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コロナ禍で伸びた商品・沈んだ商品~有機ELテレビが前年比1.5倍、カメラは半減

2021年06月21日 10時00分更新

 BCNは、同社が全国24社、2690店舗から集計している販売データをもとに、コロナ禍において「伸びた商品」「沈んだ商品」を発表した。2021年1月~5月の販売台数データと、新型コロナウイルスの影響がなかった2年前の2019年1~5月の販売台数を比較している。

巣ごもり、リモートワークの影響が顕著に

 市場全体の約8割を占める主要21カテゴリーのなかで、最も伸びているのは「有機ELテレビ」で117.5%増となり、2.2倍の市場成長を達成。次いで、「液晶ディスプレイ」の55.7%増、「無線LAN機器」の47.1%増、「SSD」の32.4%増、「ヘッドセット」の29.1%増となった。また、「ノートパソコン」は29.1%増で6位、「液晶テレビ」は8.9%増で8位となった。

コロナ禍において「伸びた商品」「沈んだ商品」

 BCNアナリストの道越一郎氏は、「テレビは、2011年の地デジへの完全移行時の買い替え需要の活性化、10万円の特別定額給付金の活用、プレミアムテレビを求める動きが活発化したことなどの要素に対して、その受け皿として有機ELテレビが売れたとみている。テレビ市場でトップシェアを持つシャープが有機ELテレビを発売したことも大きい」とする一方、「液晶ディスプレイ、無線LAN機器、SSDは、テレワーク需要によるものである。とくに、液晶ディスプレイは、デュアルディスプレイとしての利用や、画面が小さいノートPCを家庭でつないで利用したりといったニーズのほか、ゲーム需要も影響している。無線LAN機器は、速度が遅いルータを買い替えたり、電波が届きにくい場所を無くすために買い替えたりといったことが多かった。SSDは、既存のハードディスクの置き換え用途が多く、高速に動作する点が評価されており、とくに、今年に入ってから成長しているカテゴリーである。ヘッドセットは、AirPodsの貢献が大きいが、テレワークでの利用もある」とした。

 伸びた商品カテゴリーを見ると、6位のノートパソコンを含めて、テレワーク関連製品が占めているのがわかる。

 一方で、最も落ち込んだのは、「デジタルビデオカメラ」であり、52.8%減と半減以下になった。また、「デジタルカメラ」が50.1%減、「交換レンズ」が44.5%減、「スマートフォンケース」が17.4%減、「DVDメディア」が16.8%減となった。

 「カメラは、コロナ禍で最も影響を受けたカテゴリー。デジタルビデオカメラは、ミラーレスカメラのビデオ機能が進化したり、長回しする用途が減ったりしたため、存在意義が薄れてきている。アクションカメラなどの新たな製品が増加していることの影響もある。デジタルカメラも、コロナ禍で外出が減ったこともあり、コロナの影響が直撃した格好である。スマートフォンケースも外出が減少したことで落ち込んだ」と述べた。

 21カテゴリー以外では、最も成長したのが、「PCカメラ」で357.4%増となり、最も縮小したのは、「音声翻訳機」の12.6%となった。「PCカメラは、オンライン会議の増加に伴い、カメラがないPCに付属したり、画質のいいカメラに買い替えるといった需要により、2019年1~5月比で4.5倍に伸びている。一方で、音声翻訳機は、市場が立ち上がりつつあったが、海外旅行がなくなったことで、大きなマイナスなった」と分析した。

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