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自分の顔ではなく推しの写真をアイコンにする理由

2021年の高校生LINE事情「顔写真を使わない」「未読・既読スルーは嫌う」

2021年06月22日 09時00分更新

LINEアイコンは顔写真じゃない!?

 高校生はLINEをどのように使っているのだろうか。高校生新聞編集部の調査結果(2021年4月)から見ていこう。

 高校生たちは、LINEのプロフィールにどんな画像を設定しているのか。調査によると、1位は「イラストやアニメ、漫画の画像」、2位は「好きな芸能人やモデル、アイドルの写真」。3位は「風景の写真」、4位は「動物、ペットなどの写真」となった。

 5位にやっと「顔がわかる『他の人とのプリクラ』が出てくるものの、基本的に顔写真は設定しない。「知り合いしか見ない場所でも顔写真を載せるのは抵抗がある」という心理があるようだ。

 好きなものの写真に設定する理由は、「好きなものを知ってもらいたい、自己紹介代わりになる」「趣味が合う人は話しかけてくれる」「かぶらないし、肖像権にも触れないし、自分らしくしたいから」。いつも好きなものに囲まれていたい、好きなもので自分らしさを表現したいというわけだ。

 Instagramでも顔を隠した写真がトレンドとなっているが、それだけでなく「推し」を見てもらいたいという心理は外せないと見ていいいだろう。

高校生のLINEコミュニケーションは?

既読スルー、未読スルー対策も万全

 既読スルーや未読スルーは問題になるのだろうか。「友達から来たLINE、どう返信していますか」という質問に対して、最も多かったのは「未読のままにして、都合の良いタイミングで返信」(66%)に。次いで「気付いたら即返信」(29%)となり、「既読をつけて、都合の良いタイミングで返信」はわずか5%となった。

 「既読がついたのに返事がないとイラッとするから」、あえて既読をつけずに返事ができるタイミングに既読をつけるというわけだ。

 「友達からの返信、『遅い』と感じるのはどれくらいですか」という質問に対しては、「5分以内」(0.3%)、「10分以内」(0.3%)、「30分以内」(2.2%)、「1~2時間以内」(5.9%)と、「半日以内」(21.9%)も合わせると、約3割が半日後までに返信がないと「遅い」と感じる。

 一方、「一日以内」(21.6%)、「2~3日以内」(27.5%)、「一週間以内」なら返信が来なくても遅いと感じない人も7.8%、「返信が来なくても気にしない」という人も12.5%いるなど、個人差がとても大きいようだ。

 とはいえ、「未読スルー」「既読スルー」はイラッとくるポイントということは変わらない。早く返事がほしいのに返事が来ないとき、他のSNSは投稿しているのに未読のままのときなど、イラッとした経験がある人は多い。

 しかし、SNSネイティブ世代だけあり、「相手のメッセージ頻度に合わせてメッセージを送る」「既読スルーしたら謝ったり、あらかじめ『既読スルーしやすい』と言っておく」「遅い時間のLINEはお風呂や充電などの言い訳をして切り上げるようにする」などの工夫で乗り切っているようだ。

 今どき高校生は、LINEのトラブル回避法をうまく身に付けているようだ。大人世代も見習えるところがあるのではないだろうか。

著者紹介:高橋暁子
 ITジャーナリスト、成蹊大学客員教授。書籍、雑誌、Webメディアなどの記事の執筆、監修、講演などを 手がける。SNSや情報リテラシー教育に詳しい。『ソーシャルメディア中毒』(幻冬舎)、『Twitter広告運用ガイド』(翔泳社)、『できるゼロからはじめるLINE超入門』(インプレス)など著作多数。テレビ、ラジオ、新聞、雑誌などメディア出演も多い。公式サイトはhttp://akiakatsuki.com/、Twitterアカウントは@akiakatsuki

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