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真夏の猫を快適に撮影すべく早朝にオリンパス「E-M1 II」持って出発!

2021年07月27日 12時00分更新

まだ瓦が熱くない早朝ならではの真夏の屋根猫。午前5時22分である。真冬だと真っ昼間にここで寝てたりするのだけどね。2021年7月 オリンパス OM-D E-M1 Mark II

 真夏、街の隙間で生きてる猫と出会いたいなら早朝が一番、という。口で「早朝がおすすめ」と言うのは簡単だけど、個人的に早朝は確実に寝ているので、基本的に「言うだけ」……なんだが、新型コロナウイルスのワクチンを打った日の夜、ちょっとだるかったので早々に寝たら、日の出前に目が覚めちゃったのである。

 ではいっちょ、カメラを持って散歩に行くか、と家を出たのが午前5時。バッグに入れたのはオリンパスのE-M1 IIと定番の12-100mm。それから映える写真を撮れそうなときのために、56mm F1.4の単焦点レンズも。

 散歩してる爺さま婆さまや、早朝ジョギングしてる人にしか出会わない住宅街を進むと、公園の真ん中でたたずんでる爺さまがいて、ふと気になって目をやると足元に猫がいるではないか。さっそく爺さまに話しかけてみると、近所に住んでいてこのハチワレ(まつ、と呼んでいた)を飼ってるらしい。猫と散歩に来てるのか、昔ながらの放し飼いで猫が普段この辺をうろうろしてるのかよくわからないけれども、わたしが近づいても足元にちょこんと座ってる。

人に慣れてる猫だったのでF1.4のレンズに交換して正面からほわっと撮ってみた。めちゃきれいなハチワレ。雌猫だそうな。2021年7月 オリンパス OM-D E-M1 Mark II

 この公園、昼間に猫を見ることはまずないのだけど、誰もいない早朝は話が別。それでも爺さまによると、猫も減ったねえ、という。交通事故で死んだり誰かに引き取られたりしたんだそうな。

 ハチワレを撮ってると、その爺さまが向こうを指差す。そちらに目をやるとぷくぷくしたチャトラが。この猫、坂の上の家が飼ってるんだけど(たぶん、世話してるくらいの意味)、いつもうちにくるんだよという。

めちゃ割腹の良いふくふくしたチャトラ。このあたりに兄弟で住んでいて、もう片方は人に慣れてないそうな(遠くを走っていくのが見えた)。2021年7月 オリンパス OM-D E-M1 Mark II

 爺さまと猫談議しながら撮影してると、遠くから「ひさしぶりー」と挨拶しながら歩いてくるおっさんがいる。顔なじみらしい。彼が公園に入ってくるとハチワレがとことこと近づいていってこのありさまである。

おっさんがしゃがんで手を出すと、素直に撫でられるのだった。めちゃ気持ちよさそう。2021年7月 オリンパス OM-D E-M1 Mark II

 早朝の公園猫コミュニティがあるのだ。こういうことがあるから午前5時の散歩って面白い。にしても、みんな早起きだな。公園を出てぶらぶら歩く、いや自転車だったのでたらたら走ってると、屋根の上に一箇所だけ違う色を発見。猫である。午前5時22分。それが冒頭写真。

 この屋根、真冬に猫が昼寝してるのを見たことがあるが、夏は絶対に上らない。南向きでめちゃ暑いから。幸先いい早朝である。続いてミケとサビの中間のような猫が階段でくつろいでるのを発見。最近見かけなかったのでどうしてるのかなと思ったら、なんのことはない、早朝ならいるのだ。

 手前に赤く見えているのは小さな稲荷の鳥居だ。そっと近づくと目を覚ましてこっちをじろっとにらんできた。

階段の手すりの隙間からじろっと睨まれてしまった。鳥居の赤がちょっと入るアングルで撮影。2021年7月 オリンパス OM-D E-M1 Mark II

 警戒心強そうなのでちょっとだけ挨拶して移動する。さらに自転車で足を伸ばして普段は行かないエリアへ入ると、小さな四角い公園がある。普段ならさっと通り過ぎてしまうところだが、公園の入口辺りに、猫に餌をあげてる人への注意書きが書かれた板が。ってことはこの辺にいるのかな、と見回すと、砂場にあやしい猫影が。

公園の砂場で寝てたチャトラ。こんな目立つところにいても平気な早朝。2021年7月 オリンパス OM-D E-M1 Mark II

 最近の公園の砂場は、目の細かい網がかけられており、遊ぶときだけ剥がすようになってる。猫がそこをトイレにしちゃうからだ。で、猫はといえば、その網の上でくつろいでたりするのである。人に慣れてそうなチャトラなので、砂場脇のベンチに座って撮影。ちゃんとカメラ目線をくれた。

ちゃんと耳がカットされている地域猫。めちゃ健康そうで何よりである。2021年7月 オリンパス OM-D E-M1 Mark II

 そうこうしているうちに午前6時半。気温も上がり、湿気でじとっとしてきたので帰ることにする。せっかくなので普段は通らない道を走ろうと農地から住宅街へ変貌を遂げた生活道に入り込むと、視界の隅に違和感が。

 自転車を止めてちょっと戻ると、住宅への行き止まりの路地にりっぱなサビネコがくつろいでるではないか。そっと正面に回り、地面すれすれにカメラを構えて這いつくばってにらめっこである。ちょっと立てた右前足がカッコいい。人通りが少ないドンツキの真ん中で猫がくつろいでるってよくあるんだけど、真夏に限っては早朝と夕刻ならではだ。

カッコいいサビネコ。特にいつでも動けるぞ、といいたげな右前足がいい。2021年7月 オリンパス OM-D E-M1 Mark II

 このサビネコ、突然動き出したので邪魔しちゃったかなと思ったら、早朝犬散歩の人がやってきたのだった。さすがに犬が来たら警戒するわな。

 ではまたな、って感じで辞去し、そういえばこの辺にあった古い木造家屋によく猫がいたなと思って立ち寄ったら更地になってて驚いたりしつつ、帰宅したら午前7時。よい早朝散歩であったなあ、さあ撮った写真をパソコンに吸い上げるか、ってんでコピーしてる間につい二度寝しちゃったのは内緒です(これ、二度寝っていうんだろうか)。

 というわけで、真夏の猫散歩は早朝に限る……ただし、日の出直後には出発したいので無理しないように、ということで。

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筆者紹介─荻窪圭

 
著者近影 荻窪圭

老舗のデジタル系ライターだが、最近はMacとデジカメがメイン。ウェブ媒体やカメラ雑誌などに連載を持ちつつ、毎月何かしらの新型デジカメをレビューをしている。趣味はネコと自転車と古道散歩。単行本は『ともかくもっとカッコイイ写真が撮りたい!』(MdN。共著)、『デジカメ撮影の知恵 (宝島社新書) (宝島社新書)』(宝島社新書)、『デジタル一眼レフカメラが上手くなる本』(翔泳社。共著)、『東京古道散歩』(中経文庫)、『古地図とめぐる東京歴史探訪』(ソフトバンク新書)、『古地図でめぐる今昔 東京さんぽガイド 』(玄光社MOOK)。Twitterアカウント @ogikubokei。ブログは http://ogikubokei.blogspot.com/

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