ゴシックホラーの雰囲気が漂う「村」と「城」
本作の舞台は、東ヨーロッパの雰囲気が漂う「村」。最初は寒々とした空気感と、廃れた家屋が特徴的で、グリム童話に出てきそうな趣きがある。美しさと恐ろしさを兼ね備えており、バイオハザード ヴィレッジの名にふさわしい舞台といっていい。
従来のバイオハザードシリーズは一本道のステージだったが、本作はある種小規模なオープンワールドを採用している。カギがかかった家屋をアンロックするために、もしくは各地に隠された宝を見つけるために村を隅々まで探索することになるだろう。
もう1つの舞台である「城」も印象的だ。中世を感じさせる城も本作を象徴するステージで、内装はどことなく第1作のバイオハザードを彷彿とさせる懐かしさがあった。
敵との遭遇はもちろんのこと、アイテムを使ってギミックを解除したり、ちょっとした謎解きを解くなど、バイオハザードシリーズならではの遊びも用意している。城を探索していると、なんとなくだがバイオハザードシリーズという故郷に帰ってきたような錯覚を覚えた。
シリーズ史上最も衝撃的なストーリー
最も気になるストーリーについても軽く触れておこう。冒頭でも述べたが、バイオハザード7の主人公だったイーサン・ウィンターズがさらわれた娘・ローズ(ローズマリー・ウィンターズ)を救うべく、謎の村へ赴くといった内容だ。
目的は愛する娘を救うことだが、その裏に隠された事実の数々に衝撃を受け、鳥肌が立ってしまった。同時に、バイオハザードシリーズにしてはかなり攻め入った内容であると感じた。視覚的にも精神的にもショッキングなものが多く、人によっては心を痛めるかもしれない。ただでさえグロイのに、まさかストーリーもグロイとは……。詳しくは説明できないが、次々と明かされる事実に対して、とてつもないショックを受けることになるだろう。
また、シリーズでおなじみの名物キャラクターである「クリス・レッドフィールド」も登場し、プレイヤーをストーリーの渦へと引きこむ役割を果たしている。発売当初のPVでは、クリス・レッドフィールドが闇落ちしたと話題だった。多くの事件を解決へと導いてきたクリスがなぜそんなことをしたのか。バイオハザードシリーズのファンとして最も気になったのはそこだった。
今回の事件にはクリス・レッドフィールドが裏で絡んでいて、主人公と対立する立場であるように描かれていた。クリスの不可解な行動の意味を探ることもまた、プレイヤーを衝撃のエンディングへと導くきっかけになっている。
娘をさらった理由やクリスの存在などの謎が新たな謎を生み、終盤ですべての謎が明らかになる展開はさすがの一言。映画さながらのストーリーテリングに引き込まれ、謎が判明するたびに思わず唸ってしまった。ゲームにあまり興味がない人でも、映画を観ているような感覚で楽しめるはずだ。ネタバレになるので詳細は控えるが、本作のエンディングはシリーズ史上最も忘れられない出来であった。
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