世界各国で5Gサービスが始まっていますが、新型コロナウィルスの影響もあり利用者はまだあまり多くないようです。5Gの料金は4Gより高く設定しているキャリアも多く、利用エリアが狭いことも5G加入を踏みとどませている要因になっているのでしょう。
筆者の居住する香港では2020年4月から5Gサービスが始まり、約1年が経ちました。2021年5月からはMVNOの5Gサービスも開始され、より安い料金で5Gを使うことができるようになったのです。そして6月からはいよいよプリペイドSIMカードも5Gに対応し、契約不要で5Gを使うことができるようになりました。
5Gの使えるプリペイドSIMカードはMobile Duck/鴨聊佳というブランドのもの。香港のキャリア、中国移動香港が販売しているもので、いくつかの種類がありますが中国大陸(中國内地)と香港で共用できるタイプのもの。製品は3種類あります。
- 15GB/年:218香港ドル(約3100円)
- 12GB/年:198香港ドル(約2800円)
- 3GB/15日:108香港ドル(約1500円)
香港のプリペイドSIMはキャリア自らが割引販売をしており(オンライン販売のみ)、街中のスマートフォンショップやSIMカード販売店などではかなり安く売っています。筆者も深水埗の桂林街にあるSIM屋台で15GBタイプを定価よりも安い、150香港ドル(約2100円)で購入しました。
12GBと15GBの製品は2021年12月末まで3GBがボーナスされ、それぞれ15GB、18GBが利用できます。
さて、これらのプリペイドSIMは6月以前からも販売されていたようで、5Gへの対応は6月から。そのため購入したパッケージには5Gに対しての説明が一切ありませんでした。中国移動香港のウェブページには情報があり、そちらには5Gの利用方法が明記されています(5G Mainland China 15GB 365-Day Prepard SIM Card)。
使い方は簡単で、SIMカードを5Gスマートフォンに入れたのち、「*#130#」に電話で発信。するとすぐにSMSが飛んできて、カードが開通されたことが通知されます。それから1分程度で15+3=18GBのパッケージが使えることが可能になったことのSMS通知も受信。この状態ではまだ4Gしか使えません。
続いて「*104*01#」に電話で発信して5Gサービスを開通。すぐにSMSで5Gサービスが使えるようになったと通知が届きます。ここで念のためスマートフォンをオフラインにし、再度オンラインにすると無事アンテナピクト横に5Gの表示がされました。
中国移動香港は5G NR方式のn78(3.5GHz帯)、n79(4.9GHz帯)でサービスを提供しています。5G表記が出ても4Gのアンカーバンド(実際はLTE)につながっているケースもありますが、電波状況を確認するとしっかりとn78に接続していました。
早速スピードテストをしました。香港の5Gエリアはかなり広くなっており、繁華街などはほぼカバーエリアとなっています。今回測ったエリアでは、下りの速度が平均で500Mbps前後、最大で641Mbpsとなりました。また上りの速度は平均100Mpbsオーバー、最大141Mbpsでした。同じエリアでLTEは下り150Mpbs前後、上り40Mbps前後だったので、5Gは4Gの4倍程度の速度となります。
なお香港のIT系メディアが香港各地で5Gの実速度測定を行ったところ、最大でも800Mbps弱ということで、香港の5Gは「ギガ」の速度は出ないようです。
ところでプリペイドSIMカードが屋台で自由に買える香港も、SIMカードの登録制度が始まる予定です。実施は今年の秋以降。プリペイドSIMカードの買い方・使い方もこれから変わってしまう予定です。詳細は今後記事にする予定にしています。
香港はスマートフォンを安く買える場所としても有名ですが、まだしばらくは香港へ渡航することは難しいでしょう。いずれ再び自由に香港に来ることができるようになったら、ぜひ5GプリペイドSIMカードと5Gスマートフォンを買って5Gを試してみてください。
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