クリックボタンは磁石を使った独自スイッチ
また、「Prestige OMスイッチ」という独自のスイッチを採用したクリックボダンも本製品の特徴だ。ネオジウム磁石を使ったスイッチにより、同社によれば1億回クリックしてもクリック感が変わらないという。赤外線を使った光学式のスイッチなので、応答速度も高速だ。
使ってみた感じでは、スイッチは比較的柔らかく、深めの押し心地という印象。ただ、それほど特徴的なスイッチというわけではないので、キビキビとした高反発なスイッチが好きという人も慣れの範囲で問題なく使用できるはずだ。
センサーには、他社製品も含めゲーミングマウスのセンサーを多く開発しているPixArtと共同開発の独自センサー「TrueMove Airゲーミングセンサー」を採用している。CPIが100~18000、認識速度は400IPS、加速度は40Gというスペック。
TrueMoveセンサーは、チルトトラッキングに対応し、マウスを持ち上げて傾けて置いた際でも、正確な操作を可能にしている。先述したように、Prime Wirelessは持ち上げやすい形状になっているため、このセンサーとの相性は良さそうだ。
なお、写真でセンサーの横にあるボタンは設定変更ボタンだ。CPIの数値など最大5つのプリセットをオンボードメモリーに保存でき、このボタンで切り替えられる。個人的には、ゲーム中でも素早く切り替えられるようにマウスの上部に欲しかったところだが、押し間違いの心配がないのは嬉しいという人もいるだろう。
無線接続は専用のUSB Type-Cドングルを使う。「Quantum 2.0 Wireless」という技術で、2つのワイヤレスチャンネルを使って接続の安定性を高めているという。
手動計測のためあくまで参考値ではあるが、マウスの反射神経テストを数回行なって有線マウスとの遅延の差を比べてみたところ、平均で0.02秒程度Prime Wirelessの方が遅めになった。正直、ほぼ知覚できないレベルで、実際にゲームをしてみても(筆者のレベルでは)差は感じられない。
それよりも、操作の邪魔になるケーブルがないことの方が、ストレスなくゲームをプレイするために重要だと感じる人は多いのではないだろうか。なお、有線モデルがいいという人は、前述したようにPrime、Prime+という2つの有線モデルもあるので、好みに合わせて選ぶといいだろう。これらはセンサー性能と重量が異なっているが、形状はほぼ同じだ。
そのほか、バッテリーがフル充電で最大100時間という長寿命なのも嬉しいポイント。急速充電に対応し、15分の充電で最大15時間の使用が可能とのことなので、頻繁に充電が切れて困るといったことは少ないだろう。いざという時は充電しながらのプレイも可能だ。
「SteelSeries GG」で細かいカスタムも
Prime Wirelessは、統合ユーティリティーの「SteelSeries GG」を使って、CPIやポーリングレート、ボタンの機能割り当て、LEDのライティング、マクロなどをカスタマイズすることも可能だ。
さらに、加速時、減速時のマウスを動かしたスピードによってカーソルが移動する距離を調節したり、マウスの動きを直線に補正するアングルスナップの設定も可能だ。FPSゲームで使う人は少なめな印象だが、用途によって調整してみるといいだろう。
LEDをオフにしてポーリングレートを125Hzに固定する「高エフィエシェンシーモード」や、操作時にLEDを消灯する「イルミネーションスマートモード」など、バッテリー寿命を延ばす機能のオン/オフもここで切り替えが可能だ。
持ち方にこだわりがある人は要チェック
PCの操作において、マウスは特に重要なデバイスだ。ことゲーミングにおいては、素早く繊細な操作を求められる部分が多く、製品選びには妥協はしたくないところ。一方で、大きさや重さ、形状、ボタン数やセンサーのスペックなど、人によって合うか合わないかが異なるため、最適なモデルを選ぶのが難しいデバイスでもある。
万人向けを目指して汎用的な形状と高性能さを追求するのもいいが、今回のPrime Wirelessは、“つかみ/つまみ持ち向けの大型マウス”という的を絞ったコンセプトで開発されているので、特徴がはっきりしているのが面白い。見た目はシンプルだが、使ってみると良さがわかるオススメの製品だ。
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