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連載:【都庁でやってみた!自主勉強会】ダッシュボードを活用したアクセス解析実践講座 東京都のデジタルシフト最前線・インタビュー Vol.1

2021年06月30日 10時00分更新

※新型コロナウイルスに関係する内容の可能性がある記事です。

新型コロナウイルス感染症については、必ず1次情報として厚生労働省や首相官邸のウェブサイトなど公的機関で発表されている発生状況やQ&A、相談窓口の情報もご確認ください。またコロナワクチンに関する情報は首相官邸のウェブサイトをご確認ください。※非常時のため、すべての関連記事に本注意書きを一時的に出しています。

 東京都 デジタルサービス局 デジタルサービス推進部です。(旧 次世代通信推進課note)。デジタルサービス局は、デジタルの力を活用した行政を総合的に推進し、都政のQOSを飛躍的に向上させるため、新たに設置した組織です。その中で、ネットワーク推進課は、東京の成長戦略やICT利活用の更なる推進のため、2019年(平成31年)4月に新たに設置された組織です。その中で、次世代通信推進課は、TOKYO Data Highwayの構築を推進し、いつでも、誰でも、どこでも「つながる東京」の実現に向け、取り組んでいます。

 都民の皆様がどこにいてもサクサクつながる環境を構築するため、全国初となる5Gアンテナ基地局を搭載するスマートポールの試行設置や通信事業者が5Gアンテナ基地局を設置しやすいように、行政財産を開放するなど様々な取組みを展開しています。こうした日々の取組みを都民の皆様に情報発信していきます。

前回の紹介記事はこちら。

【連載】データ利活用実証プロジェクト報告 5/5(NEC)

※過去の連載記事はこちら:東京都 デジタルサービス局 デジタルサービス推進部ネットワーク推進室(旧 次世代通信推進課note)連動企画

 改めまして、東京都のデジタルシフト推進を担当しております西村 唯と申します。

 デジタルの力で東京のポテンシャルを引き出す「スマート東京」の実現に向けて、様々なチャレンジを都庁で行なっております。

 一緒にチャレンジしている都職員の取組と生の声をお届けしたいと思い、インタビュー形式にしてnoteで情報発信する企画を考えました。出来る限り多くのチャレンジをご紹介したく、4回に分けた連載形式でお伝えします。

 Vol.1は有志のデジタルシフト推進担当3名で「自主勉強会を都庁でやってみた!」の取組となります。

 デジタルシフト推進担当の私達は「特定任期付」の都職員です。私達が任期を終える時迄に都庁に何を残せるのか、都庁に何を残すべきかと考えた時に「都庁のデジタル人財を増やす」という想いが合致したのが、自主勉強会を開催したキッカケでした。

 そこで今回は「ダッシュボードを活用したアクセス解析実践講座」に参加された大石 晴日さんと、講師を務めた内田 康雄さんにお話を伺いました。

Vol.1の話し手

東京都 戦略政策情報本部 内田担当課長(右)、大石主事(左)
※撮影時のみマスクを外しています

唯:まず初めにお二人の簡単な自己紹介をお願いします。

晴日:次世代通信推進担当の大石です。私は今年の4月に新規採用された一年目職員で、去年の3月までは理系の学生でした。

 現在は5G環境の整備促進を担当している部署で仕事をしていまして、通信事業者からのアンテナ設置の申請や問合せに一括で対応する「5Gアンテナ基地局等設置ワンストップ窓口」の運営などに携わっています。

内田:デジタルシフト推進担当課長の内田です。戦略事業部で色々なデータ関連事業に携わりながら、新型コロナ関連を含めたウェブサイトのグロースハックと技術面での支援、今回のようなアクセス解析の運用などを通じたデジタルサービスの改善活動を行なっています。

 前職では、ネット広告会社やマーケティングの支援会社で法人向けにデータの使い方のアドバイスや、デジタルマーケティングのコンサルティングなどをしていました。

なぜ、自主勉強会をやってみたのか?

唯:お二人とも自己紹介ありがとうございます。それでは、本題に入りましょう。まずは内田さんに伺います。なぜ、今回の自主勉強会を実施されたのでしょうか?

内田:直接のきっかけは唯さんからの呼びかけでしたが(笑)、以前別のnote(https://note.com/smart_tokyo/n/ned6fe63b8794)でも書きましたがスマートなウェブサイトを作るためにはリリース後も改善し続けることが大事であり、アクセス解析(ウェブアナリティクス)に継続的に取り組むことはその第一歩だと思っています。その方法論を、感度が高い若手の方に伝えることに意義を感じて快諾しました。

 また、いわゆるDXを声高に叫んでも、突然変えていくことは難しいと思います。であれば、まずは見やすくわかりやすいダッシュボードを自ら作り、ツールを使うことを通じて個々人から「習慣を変えていこう」という発信をしたつもりでした。

 毎日のようにどれだけの人がサイトに来ているかを観測する「習慣」を持つことで、データで対応や結果を判断するように「行動」が変わる。そうすれば、ユーザーにどんな方法で伝えて、ニーズにどう応えていくかという顧客のための改善視点が生まれて、「意識」が変わっていくはず。

 実際に、唯さんが声を掛けて集まったメンバーの目を見ると、そうしたチャレンジ精神のある人達だと感じました。

唯:「習慣」を持つことで「行動」が変わる、なるほど。たしかにそうですね。この習慣を「変えていこう!」と思えるキッカケが必要ですね。

※アクセス解析とは: ウェブサイトの最適化のため、アクセスして来たユーザーの行動を分析すること

なぜ、自主勉強会に参加してみたのか?

唯:それでは、晴日さんはなぜ今回の勉強会に参加されたのでしょうか?

晴日:自分もキッカケは唯さんに「Googleデータポータルのハンズオン勉強会に興味ある?」とお声掛け頂いたことです。

 ウェブサイトなどのアクセス解析に興味はあったのですが、日常の業務でも使う機会があまりなく、一から自分で勉強しようと思うとハードルが高そうで、なかなか手が出せていない状況でした。

 今回の勉強会はハンズオン形式ということで、実際にアクセス解析を体験しながら学べる機会はなかなかないと思い、思い切って参加することにしました。

学んだことや気づき

Googleデータポータル ダッシュボード(デモ画面用サンプルデータ)

唯:そうでしたね。以前から、晴日さんがアクセス解析に興味があると伺っていたのでお誘いしました。ハンズオン形式での勉強会に参加されてみて、学んだことや気づきはありましたか?

晴日:ウェブサイトを運営する上でアクセス解析によってデータで「視える化」することは、行政にとって重要な指標になると実感しました。

 ウェブサイトに訪れた人がどこから来て、どこを経由して、何をしたのか。これらを知ることはユーザーの目線に立つ、つまり都民の目線に立って「QOL(Quality of Life)・QOS(Quality of Service)」の向上を目指していく我々の仕事には必要不可欠なことだなと感じました。

 ウェブサイトひとつとっても、ユーザー視点で小さな改善を積み重ねることの大切さが学べました!

唯:データで「視える化」すること、「ユーザー視点で改善し続ける」こと、いずれも重要なことですね。

難しかったことや苦戦したことは?

唯:今回は座学だけではなく「ハンズオン形式」の実践講座でしたが、難しかったことや苦戦したことはありましたか?

晴日:難しかった点は、分析において色々な指標があることです。実際にGoogleデータポータルを触ったときに、様々なパラメータを組み合わせてグラフや表を作成することができたので、初めはどれを使ったらいいのか迷ってしまうかも…と感じました。

 自分がどんな情報が欲しいかをしっかりと定めて、それに必要な指標を取捨選択することが大切だと思いますが、やっているうちに慣れてくる部分もあるのでしょうか…?

唯:まずはやってみる!習うより、慣れる」が大事だと、僕は思っています。 また貴重なフィードバック、ありがとうございます。今後の勉強会に反映していきたいと思います。

ダッシュボードを活用したアクセス解析の活用イメージ

唯:ダッシュボードを活用したアクセス解析ですが、担当されている事業にどのように活用していけそうですか?

晴日:現在ワンストップ窓口では、5Gアンテナ基地局等設置を更に促進するために、運営しているなかで得られた経験やノウハウを全国の自治体へ展開していく取組を行なっています。

 全国展開を行なう上で、どこの地域(わかるのであれば自治体)からのアクセスが多いのか、またユーザーの興味関心度みたいなものがわかれば、こちらからもアプローチしやすくなり、とても有益な情報になると思います!

唯:それは素晴らしい取組ですね!全国の自治体への展開に向けて、一緒にチャレンジしていきましょう!

今後の活動予定について

唯:それでは最後に、勉強会に参加いただいた晴日さんから生の声を聞くことができましたが、内田さんのネクストアクションをお聞かせ下さい。

内田:自主勉強会なので、業務の隙間や終了時間を使うことになると思いますが、若手職員以外でも「前のめりな人」を対象に、今年度さらにもう一回参加者を広げてやってみようと計画しています。

 担当するウェブサイトがありダッシュボードに利用価値を感じている人、この会の文脈に共感頂ける「実践者」志向の人などに集まってもらって、できるだけフラットな雰囲気でやりたいなと。

 あとは受講後のアンケートも行なっていますが、受講者からニーズがあったテーマについて深掘りする、キャッチアップの場を作ってもいいかもしれません。

唯:一方通行にならず、双方向でキャッチボールできる場やコミュニティ形成にもチャレンジしていきたいですね。

 また、デジタルシフト推進担当の仲間達をもっと巻き込んで、このような自主勉強会を都庁で増やしていきたいですね。引き続き、デジタル人財を爆増できるように頑張っていきましょう!!

 大石さん・内田さん、本日は貴重なお話、どうもありがとうございました! 

 東京都のデジタルシフト最前線・インタビューを、現場からお伝えしました。

 次回は【都庁でやってみた!KPT】振り返りと改善をお届けいたします。

 Vol.2に続く(https://note.com/smart_tokyo/n/nb25732e7d88a

左から内田担当課長、大石主事、西村担当課長、岡田担当課長
※撮影時のみマスクを外しています

■話し手
大石 晴日:戦略政策情報推進本部 ICT推進部 次世代通信推進課 次世代通信推進担当 主事
2020年入庁。5Gアンテナ基地局等設置ワンストップ窓口、店舗型東京版新型コロナ見守りサービス等を担当

内田 康雄:戦略政策情報推進本部 デジタルシフト推進担当課長
2019年入庁。官民データプラットフォームのポリシー策定、行政手続きのデジタル化、東京テックチーム、オンライン広報、KPIダッシュボードや対話型開発手法の推進等を担当

■聞き手
西村 唯:戦略政策情報推進本部 デジタルシフト推進担当課長
2019年入庁。西新宿スマートシティPJ、東京テックチーム、つながる東京、東京都各局のDX支援、東京都新型コロナウイルス感染症対策サイト等を担当

■撮影
岡田 拓:戦略政策情報推進本部 ICT推進部 次世代通信課 次世代通信担当 主事
2018年入庁。西新宿スマートシティPJ、5G等の整備促進に係るスマートポール事業、都民向け5G等普及啓発イベント等を担当

◆この記事は、下記より転載しています
https://note.com/smart_tokyo

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