東京大学とIBMは7月27日、「新川崎・創造のもり かわさき新産業創造センター(KBIC)」において、日本初というゲート型商用量子コンピューティング・システム「IBM Quantum System One」の稼働を開始した。
本システムの稼働は、2019年12月にIBMと東京大学で発表した「Japan–IBM Quantum Partnership」に基づくもので、東京大学が本システムの占有使用権を有する。東京大学は本システムを活用し、企業、公的団体や大学等研究機関と量子コンピューターの利活用に関する協力を進めていく。
「新川崎・創造のもり」地区に位置する産学交流によるインキュベーション施設であるKBICは、川崎市の全面的な支援により、電気、冷却水、ガス等のインフラの安定供給や耐振動環境といった量子コンピューターの常時安定稼働に必要となる最適な環境を備える。
東京大学、川崎市、日本IBMは、量子コンピューティング技術の普及と発展に関する基本協定書を6月に締結し、量子コンピューターの安定稼働、利活用の拡大や普及促進、人材育成について、引き続き協力していく。
本システムの稼働に加えて、東京大学とIBMは、量子コンピューターの普及と発展に向けた活動を強化する取り組みを実施する。量子コンピューター技術の研究・開発を行うハードウェア・テストセンター「The University of Tokyo – IBM Quantum Hardware Test Center」を、東京大学 浅野キャンパス内に6月に開設した。
また、東京大学が設立した「量子イノベーションイニシアティブ協議会」の会員企業の方々の交流・情報共有の場として自由に活用する目的で、「コラボレーションセンター(仮称)」を東京大学本郷キャンパス(理学部1号館10階)に本年8月中旬に設置する予定。
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