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ASUSの「ROG Zephyrus M16」はクリエイティブワークにも大活躍の高性能ノートPCなのである!

2021年08月20日 11時00分更新

 「ゲーミングノート」と一口に言っても、本当にゲームだけに使っている方は少数派だと思う。また最近は、クリエイティブワークを快適にこなせるノートPCとして注目している方も多いようだ。

 そこで今回、「万能ノートPC」として強く推したいのが「ROG Zephyrus M16」(以下M16)。第11世代の「Core i7-11800H」と上位モデルでは「GeForce RTX 3070」を組み合わせつつ、ゲーミングノートとしては珍しく画面比率16:10のディスプレーを採用。ゲームにもクリエイティブワークにも大活躍してくれるマシンなのである。

ASUS JAPAN「ROG Zephyrus M16」21万9800円~

NVIDIA高性能GPU&第11世代インテルCore i7で
ゲームはもちろん写真&動画編集が快適

 M16はCPUに第11世代(Tiger Lake)の「Core i7-11800H」(8コア16スレッド、2.30~4.60GHz)、外部GPUに「GeForce RTX 3070/3060/3050 Ti」が採用されている。今回、M16の最上位モデルと、第10世代(Comet Lake)の「Core i7-10750H」(6コア12スレッド、2.60~5.00GHz)と「GeForce RTX 2070」を搭載する従来モデル「ROG Zephyrus M15」のベンチマークスコアを比較してみた。

 結果は、M16はM15に対して、CINEBENCH R20のCPU(Multi Core)で約1.65倍、CINEBENCH R15のCPU(Multi Core)で約1.64倍のスコアを記録。コア数、スレッド数の違いに加えて、シングルコアの性能が向上していることから、大幅なパフォーマンスアップを果たしているわけだ。

 一方、3Dグラフィックス性能については、M16はM15に対して、Time Spyで約1.24倍、Fire Strikeで約1.13倍、Port Royalで約1.25倍のスコアを記録している。CPUの処理スピードアップと相まって、最新3Dゲームを前モデルよりスムーズに動作させられることは間違いない。

 クリエイティブ系アプリの速度もチェックしてみたところ、Lightroom Classicで100枚のRAW画像(7952×5304ドット)を現像するのに3分49秒93、Premiere Proで5分の4K動画を書き出すのに1分20秒30しかかからなかった。5分の4K動画を実時間の約27%の所要時間で書き出せているのは、かなり優秀な成績だ。CPU、内蔵GPU、外部GPUを合わせて利用することで、4K動画の書き出しという重たい処理を高速に実行しているわけだ。

 なお、最後の書き出しだけでなく、Lightroom Classic、Premier Proによる前段階の編集作業も非常に快適だった。クリエイティブワークの全工程において、M16がプロの要求にも応えるパフォーマンス、操作感を備えている。

CINEBENCH R20のCPU(Multi Core)はM16が5398、M15が3281

CINEBENCH R15のCPU(Multi Core)はM16が2203、M15が1343

3DMarkのTime SpyはM16が9276、M15が7510、Fire StrikeはM16が19991、M15が17686、Port RoyalはM16が5701、M15が4546

Lightroom Classicで100枚のRAW画像(7952×5304ドット)を現像するのにかかった時間は3分49秒93

Premiere Proで5分の4K動画を書き出すのにかかった時間は1分20秒30

アプリにもよるがPremiere Proなどの動画編集ソフトで動画を書き出す際には、CPUとGPUの能力を合わせて利用する。ゲームよりもクリエイティブ系アプリのほうが、ハイパフォーマンスなCPUのメリットを得られる

ピークパワーを維持し続けることが可能な高効率な冷却機構を搭載

 前の章のベンチマークでM16は高性能を発揮したが、それを支えているのは高効率な冷却機構。まずCPUには、従来の冷却グリスと比べて約10度温度を低下させると謳われているThermal Grizzly製液体金属グリスが塗布されている。

 凝縮した薄型シャーシ内を効率的に冷却するために強化されたのがファン。28種類の形状、最薄0.1mmのブレードで構成された84枚ファンが採用されており、エアフローを最大化。エアフローを最大13%増加しつつ、ノイズは逆に最大2dB抑制しているという。また、CPUとGPUの温度が50度以下に低下した場合には、ファンを完全にオフにするというきめ細かな制御も組み込まれている。

 冷却効率がどんなによくてもすぐにメンテナンスが必要なのであれば意味がない。M16は「インワードセルフクリーニング2.0」という最新アンチダストシステムが採用されており、ファンのブレード、ヒートシンクのフィン、その他の冷却部品から異物を排出するように設計されている。

 さて、実際にM16の冷却性能を試すべく、「CINEBENCH R23」実行中のCPU温度とクロック周波数を計測してみたが、CPU温度が最高96度、平均93.11度、クロック周波数が最高4190.3MHz、平均4147.9MHzとなった(室温25.1度で測定)。CPU温度、クロック周波数ともに最高と平均の値が非常に近いので、ピークパワーを維持できていることがわかる。

 最後に「FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION BENCHMARK ver 1.3」実行中のキーボード面と底面の温度も計測してみたが、排気口からの熱気が直接当たっているヒンジ部以外は比較的低めに抑えられていた。夏場も快適に利用できるマシンである。

M16の冷却システムは、ふたつの12Vファンと6本のヒートパイプで構成

液体金属グリスが漏出しないように、CPUは特別なフェンスで囲われている

「CINEBENCH R23」実行中のCPU温度が最高96度、平均93.11度、クロック周波数が最高4190.3MHz、平均4147.9MHz。冷却性能が低いと高負荷時にクロック周波数が大幅に低下するサーマルスロットリング現象が発生することがあるが、今回のテストではそのような挙動は見られなかった

キーボード面の最大温度は60.2度だが、温度が高いのはヒンジ部。キートップやパームレスト部の表面温度は比較的低めだ

底面で最大温度の63.2度を記録しているのは同じくヒンジ部

超高速PCIe 4.0x4接続SSDを搭載
Windowsもアプリの起動も瞬速

 M16はモデルによってストレージの速度と容量が異なっている。用意されているのはPCIe 4.0x4接続の1TB/512GB SSDまたはPCIe 3.0 x4接続の1TB/512GB SSDの計4種類。今回借用した最上位モデルにはPCIe 4.0x4接続の1TB SSD「SAMSUNG MZVL21T0HCLR-00B00」が搭載されていた。

 実効速度をストレージベンチマーク「CrystalDiskMark 8.0.2」で計測したところ、シーケンシャルリード(SEQ1M Q8T1)は6895.88MB/s、シーケンシャルライト(SEQ1M Q8T1)は5231.21MB/sを記録した。同SSDのカタログスペックとほぼ同等のスコアだ。さらにOS、アプリの起動速度を計測したところ、Windows 10は10.65秒、Lightroom Classicは6.9秒、Premiere Proは8.19秒で起動した。まさに瞬速である。

 PCIe 3.0 x4接続のSSDでも実用上十分なパフォーマンスを備えている。しかし、とことん快適な操作感を追求したいのならPCIe 4.0 x4接続のSSDを狙いたいところだ。

PCIe 4.0 x4接続の1TB SSD「SAMSUNG MZVL21T0HCLR-00B00」は、カタログスペックで7000MB/sのシーケンシャルリード、5200MB/sのシーケンシャルライトと謳われている

「CrystalDiskMark 8.0.2」でシーケンシャルリード(SEQ1M Q8T1)は6895.88MB/s、シーケンシャルライト(SEQ1M Q8T1)は5231.21MB/sを記録

Windows 10は10.65秒、Lightroom Classicは6.9秒、Premiere Proは8.19秒で起動

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