ADATAのゲーミングブランドXPGがリリースする小型PC「XPG GAIA Mini PC」。XPGと言えば、メモリー、ストレージを始めとする自作PC用パーツや周辺機器などのイメージが強いが、こちらは完成品のPCだ。
容積約5リットルのコンパクトな本体に、モバイル向けの高性能CPU、Thunderbolt 3などの豊富なインターフェースを備えることに加え、ビデオカードも追加できる拡張性を備えるのが魅力だ。
ラインナップは、Core i9モデル(GAIAI9G9HK630L9-BKCJP)とCore i7モデル(GAIAI7G9H630L9-BKCJP)の2モデル。ASCII.jpではすでにCore i9モデルをレビューしているが、今回は12万8000円と価格的にお買い得感がさらに高くなっているCore i7モデルをレビューしつつ、その便利な使い道についても考えていきたい。
約5リットルのクールなボディーに高いスペックを盛り込んだ1台
XPG GAIA Mini PCの基本的な部分は以前にレビューしたCore i9モデルと共通となっている。ボディーはインテルのNUCベアボーンキットがベース。「Ghost Canyon」の開発コードネームでも知られる「NUC9 Extreme Kit(BXNUC9i7QNX)」を採用している。
スカルマークをデザインしたメッシュ仕様のサイドパネル、トップカバーの排気口など、ゲーミング的な見た目の良さと機能性を両立したデザインとなっている。
具体的なサイズは、238×216×96mm、容積にすると約5リットルだ。重さも約3.23kgと軽量で扱いやすい。
高速ネットワーク、高速インターフェイスに対応
さまざまなジャンルの周辺機器を容易に接続可能
豊富なインターフェースも本機の特徴。Thunderbolt 3(Type-C)を2基、Type-AのUSB 3.1は6基使える。最近のノートPCでは省かれがちなフルサイズのSDメモリーカードリーダーを搭載し、SDXCの高速規格であるUHS-IIにも対応。大容量の写真データなども高速にコピーできる。
ディスプレー出力は、前述のThunderbolt 3(DisplayPort Alt Mode)のほかに、HDMI 2.0aも別途搭載しており、4K/60HzでHDR表示が可能だ。
ネットワーク周りでは、Wi-Fi 6対応の無線LANを標準装備。Wi-Fi 6は、先代のWi-Fi 5から通信の仕組みを改良しており、複数のデバイスが同時に通信する状態でも安定して高速な通信ができるアドバンテージがある。
大容量32GBメモリーと2TB PCIe SSDを搭載
標準で余裕のある容量だが、さらなる追加も可能
今回の評価機であるCore i7モデルは、CPUにCore i7-9750Hを搭載する。ゲーミングノートPCやクリエイターノートPCで搭載例の多いCPUだ。2世代前ではあるが、6コア12スレッドで最大周波数4.5GHzとパワフルな仕様で、ビジネス、ゲーム、クリエイティブなど、幅広い用途を快適にこなせる。
標準搭載のメモリとストレージはXPGブランドで統一。メモリはDDR4-3200(PC4-25600 SO-DIMM)が32GB(16GB×2)、ストレージは「XPG SX8200 Pro」の2TBモデルを搭載する。
XPG SX8200 Proは、3D TLC NANDフラッシュメモリとDRAMキャッシュを搭載した堅実設計のメインストリームモデルで、PCI Express 3.0 x4対応SSDとしてはトップクラスの性能を持っている。
拡張性も十分! M.2 SSDやビデオカードを追加可能
本機の魅力として、これだけの小型サイズにも関わらず、さらなる拡張の余地が残されていることも見逃せない。標準の2TBに加えて、比較的アクセスしやすい場所にM.2ソケットが2基空いているので追加が可能だ。
また、PCI Express x16スロットとオープンタイプのPCI Express x4スロット(x8やx16形状のカードも利用可能)が空いており、拡張カードの追加が可能。
2スロット占有タイプのビデオカードなら1枚、ストレージやサウンドカードなら2枚追加できる。長さは207mmまで対応している。
標準搭載の電源も500Wタイプで、グラボ用の電源コネクタも用意されているので、サイズさえ合えばミドルレンジ上位クラスまでは対応できる。IntelのNUCベアボーンキットをベースにしているため、交換や増設作業もスムーズだ。
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