清水建設は8月4日、TOAと共同で、オープンなオフィス空間で交わされる会話音声が周囲に拡散するのを抑制する音環境制御システム「オトノカサ」を発表した。
オトノカサは、放物面状の天井(カサ)と、カサの下で交わされる会話音声を収録するマイク、放物面の焦点からカサに向かって会話音声を拡声するスピーカーで構成される。焦点から放物面に放射された音声は、パラボラアンテナの原理により一様に真下に向かって反射する。拡声された音声はカサの下にいる人にのみ届き、カサの外には広がらないので、周囲に与える影響を最小限に抑制する。
オフィスでの実証実験では、カサの外(カサ端部からおよそ1mの距離)での拡声音の音圧レベルはカサの下(中央部)での測定値よりおよそ10dB低く、物理的な音のエネルギーとしてはおよそ10分の1に抑制できたとしている。
また、会員型コワーキングスペース「point 0 marunouchi」にシステムを試験導入し、実際にカサの下で会話をする話者の音声が無意識に小さくなるという結果が得られたという。
オトノカサの開発にあたっては、清水建設がシステム構成やハウリング対策の考案、TOAがマイクとスピーカーの組み合わせや出力設定の検討を担当した。今後、両社で連携して、コラボレーションエリアを設けるオフィスの新築工事や内装改修工事を主対象にオトノカサの導入提案を積極的に進めていく予定。
週刊アスキーの最新情報を購読しよう
本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります