LINEは2021年8月31日、コミュニケーションアプリ「LINE」を活用したキャンペーンプラットフォーム「LINEで応募」において、独自のブロックチェーン「LINE Blockchain」を基盤としたNFT(Non-Fungible Token)を活用した新しいデジタル景品の実証実験を開始する。
NFT(Non-Fungible Token:非代替性トークン)」とは、ブロックチェーン上で発行されたデジタルトークンであり、デジタルアイテムの固有性や保有していることを証明できるコピー不可能なデジタルアイテム。
「LINEで応募」は、「LINE」を通じて誰でも応募ができるキャンペーンプラットフォーム。「LINE」アプリを利用しているユーザーであれば、「LINE」上でのアンケートへの回答や、対象商品の購入で企業のキャンペーンに応募でき、景品を獲得できる仕組みになっている。
同デジタル景品は、さまざまなキャラクターやコンテンツとコラボレーションすることでオリジナル性の高いデジタル景品が展開可能な、デジタルトレーディングカード。静止画だけでなく、動画などを組み合わせることも可能で、「LINE」アプリのユーザーであれば、誰でも簡単に固有性を保持したデジタル景品を受け取れる。
8月31日より開始している実証実験では、クイズに回答すると先着で「BROWN & FRIENDS」のデジタルトレーディングカードがもらえるキャンペーンを実施。期間中日替わりでもらえるデジタルトレーディングカードを3枚集めるとシークレット版のデジタルトレーディングカードがもらえるキャンペーンとなっている。毎日先着20万枚、3日間で最大60万枚のデジタルトレーディングカードを配布。
実証実験を通して各種検討事項の洗い出しを行い、本格始動に向けて準備を進めるという。
企業もユーザーもキャンペーンに参加しやすくなるメリット
「LINEで応募」で獲得したお気に入りキャラクターのデジタルデータ。“推し”でなくなった場合、そのデータを転売できるのがNFTのメリットです。換金性があるのでキャンペーンに参加するユーザー数も増やしやすく、もともとLINEの国内ユーザー数は約8600万人おり、専用のアプリ不要で参加可能なので、NFTの流通人口が爆発的に増やせそうです。
またNFTには、基盤となるブロックチェーンに伴う機能「スマートコントラクト」があります。NFTの転売時に発行元へ報酬を支払うなどの機能が実現できます。
キャンペーンを行う側の企業は、ユーザーが転売した際に一定割合の報酬を得られます。その報酬でキャンペーン費用の回収が可能になるので、企業にとっても施策が打ちやすいでしょう。
一方、一度流通が始まると流通を止められない、デジタル資産の所有権に関する法律が未整備などの課題もあります。本実証実験を通じて課題を洗い出すとLINE社は述べていますが、法令動向に対してどのような施策を打つのかにも注目です。(ASCII FinTech記者 久我 吉史)
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