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ニコン「Z fc」実機レビュー = クラシックカメラの皮をかぶった最新ミラーレス一眼なのだ! - 週刊アスキー

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ASCII Power Review

第137回

ダイヤル操作が楽しいカメラです

ニコン「Z fc」実機レビュー = クラシックカメラの皮をかぶった最新ミラーレス一眼なのだ!

 撮像素子とキットレンズ「NIKKOR Z DX 16-50mmF3.5-6.3 VR」は「Z 50」と変わらないので画質も同等だ。2088万画素と他社のAPS-C機より少し画素数控えめだが、拡大しても細部が精細に再現され解像感に不満を感じることはないだろう。キットレンズは開放で多少の広角側周辺部の乱れや望遠側のF値の暗さは気になるが、沈胴式で収納時はコンパクトになり、カラーも「Z 50」のレンズキットとは異なりシルバーなので、装着したときのバランスやデザインはバッチリだ。

キットズームは沈胴式なので収納時の全長は約32mmとスリムに。

キットレンズのズーム広角側24mm相当で撮影。開放では少し周辺に像の乱れはあるが、F5.6程度まで絞れば改善する。光量低下も的確に補正されている。使用レンズ「NIKKOR Z DX 16-50mmF3.5-6.3 VR」・絞りF5.6・シャッタースピード1/640秒・ISO100・ホワイトバランスオート。

キットレンズのズーム望遠側75mm相当で撮影。開放F6.3と少し暗めだがISO感度を上げて手ブレ補正を頼ればある程度はカバーできる。使用レンズ「NIKKOR Z DX 16-50mmF3.5-6.3 VR」・絞りF6.3・シャッタースピード1/80秒・ISO400・ホワイトバランスオート。

 もう一つのキットレンズ「NIKKOR Z 28mmF2.8 SE」はフルサイズにも対応し、単体価格は3万8500円。高価な製品が多いZマウントの単焦点レンズしてはかなりリーズナブルだ。

 APS-Cでは42mm相当になり、いわゆる標準と呼ばれる50mmより少しだけ広い画角は人間の視野に近くスナップに向いている。実際に撮影した写真を見ると、絞り開放でピントの合った部分のシャープさや、ある程度絞ったときの画面全域で、とにかく良く解像されている。比較的安価でも描写力は優秀だ。

 最短撮影距離が19センチと短いのもポイント。かつて銀塩時代「AI Nikkor 28mmF2.8S」というレンズがあり、当時一般的な28mmの最短が25センチだったのに対し、20センチまで近寄れた。その理由でこのレンズを愛用していた人が多かったことを思いだす。最短距離で撮影した場合、絞り開放ではさすがに描写は甘いがF5.6まで絞ればシャープになる。残念ながら発売延期となったが、すべてのZユーザーにオススメしたいレンズだ。

「NIKKOR Z 28mmF2.8 SE」絞りF5.6で撮影。ビルの間から見える月を拡大してみると、このレンズの解像力がわかるはず。シャッタースピード1/160秒・ISO100・ホワイトバランスオート。

「NIKKOR Z 28mmF2.8 SE」絞りF2.8で撮影。ずば抜けて大口径というわけではないが、ピント部がシャープなのでボケも際立つ。シャッタースピード1/320秒・ISO400・ホワイトバランスオート。

解像力が高いので鉄の質感や塗装の様子などがはっきり見える。使用レンズ「NIKKOR Z 28mmF2.8 SE」・絞りF5.6・シャッタースピード1/125秒・ISO200・ホワイトバランスオート。

晴天の日中で明暗差もあるが、ハイライトからシャドーまで豊富な階調で再現されている。使用レンズ「NIKKOR Z 28mmF2.8 SE」・絞りF5.6・シャッタースピード1/320秒・ISO100・ホワイトバランスオート。

「NIKKOR Z 28mmF2.8 SE」の最短撮影距離で撮影し、絞り値による描写の違いを比較。

上記の写真の一部を拡大(左からF2.8、F4、F5.6)。やはりF2.8では描写は甘いが、F4になるとかなり向上する。F5.6では被写界深度も深くなりシャープに感じる。

 今回は6月25日に発売されたZマウント待望のマイクロレンズ(ニコンではマクロでななくマイクロと呼ぶ)「NIKKOR Z MC 50mmF2.8」(量販店価格8万4700円)も試用した。APS-Cでは75mm相当の中望遠になる。近接撮影でも絞り開放からシャープな写りで、さすがマイクロレンズといった描写が楽しめた。

 余談だがマイクロレンズでは撮影距離が近くなるほど光量低下で露出が暗くなる(露出倍数といい撮影倍率1/2倍で約1EV、等倍では2EVほど)が、ニコンのAF以降のマイクロレンズは露出倍数を加味したF値表示になるのが特徴である。

 例えばピントが無限大では開放はF2.8だが等倍になる最短撮影距離では開放がF5.6になる。この機能、実は製品撮影などをするプロのカメラマンにとってはとても便利なのだが、なぜかニコンしか採用していない。この場を借りて他社メーカーにも是非採用の検討を願いたい。

「Z fc」に「NIKKOR Z MC 50mmF2.8」を装着した状態。少し鏡筒が太目だがバランスは悪くない。ただどちらも手ブレ補正がないのでブレには注意したい。

「NIKKOR Z MC 50mmF2.8」の絞り開放で撮影。ピント部のシャープさが半端ない。絞りF5.6・シャッタースピード1/640秒・ISO400・ホワイトバランスオート。

遠景でもビルの細部を見ると精細に写しだしている。使用レンズ「NIKKOR Z MC 50mmF2.8」絞りF2.8・シャッタースピード1/4000秒・ISO100・ホワイトバランスオート。

コチラもピント部の描写に注目。石造の質感が立体的に再現されている。「NIKKOR Z MC 50mmF2.8」絞りF3.5・シャッタースピード1/400秒・ISO100・ホワイトバランスオート。

水飛沫のピントが合った部分とボケの組み合わせが不思議な印象に。「NIKKOR Z MC 50mmF2.8」絞りF3.5・シャッタースピード1/4000秒・ISO400・ホワイトバランスオート。

絞りF16で撮影してみたが、回折現象による描写の甘さはほとんど感じない。(回折補正をONに設定)「NIKKOR Z MC 50mmF2.8」絞りF16・シャッタースピード1/250秒・ISO100・ホワイトバランスオート。

近接撮影時にレンズが繰り出すと撮影距離に加え撮影倍率の値も表示される。

 高感度の画質は画素数が控えめのおかげか余裕があり、ISO3200くらいからノイズは確認できるが気になる程ではなく、ISO6400でも安心して常用できAPS-C機にしては優秀だ。「Z fc」と「28mmF2.8」の組み合わせのように、共に手ブレ補正機能非搭載でも、高感度でシャッタースピードを速くしてカバーすることができる。

ISO感度別に撮影した画像の一部を拡大して比較。左上からISO800、ISO1600、ISO3200、ISO6400、ISO12800、ISO25600。使用レンズ「NIKKOR Z DX 16-50mmF3.5-6.3 VR」・絞り5.6・ホワイトバランスオート・ノイズ処理標準。

比較的明るい街中の夜間ならISO6400の感度とF2.8の絞り値で十分スナップを楽しめる。使用レンズ「NIKKOR Z 28mmF2.8 SE」・絞りF2.8・シャッタースピード1/100秒・ISO6400・ホワイトバランスオート・ノイズ処理標準。

ISO12800で撮影。多少画質劣化はあるが、まだ許容でき範囲。使用レンズ「NIKKOR Z 28mmF2.8 SE」・絞りF2.8・シャッタースピード1/50秒・ISO12800・ホワイトバランスオート・ノイズ処理標準。

ISO25600になると細部の描写が怪しくなってくる。この写真では解像感保持のためノイズ処理を弱に設定した。使用レンズ「NIKKOR Z 28mmF2.8 SE」・絞りF2.8・シャッタースピード1/60秒・ISO25600・ホワイトバランスオート・ノイズ処理弱。

もちろん写りはZクオリティ
グリップはやはり欲しくなる


 実際に撮り歩いてみた感想としては、最新機種に慣れていることもあり、グリップレスはホールド感が少し不安定で、アナログなダイヤル類も即座に操作するのに向いているとは言い難い。

 考えてみれば兄弟機の「Z 50」は「FM」から20年以上の月日を掛けて進化した最先端のカメラである。利便性を求めるなら「Z 50」のほうが優れているのは当然だ。

 しかしカメラはしっかりと構える。絞りやシャッタースピードを調整し露出を合わせる。このような基本的な手順を改めて意識して撮影するのは思いのほか楽しかった。

 利便性なら「Z 50」、趣味性なら「Z fc」と、選べるラインナップができたのはユーザーにとって嬉しいこと。昔からのニコンファンはもちろん、これからカメラを学びたい人も、この2台には注目して欲しい。

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