝製バイポーラトランジスターの使用、ハイカレントアンプ設計(HICC)といった特徴を持つ。また、AVアンプで培った自動音場補正技術「AccuEQ」を2チャンネル向けに最適化して搭載。AVアンプの多機能性をステレオ再生で存分に楽しめる構成になっているのだ。

 DACチップは旭化成エレクトロニクスの「AK4458」を搭載。サイズは幅435×奥行き383×高さ174mm、質量は11.8kg。

 また、オンキヨーが取り扱っている米クリプシュ製スピーカーとのセットもある。ブックシェルフ型の「R-51M」、トールボーイ型の「R-620F」、30㎝口径のウーファーを採用するなど本格的な仕様の「Heresy 4 WALNUT」があり、いずれも個別に購入するより安価な価格設定だ。

 両国にあるONKYO BASEで実機を試聴したが、30㎝ウーファーのHerssey 4も余裕をもって鳴らしていた。10万円以下という価格設定の機種としては多機能と高音質の両面に優れたコストパフォーマンスの高い機種に思えた。最近では、映画でも音楽を主題とし、そのパフォーマンを高品位に伝えたいというコンセプトの作品が増えている。テレビスピーカーでは物足りない、音楽はできれば自分の好みのスピーカーで楽しみたいと考えているが、後方にスピーカーを置くまでは難しい……。そんな人によりよい音で音楽や映像を楽しめる機器としてはいい選択肢だ。多機能製品であるため、過去に単品で揃えたオーディオ機器をテレビ中心にシンプルにまとめたいという層にも勧められると思う。

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