週刊アスキー

  • Facebookアイコン
  • Xアイコン
  • RSSフィード

Astell&Kernの最新フラッグシップが香港で公開、クアッドDAC搭載

2021年08月10日 13時00分更新

 先週金曜日に開催された香港AVショウにおいて、Astell & Kernの新しいフラッグシップDAPが発表された。「A&ultima SP2000T」だ。また米国のAstell & Kern代理店ではすでに情報がいくつか公開されている。今回は海外情報を元にこの新しいDAPを紹介する(画像はYouTube動画から引用)。

 大きな特徴はまずAstell & Kernで初めてクアッドDACを搭載していることだ。デュアルDACが2基のDAC ICを並列で使用していたのに対して、クアッドDACでは4基のDAC ICを搭載する。DAC ICはESS製のES9068ASを使用するようだ。ES9068ASは「A&futura SE200」でESS側に採用されているDAC ICでMQAのハードデコード機能を搭載しているモバイル向けDAC ICだ。SE200はES9068ASをデュアルで搭載しているのをSP2000Tではクアッドで搭載するわけだ。これによりSP2000TでもMQAのハードウエアデコードが可能となる。

 従来SP2000では旭化成エレクトロニクス製のDAC ICを採用していたわけだが、これは最近のIC供給事情も関係しているのかもしれない。

 そしてSP2000Tではトリプルアンプ・システムが新たに採用されている。トリプルアンプ・システムとはアンプの出力モードを「真空管モード」「オペアンプモード」「ハイブリッドモード」(オペアンプと真空管の両方)の3種類に切り替えができるというものだ。おそらく名称のTの由来はトリプル(Triple)のT、そして真空管(Tube)のTを意味するのだろう。イヤホン端子には3.5mm、2.5mmバランスの他に4.4mmバランスも採用されている。

 またAstell&Kern製品としてははじめて「リプレイゲイン」機能が搭載されるようだ。リプレイゲインとは曲ごとにある音量(録音レベル)のばらつきを平準化して同じ音量で聞くことができるという機能だ。

 SP2000Tは"A&ultima"の名が冠されているように新しいフラッグシップだが、現在のフラッグシップである「A&ultima SP2000」の延長線上というよりも、新しいアプローチが込められた"A&futura"的な側面もあるユニークな特徴を備えている野心作だ。現在のところわかる情報はこのくらいだが続報を心待ちにしたい。

この記事をシェアしよう

週刊アスキーの最新情報を購読しよう

本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります

この連載の記事