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MacとiPadをシームレスにつなぐ「ユニバーサルコントロール」は両OSの統合の必要性を減らす

2021年06月09日 20時00分更新

macOS Montereyには、新デザインを採用した「Safari」、日々のタスクを自動化する「ショートカット」、どのアプリやウェブサイトでもメモを取れる「クイックメモ」、作業に関係のない通知をフィルターする「集中モード」など、ほかにも多くの新機能を実装されます

 アップルは6月7日(現地時間)、開発者向けイベント「WWDC21」にて次期OS「macOS Monterey」の新機能をプレビューしました。筆者がそのなかで最も期待している機能が「ユニバーサルコントロール(Universal Control)」です。

 ユニバーサルコントロールは、すべてのデバイスを横断して、作業を効率化するための新機能。一組のマウスとキーボードを使って、MacとiPadの間でマウスカーソルをシームレスに移動できます。ユニバーサルコントロールは最大3台のデバイスで利用可能で、MacとiPadだけでなく、MacとMacという組み合わせでも使えます。また、ユニバーサルコントロールを使い始める起点はMacのみですが、一度接続してしまえばiPad側のMagic Keyboardなどでも操作可能です。

ユニバーサルコントロールではマウスとキーボードを共有できるだけでなく、デバイス間でファイルをドラッグ&ドロップすることも可能。上の写真で言えば、右のiPadから、中央のMacBook Proを経由して、左のiMacの動画編集ソフトのトラックにファイルをドロップできます。なお、ユニバーサルコントロールでのドラッグ&ドロップは特にアプリ側が対応する必要はありません

 さて今回のWWDC21の基調講演で、個人的にあればいいなあと期待していたのがM1搭載iPad Pro独自の新機能。ご存知のとおり、2021年版iPad ProにはApple M1チップが採用され、最大16GBのメモリー、2TBのストレージが搭載されています。CPU、メモリー、ストレージはM1搭載Macと同等です。

 そこで、M1搭載iPad ProでmacOSがデュアルブートで起動できるといいなあと「妄想」していましたが、そのような発表はなかったです。残念。M1搭載iPad Proは個人的にはオーバースペックに思えますが、今後さらに高機能、高性能なアプリの登場を促すため、最上位タブレットの能力の上限を引き上げただけなのかもしれません。

 とは言え、今回発表されたユニバーサルコントロールを使えば、Macをメインで作業しつつ重たい作業をiPad Proにまかせたり、逆にiPad Proをメインで作業しつつ古いアプリをMacで利用するといった使い分けができます。MacとiPadがシームレスにつながるのなら、iPad上でmacOS用アプリが動作したり、両プラットフォームが統合される必要性は減りますね。それでも期待せずにはいられませんが……。

 ユニバーサルコントロールの細かい挙動については現時点で不明な点もありますが、7月に提供開始される予定のパブリックベータで試したいと思います。いちユーザーとしても楽しみです。

 

筆者紹介――ジャイアン鈴木
 EYE-COM、TECH Win、TECH GIAN、PDA Magazine、DIGITAL CHOICE、ログイン、週刊アスキー、週アスPLUSと主にPC系メディアで勤務。2015年1月よりフリーの編集兼ライターとして活動を開始した。

 

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