FPSで240Hzゲーミングも狙える性能
実際のゲームではどうなのか、各種ゲームで検証してみよう。まず定番の「ファイナルファンタジーXIV: 漆黒のヴィランズ ベンチマーク」から。今回は、グラフィック設定を「最高品質」に設定し、フルHD、WQHD、4Kの3つの解像度でテストした。
スクウェア・エニックスの定める指標では、このベンチマークでスコアー7000以上が最高評価になるので、いずれの解像度でも大きくこれを上回っている。平均フレームレートで見ると、フルHDとWQHDでは100fpsを大きく超えており、4Kでも60fpsをしっかりと超えている。
また、MMORPGであればキャラクターの多い場面など高負荷な環境での動作が気になるところだが、最小フレームレートにおいてはフルHDとWQHDで60fps程度なので常時快適と言える値。4Kの場合はさすがにヌルヌルとまでとは言わないが、特に重い部分での動作と考えれば、ある程度プレイ可能な値を出せている。
また、7月11日に登場した新バージョン「ファイナルファンタジーXIV: 暁月のフィナーレ ベンチマーク」でも計測してみたところ、最高品質設定では上記のようになった。このバージョンでは、スコアー15000以上で最高評価の「非常に快適」となるので、4Kでは1段階下の「とても快適」評価になっている。
ただ、それぞれのフレームレートのグラフを見てみると、特に大きく変化しているというほどでもないので、漆黒のヴィランズ ベンチマークに比べて評価基準が厳しくなったということだろう。
次に、同じくMMORPGのタイトルとして、6月にリリースされた「PSO2 ニュージェネシス」の公式ベンチマークも試してみた。グラフィック設定は、プリセットの中から最大となる「6:ウルトラ」を選択。ゲーム内オプションでは解像度を変更できないため、推奨フルスクリーン表示で、Windows設定から画面解像度をフルHD、WQHD、4Kに変更して測定した。
結果はグラフの通り。本ベンチマークではスコアー5000以下はグラフィック設定の変更を推奨、5001~10000までが「標準的な動作」、10001以上が「快適に動作」と評価している。つまり本機の場合、WQHD以下なら快適な動作が見込めるという評価だ。
実際にゲームをプレイした際のフレームレートも「CapFrameX」で計ってみた。グラフィック設定は先ほどと同じくウルトラで、「セントラルシティ」とその周辺のフィールドを含む一定のルートを1分間走った場合を計測している。CPUなどボトルネックになっている部分があるのか、フルHDとWQHDでは差がほとんどつかず、平均でおよそ90fpsほど。4Kでは67fpsほどになった。
他プレイヤーやエネミーの有無によっても変わってくるため、あくまで参考値ではあるが、ベンチマークのスコアー通り、WQHD以下ならほとんどの場合で快適に動作すると考えられる。
人気FPSゲーム「Apex Legends」のパフォーマンスもチェックしてみた。今回はグラフィック設定で負荷が最大になるよう設定。射撃訓練場において一定のコースを移動した後に「バンガロール」のスモークの中に入り、そこでスモークが晴れるまで待つという一連の行動をとった時のフレームレートをCapFrameXで計測している。
フルHDであれば、最小1%のフレームレートでも144fps以上の値をマークしており、リフレッシュレート144Hzのゲーミングディスプレーを使用しても、安定して高フレームレートのゲームプレイを楽しめそうだ。4Kでも平均で120fpsを超えており、快適に遊べるだけのパフォーマンスも持っていると言える。
続いて、「レインボーシックス シージ」でもフレームレートを計測してみた。グラフィックスAPIは「Vulkan」を選択し、画質は総合品質「最高」からレンダリングのスケーリングを「100」に変更したうえで、ゲーム内のベンチマーク機能を使って計測した。
もともと軽量級のタイトルであることもあり、どの解像度でも高いフレームレートを記録している。WQHD以下であれば安定して250fps以上のパフォーマンスを発揮しており、240Hz以上のハイリフレッシュレートディスプレーを使うことで、ゲーム内でより有利に立ち回ることも可能になるだろう。
次に、リアルタイムレイトレーシングに対応した「フォートナイト」でもフレームレートを計ってみた。APIをDirectX 12、画質のクオリティプリセットを最大に設定。レイトレーシングを活用したエフェクトが多く使われているNVIDIA公式のカスタムマップ「RTX Treasure Run」の一定コースを周回した際のフレームレートを、CapFrameXで計測した。レイトレーシング有効時には、設定はすべて最高とし、NVIDIAの描画負荷軽減機能「DLSS」の設定を「バランス」で計測している。
レイトレーシングなしだと、4Kでも平均で60fps近いフレームレートを発揮しているのは優秀な結果。一方のレイトレーシングありだと、フルHDなら遊べるレベルのパフォーマンスだ。バトルロイヤルモードであればレイトレーシングを使うのは難しいが、クリエイティブモードでレイトレーシングの光の表現を楽しむことは可能だろう。
フルHD~WQHDで高フレームレートを目指す人にオススメ
GeForce RTX 3070は、WQHDゲーミング向けのGPUという位置づけだったが、RTX 3070 Tiもターゲット層は近い。フルHD~WQHDの解像度で、より高いフレームレートを目指すゲーマー向きのGPUと言える。
4KでのゲームプレイではRTX 3080以上のGPUほどとはいかないが、競技性の高いFPSゲームなどでより高いパフォーマンスを目指したい人にとっては、価格と性能のバランスが取れた製品になっている。
そんなRTX 3070 Tiを搭載するPG-PFTは、人気の高いFPSゲームタイトルを本格的にやり込んでいきたいといったコアなゲーマーも納得のいくパフォーマンスを備えたモデルだ。前世代のエントリー~ミドル級のGPUを使用していて、一歩上の環境を目指したいという人にとっては、食指が動く一台になるだろう。
週刊アスキーの最新情報を購読しよう