アプリから誰でもすぐに発行できるVisaプリペイドカード「バンドルカード」を提供しているカンムは8月11日、決済と投資を組み合わせた新しいサービス「Pool」を発表した。Poolとは同社のサービス名で「手元の資産形成に活用できるクレジットカード」と銘打ったVISAブランドのクレジットカードである。年内のリリース予定に先立ち、事前登録の募集を開始した。
クレジットカードの支払いの際に投資している資産からの支払いが可能なので、決済と投資を一体のものとした家計管理が目指せそうだ。カード決済の還元率は、決済額の1%。
カンムがPoolで解決したい課題は何か。
プレスリリースでは「日本では、資産における預貯金の割合が高く、資産運用、投資が十分に行なわれていないという大きな課題」があると述べ、「消費をしながら投資を始められるという体験を提供」するとしている。
消費額の1%分の投資は微々たる額だが……
JCBが2月18日に発表した「クレジットカードに関する総合調査 2020年度版調査結果レポート」(https://www.global.jcb/ja/press/news_file/file/210218_01.pdf、下図)では、クレジットカード保有者の月平均利用額は6万7000円です。
仮にPoolで利用額の1%を全て投資した場合は年額8040円が投資資産となります。どのような投資が可能であるか現時点で不明であるものの、無意識的に投資資金が作れる仕組みは、カンムが掲げる「心理的unbanked(心理的な理由で金融サービスから距離をとっている人)」に対する解決策として機能しそうです。
クレジットカードのキャッシュバックに対する投資運用は、すでに、クレディセゾンが「永久不滅ポイント運用サービス」として提供しています。カンムの投資サービスがこれを比較してどのような差別化を図るのでしょうか。Poolのスペックが判明し次第比較し、どのような点で優れているかまとめたいと思います。(ASCII FinTech記者 久我 吉史)
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