先鋭性に焦点を当てたモノづくり
BALMUDA Technologiesと、BALMUDAの違いはほかにもある。
たとえば、寺尾社長兼チーフデザイナーは、「BALMUDA Technologiesは、先鋭的で、先進的なブランド戦略を取っていく。これらの商品は、BALMUDAブランドではできないブランド戦略であり、ここに新ブランドを考えた原点がある」と語る。
家電市場では、他社とは異なるモノづくりが特徴だったが、それでも、なるべく多くの人たちに良いと思ってもらい、広く使ってもらえるようなブランド戦略をとってきたという。
だが、BALMUDA Technologiesは、寺尾社長兼チーフデザイナーがいうように、先鋭的な商品を目指す。コアなユーザーに刺さるモノづくりが基本となりそうだ。
「トースターは、年間200万台の市場であるのに対して、スマホは年間3500万台の市場。規模がまったく違う。強いブランドが存在する市場でもある。トースター市場などに比べても、数量シェアは取れないだろう」というのが前提だ。そこにも、先鋭的な商品づくりと、新たなブランドで挑む理由がある。
そして、もうひとつの違いは世界市場を意識したブランドであるという点だ。
もちろん、BALMUDAブランドの商品は、韓国、北米などの海外でも販売を開始しており、先ごろ発表した2021年度上期(2021年1月~6月)業績でも、国内売上高は前年同期比37.1%増の54億6000万円に対して、海外売上高は132.0%増の23億2000万円となっており、すでに売上高全体の約3割を海外が占めている。
だが、「BALMUDAブランドの商品は、主に日本の顧客を見てつくってきた」としたのに対して、「BALMUDA Technologiesの商品は、世界の顧客を見て作っていく。それによって、表現する言語や行動、見せ方を変えることが必要である。この点からも、ブランドをわける必要があると考えた」と語る。
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